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サーファー勇者シュトロハイムの苦悩の日々

作者: 茂木 多弥

 巨大なクラーケンの屍を背に独特の形状を持つ盾を持った勇者シュトロハイムは立っていた。


「巨大な敵も俺の前には小波(さざなみ)に等しい……」


(だー!そんな恰好つけなくていいよ!後が大変になるからやめてー)


 湧き上がる港の街からの歓声。勇者シュトロハイムはスエット姿で街に戻ると、大勢の記者たちが彼の前に集まってくる。


「シュトロハイム様、貴方(あなた)の活躍で街に平和が戻りました!」

「いや、大したことはしてない」


(俺……本当に何もやってないよね……全部ポセイドン様から貰ったパッシブスキルのお陰だもん)


 シュトロハイムは勇者の神託を受けた時に海の神であるポセイドンよりギフトを貰っていた。相手と対峙した時や攻撃を感じた時に発動するパッシブスキル「サーファーリフレクション」……30秒間ポセイドンの力を身に纏う。


(相手が攻撃すればするほど効果が継続する最強スキル……無敵だよね。ただ、性格まで変わるのは困るよ……俺、コミュ障だもん……)


 30秒が経過しシュトロハイムの顔色が変わる。今まで完璧な受け答えをしていた彼の顔にあぶら汗が流れる……


「お、お……俺は忙しいので、この辺で……」


 シュトロハイムはそう言うと記者たちに背を向けて立ち去っていく。そして記者たちは呟く。


「シュトロハイム様は凄いな。短い時間だが我々に対応して、街の平和の為に巡回するんだから……」


(ヤバい……ヤバい……効果が切れた。あとは黙って街の人に手を振っておけば、また誰かと対峙してポセイドンモードに……あ……)


 シュトロハイムは見てしまった。太古の昔、ポセイドンが流行(はや)らせたといわれるビキニアーマー……彼は戦闘モードに入る……


「シュトロハイム様~! 見てましたよ! クラーケン相手に盾を足場に戦うスタイル格好良かった~! 波に乗っているみたいで素敵でした!」


 そういうと金色のブロンド髪をなびかせ女剣士が嬉しそうに抱き着いてくる。


(あーやめて~! 刺激が強いよ~! お、俺は童貞なんだ!)


「ふっ、大したことないさ。ところで、その装備は君にとても似合っているな」

「嬉しい! このビキニアーマー今年の新作なんです!」


 女剣士が胸を強調しながらより一層密着してきた時、シュトロハイムの戦闘モードが解けてあぶら汗が再び彼を襲う……


「お、俺は用事があるから」


 シュトロハイムは女戦士を優しく引き離すと逃げるように立ち去った。


(あ……危なかった~。いい匂いだったなぁ~)


 彼の伝説(くのう)はまだまだ続く……


皆さんが謎だと思ったあの装備の答えはここにありました。

というのはギャグです。


感想を頂けると、もの凄く嬉しいです!

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― 新着の感想 ―
[一言] 設定が最高に面白かったです (*´艸`*)
[良い点] 名前に反応せざるを得なかった^^ サーファーなのに陰キャっぽいのがギャップで良いですね!
[良い点] サーファーとハイファンが両立するとは。 [一言] クラーケンに勝ててもビキニアーマーには勝てないっ(笑)
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