妹
「使用料をばっちし取っちゃいなさい、放置したつけなんだから」
高高度での核爆発を起こしたことにより中低高度の軌道を周回する民間の衛星と回路がシールドされていた軍事衛星さえも破壊され世界中で流れ星が観測されGPS等や地上探査、偵察ができなくなっておりGPSはカーナビに及ばす船や航空機の運用もできずにおり衛星の製造も数ヵ月かかる。
「この際だ、宇宙は我々の物で危険な物は持ち込ませない」
そう宣言して衛星アルテミスから孫衛星を出して前よりも細かい通信網を構築する。
「この通信網を誰でも自由に使うことができることを約束します。そして宇宙で戦争が起こらないように調べ問題があるなら公開後排除します」
「月や火星での開発は国連で話し合ってください、拒否権を使われるなら空には二度と関われないと思ってください」
「私たちで出来ること手伝いますが技術の提供は出来ません手助けはします」
「最後に理不尽や何様だと思われているとおもいます。それはすべての人々が金や力で弱いものを踏みつけてきてそう思っています。変われとは言いませんが宇宙はそんな力関係抜きで生活をしてもらいたいと願います」
そう言って通信を切ると通信やGPS等の情報を解放し通信会社は悲鳴をあげ虐殺などを秘匿しようとして地上の通信アンテナを破壊している軍閥は白日のもとにさらされていった。
アルテミス1号は一度国際宇宙ステーションに帰還をして私達もケープカナベラルに帰還して乗員を下ろした。
「ミスミリアは」
「私はこちらに残ります」
そう言うと管理スベシャリストのマックは私をみて頷き、
「幸せにな、ゴットスピード」
「ありがとうマック」
そう言って救援は終わった。
「さあ、我が家に帰ろう」
離陸するとオリンポスへと進路をとり上昇する。
「そう言えば中国ってどうなったの」
「軍部が怒って各軍閥でもめているらしい、電気が復旧するのがまだ先らしいからね」
電子回路が中国全土で焼ききれており数日はバッテリーや発電機等で明かりをつけていたが、それもつきて前の大戦迄生活レベルが落ちたことで人民の不満をさっして北京から頭を押さえつけられていたので次々と軍閥が息を吹き替えしたと言うことだった。
「そう言えばあれから連絡もとれずにいたけど、まさかオリンポスにこもっていたなんて言わないよね」
そう言われ、
「アステロイドベルトと木星と火星そして最後に月面におりただけだ」
「ずるーーい、私がNASAの訓練で大変だった間に人類初をそんなに、太陽一番乗りをする」
「そりゃ到着する前に溶けますわ」
レグルスが言うがミリアににらまれて明後日の方に目を向ける。
「落ち着いたらケンタウルス座α星って恒星にある水があるらしい惑星に向かうからその時に」
「水のある惑星ってケンタウルス星人と初のコンタクトをとれるわね、それで許す」
「居るとは、いやなんでもないです」
レグルスはにらまれて静かに黙った。
「アプローチに入る」
「私がする」
ミリアの言葉にレグルスと同意して脳波コントロールで任せる。
「そうれっ」
いやいやどんな急降下だよとG中和しきれずに自分自身が悲鳴をあげており、それでもやめずにオリンポスに着陸した。
「スッキリした」
レグルスと苦笑いしながら、
「おかえり」
そう言うとミリアが嬉しそうに、
「ただいま」
そう言ってメルティスからおりた。
「ケンタウルス星人に会いに行きましょう」
あれから3日に1度はミリアが騒ぎ私もレグルスも逃げ回ってる。
「何でよ、1年後でも今からでも問題はないでしょう」
「今は下と上をお客さんを乗せて行くことが優先だ」
「けち、ナオのケチケチケチケチ」
「イィーダ」
そう言うと何時ものようにすねて近くにいたパルスに当たると自分の仕事を続けた。
「本日は成田空港、お客さんは50名」
「ナオの故郷だな、楽しみだろう」
「楽しみだけならいいけどね」
そう言いながら太平洋側からアプローチして着陸した。
「行ってくる」
自分の国のジャーナリストと呼ばれる人間達に嫌悪感をいだいているが仕事と思いながら後部ハッチを開けて出迎える。
「ようこそメルティスへ、案内役のナオです順番に案内をいたします」
「すいません富士テレビのリポーター柏原優実です。ナオさんは日本人ですよね」
「はい、日本国籍を持っていますが」
そう言うとホッとしたように、
「それなら、失礼ですがご家族は、どこ出身ですか」
「その件はまた機会があれば」
「旭テレビの坂内ともうします。実はナオさんには妹さんがおられると」
「プライベートはやめてもらえませんか」
「しかし視聴者は知りたいと」
「今回は宇宙の事についての事をより良く知ってもらうと」
「舞日テレビの春日です。それならご両親の」
私は大きな息をはいて色々プライベートな話をしてくる全員を見渡す。
「いい加減にしろ、これはワイドショーの延長でしているんじゃなく国を越えた事だと言うことがわからないらしいからキャンセルする」
「それは暴言ではないですか、ジャーナリストは知る権利があります」
「そうだ、宇宙を私物化しているくせに」
「独裁者め」
次々とリポーターが叫ぶ、
「うるさい、エセジャーナリストがよく言うわね、宇宙のこと何かひとつも聞きもしないくせに、ナオの家族の事が今何の関係があるの、このliveをみて世界中の反応を」
そう言って画面を空間に投影するとプライベートばかりのゴシップ屋とかパパラッチか低俗、大衆紙にも及ばない等と次々とコメントがアップされ各クルーは沈黙していく、
「今回はキャンセルと言うことで、失礼します」
未だ言い足りないミリアを押してメルティスに戻ると離陸した。
「気がのらない理由がわかりました。まあそう言うことがありますね」
「ナオに失礼よ、いいわお父様から抗議してもらう、絶対」
「気にしなくていいよ、ああなるだろうってわかってたし、しかし妹に迷惑をかけたな」
「妹さんてどんな女性」
そう言われて思い立って会いに行くことにした。
「パルス、後は頼む」
「了解、上空に待機しておきます」
メルティスから3人でウラノスに乗り換え降下する。
メルティスもウラノスもレーダーには写らないためエンジンをきって滑空させながら東北の山の中に降りた。
「走れ」
ミリアが背後から言うのを頷きながら加速する。
ウラノスに積んである移動手段であり峠をレグルスと競うように走り抜け地方では中々に大きい都市に到着した。
「このキャッスル山の中だけど下に町が広がってるね」
「地震で被害を受けたがここまで回復してきたのさ」
「ナオの家が400年だがこの城も同じぐらいなんだな」
そう言いながら坂を下り記憶にある自宅マンションに向かい手前で止まった。
「どうしたの」
ミリアから言われて人と車両を指差し、
「外国で言うパパラッチだ」
メガネの画面に顔や車両ナンバーから個人のデータが表示される。
「最近の妹にからむデータをパルス」
そう言うと目線は隠されてるが雑誌やネットに表示されており、
「まるで犯罪者ですね、報復します」
そう言うや出版元やそれを撮影したパパラッチのパソコンのデータを消去し資産をアメリカ経由で凍結してもらう、
「仕事場にいく」
そこから地下鉄で通勤している先に到着した。
「任せてください」
レグルスに病院前にいるゲスな連中のことを頼んで緊急口から免許証を見せ呼んでもらって中に通された。
「すまないカズミ」
夜勤明けなのか疲れた顔の妹が現れ頭をかきながら、
「一番会いたくない顔を夜勤明けの日勤中に見ないといけない私の不幸をどうしてくれるの」
「弁解の余地はない、今日中に排除するがしばらくは次々とわいてくるが迷惑はこれ以上かけない」
「それはそれは、病院からも色々言われて、私インターンなのに」
「理事長に私から説明しましょうか、私はミリア・カーバイン」
ミリアが助け船を出してくれる。
「何このバービー人形みたいな金髪に青い目って」
ミリアが手をさしのべるとカズミはおっかなビックリで手を握り返す。
「色々有るけどナオのお兄さんのこともわかって」
「理解じゃなくて私の生活をこれ以上かき回してほしくないだけ」
「データの消去と資産の凍結完了」
レグルスが言うと妹は驚き、
「何それ国家的陰謀」
そんなことを言っていると上司らしき医者が顔をだし、
「今日はもう帰れ」
「未だ7時間あります」
「良いから帰れ」
そう言われて頭をかきながら、
「ご飯おごって」
そう言われてミリアはレグルスの後ろに、カズミは私の後ろに乗って走らせた。
「バービーは彼女」
「ああ、ミリアは彼女だ」
「リア充爆発しろ」
そう言うとカズミは大笑いして私もつられて笑いながら食事会をひらいた。
「改めて、カズミ・ニシよ、ニシは母親の名前、去年医大を卒業して研修医として働いてるところ」
「ミリア・カーバイン、聞いたと思うけど恋人よ、父親はアメリカ合衆国大統領補佐官、何かあればパパに頼むわ」
「バービーが兄貴の恋人なのもわかるけどパパは雲の上、めげるわ」
「俺はレグルス・パーシバル、お父さんの親友だ、会えて嬉しいよ」
「父から手紙が一度、その中に書いていました」
挨拶がすむと再度謝罪する。
「兄さんも父に巻き込まれたんだろうし最初は、父もどうしてもの時にはレグルスに頼れって」
そう言うとレグルスがホログラフィックを起動してパパラッチや低俗な媒体の会社の資産をアメリカでテロリストの疑いがあると言って凍結してもらったことを伝える。
「アメリカにとって害があるイコールでテロリストと言うわけさ」
「怖い国だね、ミリアも」
「怖いなんて、いやなんでもねえっす」
レグルスがミリアの逆鱗に触れる前に慌ててだまった。
「久しぶりに食事らしい食事取ったわ」
どんな食事をとってるんだと言いたいが本題にはいる。
「一緒に来ないかですって、無理無理無理ってキャリア積まないといけないし」
「それならアメリカとかでも」
「日本国籍には未練はないけどアメリカにって試験受けてでしょ、今さら無理無理無理」
「なら、オリンポスで3Dシミュレーションを使った研修は、最近のと言うかそれを飛び越えてる技術もありますし情報も」
「興味はあるわね、決めた。休み1週間とる。病院からも言われてたし」
そういうや否や大学病院に連絡し、
「家もどうせ見張られてるんだからこのまま行こう」
そう言ってウラノスの場所に移動してオリンポスへ向かった。
「ほんとによく寝た」
「移動中ずっと寝っぱなしだものね」
「寝る子は育つでさ」
それぞれが楽しそうに降りて皆で移動をする。
「これがおやっさんが最後に作り上げたんですカズミの為にと」
レグルスの言うことに驚きながら妹を立たせてシステムを稼働させる。
「わぉ、すごい病院みたい」
そう言いながら画面に近付き、
「盲腸の外科手術、ただ見てるだけだからな、サポート有り無し選べるんだ」
そう言うと早速手術の準備をして感触から何まで本物と間違えてしまうオリンポスのシステムにのめり込んでいった。
「今は72時間目って、いい加減にやめさせないと」
ミリアがあきれるのもわかる程カズミはのめり込み手術の間にリアルの栄養バーとドリンクを用意させトイレを済ませると手術をしている。
「カズミ、もう3日目だぞ」
丁度手術を終えて満足そうな妹にか声をかけた。
「そんなに匂うかな」
「女性としてあり得ない」
カズミが言うのをミリアがドン引きして答える。
「わからないとイケメンの医者が手取り足取り教えてくれるし、ここの機材病院のと比べようもないくらい、レーザーメスとか普通のとかわらないし」
そう言って興奮しているカズミをミリアがお風呂へ押していった。
「あそこまで、おやっさんに似てますねとことんな所が」
「全く困ったな」
そんなことを言っているとカラスの行水なのか速攻出てきて、
「病院で経験できる数年分を一気にできた。決めたここに移る」
そう言われてほっと安心しながらも、
「大学病院は」
「辞表出せばいいでしょ」
そう言われてあとはしておくとその場で退職届けを書いてもらい日本にトンボ返りして退職届けを提出し驚かれるが私の事を認識していたのでそのまま黙って受理された。
「女の子の部屋とは思えなかったわよ」
ミリアに引っ越しの立ち会いを頼んだがおんなっけの無い部屋にため息をついてばかりで、
「もっと可愛くしてあげる。私の妹ですもの」
何かのスイッチが入ったミリアにしばらくは妹ともめるかと思いながら指定場所に輸送してもらいコンテナに詰め込むと部屋を解約してウラノスでコンテナを釣って帰還した。
「心臓の手術興奮した。レグルス感謝するわ」
戻ってきても未だに手術を繰り返しており、
「5日間に32症例の手術をしてます。寝るのも惜しいと数時間その場で寝るくらいで、更に睡眠学習もと」
「気の済むまでほっとこう、パルス健康をチェックしておいてくれ」
そう言って数ヵ月続いた。