グレッグとJr
「グレッグから至急の呼び出しだって」
パルスから呼び出されて出ると疲れた顔のグレッグが画面に現れる。
「ナオすまないが孫を探す手伝いをしてくれないか」
そう言うと説明を始め、私は発進準備をしながら聞く、
「MITを卒業してなNASAに入ったんだが、例の件で衛星が落ちた中の1つがチャド湖に落ちたらしく調査に向かったんだが音信不通になったんだ」
そう言われてグレッグの孫、グレッグ・アーノルドJrの携帯の通信はチャド湖の湖畔で消えたのが確認されアフリカに飛んだグレッグに合流した。
「すまないこんな私用で」
「グレッグの頼みなら喜んで、それでNASAはなんて」
疲れているグレッグはミリアが差し出した栄養ドリンクを飲み大きく息をはくと、
「危険でアメリカ合衆国としても紛争地帯で現地では無差別の殺人も多数起きていると言うことで」
「わかった、レグルス衛星からの画像は」
「チェックしてます。どうやら民兵に拉致され軍に引き渡されたんでしょう」
「チャドの大統領が黒幕かな」
「いずれにせよ場所はわかってます強襲しますか」
「中の様子をドローンで確認してからだ、Jrを怪我無く助け出すぞ」
「それはわかったけど何で私がこんなところにいるのよ」
カズミが言うのをミリアが、
「黙って見てたらこもりすぎ、たまには太陽を浴びてもバチは当たらないわよ」
そう言って黙らせてしまう。
「生存確認」
レグルスの言葉に胸を撫で下ろす。
「しかし軍もですが民兵と住民が、ミサイルで排除と言うわけには」
「ガイアに私とグレッグを、ウラノスにレグルス、パルスはカズミとメルティスを頼んだぞ」
一人だけ叫んでいるのをおいて皆後部ハッチへ、
レグルスがウラノスで飛び出し威力偵察を行い私は上空からガイアで降下した。
「入り乱れてるな」
ガイアにAK-47で攻撃を仕掛けてきておりきかないがあまり気持ちのいいものではないので周囲の建物に突入して土壁で出来た兵舎や倉庫を潰しながら目的の場所に到着した。
「グレッグ」
なんとか助けたいとグレッグが上部ハッチから出てレーザーガンを構えて現れる敵を倒す。
私は脳内ダイレクトで周囲を認識できるので赤外線やスキャニング等を使って敵の居場所を知るとレーザーを車体の角から発射して倒す。
「グレッグ、入って右側だ」
そう伝えドアをレーザーで速攻焼ききるとグレッグが入った。
「ナオ、奴らとちくるってその辺一帯にロケット砲を打ち出してきやがった。排除する」
落下してくるロケットを認識してレーザーで打ち落としていく、
「助けたぞ、すぐに戻る」
グレッグに言われ車体を入り口に寄せ防御をすると、建物の反対側から誰かが近付き爆発した。
「ばか野郎、レグルス軍の建物を一掃してくれ自爆攻撃だ」
操縦はオートに任せ後部ハッチから降りると崩れかかった建物に入りグレッグとJrを見つけて、
「救助だ、グレッグを早く移すから手伝え」
Jrは苦渋の顔をして頷きグレッグを両方からかかえてガイアに収容した。
「パルス」
「了解」
牽制ミサイルを地上に向け発射しながら高度を下げる。
「上昇する収容してくれ」
スラスターを吹かすと一気に上昇し後部ハッチに飛び込んだ。
「あにき早く乗せて」
医療ベットにカズミが乗って急いで止めるとグレッグを乗せて移動しながらパルスに点滴や呼吸器やプローブをグレッグに施していく、
「爆発のショックと瓦礫で頭を打ってる。持病もあるかあら早く処置するから」
そう言うとそのまま医療ルームに入っていき任せることになった。
「グレッグ・アーノルドJr、Jrと呼んで下さい」
「ナオだ、お祖父さんとは親友だ、無事でよかった」
そう言いながら画面を開くと金属入りの爆弾だったらしく背中に多数受けているのがスキャンでわかっており複数のマニュピレーターで傷口から破片を同時に取り除いていく、
「脳の内圧を下げる」
カズミはサポートを受け脳外科の手術を行っておりいつになく真剣な眼差しで行っている。
「とにかくオリンポスへ一度戻ろう」
メルティスを振動させないように細心の注意でオリンポスへと戻った。
「脳圧は下がったけど意識が戻らないの、とんでもない最新技術で意識を戻そうとしているけど」
カズミの報告につきっきりのJrは苦渋の顔で、
「祖父からは不穏な状況に現地にいかずホテルに止まるように言われたんですが」
現地の仲間の意見で向かってしまいこんな状況になり後悔をしているので、
「グレッグにしてみたら可愛い孫が無事に助かったから問題ないって言うだろう」
グレッグと一番酒を飲み明かしたレグルスが言い、
「くよくよしたって何にもなら無いわよ、これからどうするかよ」
そう言われてしばらく考え、
「もし良ければ自分をこのチームに入れていただけませんか」
そう言われ理由を聞く、
「1つは18才で飛び級して両親の言われるままNASAに入れましたが祖父は世間を見てこい、ここなんて自由だが誰にも守られない自分で決断する事を強いいられるが大きく成長できるしそれが本来の自由だと」
「もしアメリカともめれば二度と故郷の土は踏めないかも」
ミリアが言うと頷き、
「確かにそうなれば悲しいが無限の宇宙に祖父の思いと共に進めばいいだけです」
そう言われ私は立ち上がり手を伸ばし、
「5人目のチームメンバーとして迎え入れよう」
「ありがとうナオ、皆よろしく」
握手をしてミリアがアクアグリーンのスーツを後程渡した。
数日後グレッグは目を覚ましたが半身不随になり神経の修復を行うためにカプセルに入れた。
「依頼もないしJrの歓迎もかねてケンタウルス恒星系の惑星探査に向かうか」
そう言うとJrが、
「それって太陽系外惑星プロキシマ・ケンタウリbの事かな」
そう言うとミリアが反応し、
「プロキシマ・ナンタラbにいくの」
「でも光の早さでも4.2光年はあるよ、何十年かかるか」
「私達にはワープがあるのスタートレックのようにスターウォーズの様にすぐよってパルス何日かかるのよ」
「地球時間で66分の予定です」
そう言うとJrは驚いて声も出ず、ミリアは自分の事のように満面の笑みでJrに頷いた。
「すでに火星やアステロイドベルトそして木星に行ってるからね」
「言葉になりませんが公表は」
「今のところなし内密で行ってるからね」
「NASAの連中に言ったらその場で失神しますね、命と引き換えに連れていってくれって」
そう言いながら準備を始めJrにはウラノスの催眠学習と実機訓練をレグルスが横乗りしてオリンポスから重力に影響されないポイントへと向かいながら行う。
「ナオォ」
ミリアが上目使いでこちらを見るので、
「駄目、live発信なんて出来ないことはないけど駄目だよ、更に危険視されるから」
「何で、エリア51とかみたく情報統制するのよケチケチナオのけち」
「受け入れる人もいるけど受け入れない人もいたり理解できない人を煽って敵対視させたりして争乱が起きかねないよ、4.2光年は」
「わかったわ、でも録画はさせてね」
「って、さっきから4光年とか言ってるけど何なの」
カズミが右側一番後ろのシートに座って聞いてくる。
「カズミ、私達人類初の他の惑星の調査で人類以外の生物に会えるかも知れないの、楽しそうだと思わない」
「ミリア、火星にタコは居ないし水星人もいないし」
「カズミ夢がないよ、希望があれば会えるから」
「それはあんまり期待できないかと」
Jrがレグルスと戻ってきて言う、
「何でよ」
「恒星と太陽系外惑星プロキシマ・ケンタウリbの距離は1/12で恒星は太陽の65%のエネルギーを放出するんだけど、当然暗くて夕闇並みだけどX線は400倍だから」
「生物をなめてもらっては困ります。X星人がいますから」
レグルスが思わず吹き出しミリアににらまれこちらを見るので、
「いてもいなくても調査をするだけさ」
「そうよそうよ、カズミもJrも意地悪ベーだ」
こうしてワープを行うためにチェックすると空間へ光の中飛び込んだ。
「気持ち悪い」
「同じく」
「僕も駄目」
体験したことがない3人は呟くが止めるわけにいかずに事前に用意していた袋に戻してしまった。
「残り30分」
「寝ている間にて言うのも必要かもですね」
レグルスが言うことに同意しながら色々話ながらようやくワープアウトした。
「赤黒い太陽」
ミリアの言葉に皆どうする。
「若くないのかな」
カズミが聞くとJrが、
「確か2億年ぐらいこちらの方が年を重ねてるけど」
「2億年て想像つかない」
ミリアに同意しながらドローンを先行で向かわせ厚い雲に降下させた。