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そらへ  作者: まうりあ
3/17

時の人

「搭乗は3名迄でお願いする」


暴風の中車両が近づき後部格納庫の前でピックアップトラックが3台止まり助手席からそれぞれ1名ずつ3名が降りてきてレグルスが迎え入れる。


「パルス、勝手に近づく物は警告しレーザーで威嚇せよ」


メイティスの情報を、いや鹵獲する可能性もあるのでそう言うと後部のラウンジに行くとジェーン号の乗組員が椅子に座りコーヒーを飲みながら話をしていた。


「リーダーのナオです。皆さん無事に助けられてよかったです」

「こちらこそ船長のフォレストです。仲間を助けていただき感謝の言葉もありません、しかしこんなすごい航空機を日本ですか」

「いえ、私は日本人ですがこの船は何処にも所属はしていません」


そんな話をしているとレグルスが3名のNASAの職員を連れて入ってきた。


「管理スペシャリストのマックと情報技術スペシャリストのグレッグそして大統領補佐官カーバインです。アメリカを代表し感謝をします」


金髪のいかにもエリートな感じの補佐官であるカーバインが言うとマックがジェーン号の乗組員に話しかけ状態を確認する。


「それで今回は」


いきなり本題に入るので、


「公海上でハリケーンにたいしての私の操縦訓練を行っていただけでSOSを受けたので救助と引き渡しに、終わり次第退去するつもりですか」

「わかりましたが、この航空機は」

「父の遺産でスペースシャトルの進化した究極と言うことです」


そう言うと壁に設置されている大型のスクリーンに大気圏を抜け大気圏を突入した映像を映し出す。


「貴殿方でしたか、正体不明で警報がなり響きましたから」

「それは失礼しました。しばらくはテストのため公海上で飛びますが」

「そうですかっと」


画面が切り替わり軍の車両とそこから特殊部隊なのか暴風雨に紛れて接近しようとしているのをパルスが強烈な光量のライトで浮かび上がらせ先頭の足元に小型だが十分な出力の可視レーザーを射って警告を始める。


「おっと長居しすぎたと言うことですな、お互い被害が出る前に退去しますか」


カーバインが彼も知らない軍の行動に早々に国外へと促され格納庫へ送り出す。


「コールサインはメイティスと」


マックが我々を呼び出す事に同意して全員を下船させた後VTOLで発進してそのまま成層圏まで垂直に真っ直ぐ上がり帰投した。


「結果は吉と出るか凶と出るか」


早めに存在を知らせた事は良いことかと思うが何処の組織か知らないが特殊部隊を早々に送り込んでくるのにはさすがと思いながらオートメーションで点検などを行っているのを見ながら、


「レグルス、父はこの船を何に使えと攻撃力は圧倒的だが絶対でも無いだろうし特に数で押しきられる事も」

「それについては基本逃げる。機体の素材も塗装もオーバーテクノロジーで製作されたものでマッハ3を越えた場合に起きる摩擦熱350度を問題なく、なんせ大気圏を行き来できる機体だからな」


確かに大気圏のあの大気との摩擦熱はそれ以上なので基本追い付けない速度を出すと言うことを決めた。


「それとこの人工島」

「オリンポスと呼んでるが竜巻の上の部分だろう」


メイティスが外に出るときに出る場所から逆に高高度からの特殊部隊のダイブや戦闘機をと心配すると、


「風速が40mを越えてなおかつ外向きに吹き出しているから問題はないですが、いちお防衛として8つの高出力レーザーが設置されており半径100kmに入り込んだ段階で警告し転進しない場合は警告を1度で撃墜します」


この基地の概要が示され蛤のような貝の外格で核にも十分耐えられるしいざとなれば海底部分を消滅させ攻撃が届かない深い海のそこに移動もできると言うことだった。


「さて、機体というかメイティスのエネルギーの基となる物をお見せしましょう」


レグルスに連れられ機関室に連れてこられタッチパネルの前に立つと全身スキャンを行ったようでセーフティーが5つもあり最後に機関全体が大きく上に持ち上がりその下を潜り込んだ。


「この小窓をのぞいてみてください」


丸い耐圧耐熱カプセルの窓をのぞくと白くそして虹色の光がきらめく物体があり、


「ここからメイティスの全動力を供給していると、今回の行動でも放射されたエネルギーのみを使ったぐらいで消費はしていません」

「これがOPか」


これをすべて解放すれば太陽系が消滅するほどのエネルギーでありこれを使ってワープも可能と言うことで機体の中心に厳重に隔離されており他のオーバーテクノロジーを取られてもだがこれだけはと父からも言われていたのを思い出す。


そんな話をしているとパルスが知らせてくるのでラウンジに行くと画面にジェーン号の船長と船員がアメリカの最王手のネットワークのテレビに写っており、別れ際に頼まれて渡したメイティスの写真を見せながらハリケーンでの救助活動の話をして感謝で締め括ってくれた。


その日のうちに船名が知られ何処の国にも所属しないメイティスについて議論や噂話等が世界中を飛び交い日本の遠い親戚がテレビに引っ張られているのを見たり、学校でほとんど話したこともないような同級生が私の事を適当に面白おかしく話したりしていた。


「こりゃ時の人ですな」


レグルスは自分の名前からは身元はばれていないのかこちらを見てウィスキーをダブルで飲み始めていた。

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