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そらへ  作者: まうりあ
13/17

ワープ

「まあ、天候が変わって豊かになっても根本的なところはなかなか変わらないですからね」


レグルスが言う事はわかるがやっていることが結果にむすびつかないと言うことにイラつきを覚える。


「サハラ砂漠も縮小し始めセレンゲティ等も緑豊かになっているのに」

「今までも、これからも利権で動いてますからね、元々ヨーロッパのイギリスとフランスやベルギーとかスペイン何かも搾取しそういう国が正義を力でねじ曲げそれを植え付けたからなアメリカもだが」

「じゃあどうすれば」

「解決法がわかってればだが利権が絡めば戻されるだけだ」


あらためて考えたが絶望でしかないのかと思うようになってしまった。



「これで22ヶ所目だ静観するだけか」

あれから襲撃で壊されたプローブを再設置することを放棄してただ画面を見ている。

気象コントロールは徐々に暴走を始めており他の大陸への影響が大きくなり北極や南極は氷と吹雪に包まれロシアも冬将軍が例年より早く厳しい寒さになり、アメリカは季節外れの超大型ハリケーンが襲来して作物を不良にし、中国やインドでも雨が降り続け作物の収穫にひどい爪痕を残していた。

「今までしてきたことは自己満足でしかないのか意味があるのかわからない、オヤジは俺に何をさせたかったのか」

「なにか考えがあったのは確かでしょう、自分を信じてください」

そんなことを話して数日後プローブの稼働停止を言われたので停止させた。


「地中海や中東等元々降水量が少ないところの地域の降水量がもとに戻りましたが中国や東南アジアでは高地の降水量は増えましたが沿岸部に近寄れば近寄るほど降水量が落ちてますね」

「一時的なのか反動なのか」

データを確認していると画面が表示されアルテミス計画の出発式がアメリカで大々的に行われており私達も招待されたが辞退して画面から見ている。

「ミリアもメンバーみたいですね」

広報と宇宙での活動のliveを担当すると言うことだが画面を消してチェックを行う、

「パルス、アルテミス1号のシミュレーションは」

「いくつか不都合はありますがNASAは問題なしと言うことです。1%の確率で起こる故障が3つ重なれば重大な危機になりますが」

無人船を有人に急遽変更したため問題は出てくるが大きいものは現地改造を行っていると、

「NASAには知らせたよな」

「知らせてますがスケジュールとの兼ね合いでしょう、これ以上口出しするのはと言うことです」

「わかった」


それから1ヶ月はオーパーツ製の装備のテストを行っている間にミリア達クルーは宇宙へと上がり出港準備を整えた。

「世界中の皆さんミリアです。アルテミス計画の最初である月周回テストに向かいます」

そう言いながら国際宇宙ステーションからの画像に切り替わりキノコ型をした宇宙船が宇宙空間に静止している。

「人類初のエンジンテストなどを行い順調にいけば72時間で、ちなみにアポロ11号は102時間でしたのでテストが問題なければ56時間まで短縮されます」

船内の説明をしている画面を横にしながらメルティスでのアステロイドベルトへの航行を行うことになっており、本来はこちらが先だが有人計画に切り替えたNASAがスケジュールを今日にと言うことだった。


「さあいきますか、ワープ航法を試しますからね」

「ああ、重力圏から離れる」

メインエンジンのパワーを今までは最大でも10%しか使わなかったのでテストをかねて加速を開始する。

「出力35%、更に加速」

「機関問題なし」

「周囲異常なし」

そこから一気に加速して70%を越えると後ろの地球が小さくなり目標ポイントに到着する前にレグルスがワープシステムの最終チェックを行いポイントに到着するとワープのスイッチを入れた。


画面が光に包まれ直ぐに調光され次の瞬間反転する。

左のレグルスを見ると虹色に後ろに流れていく様に見えそれが急速に重なると通常空間に復帰した。

「なれが必要ですね」

「ああ、少し気持ち悪いな」

ミリアなら大騒ぎしただろうと一瞬思いながらも時間を確認すると5秒もたってない、

「天文単位なら1.5、光速なら13光分を4秒ですか実感できませんね」

「これでこそオーパーツだな、ガイアで出る」

地球にない元素を採取する為のテストもかねており後部格納庫に移動してガイアの後ろにもう1両連結されておりハッチが開くと前進させ宇宙空間に飛び出すと小惑星Eー013へスラスターを吹かしながら降下をおこない凸凹の地表に着陸した。


「問題なし、ガスの噴出等も無さそうだ採掘する」

前のブレードを地面に突き刺し削りその石を後ろの精製ユニットに送り込み必要な鉱物を採取していく、

「含有量が思ったほど少ないですね、周辺の小惑星を探査してきます」

レグルスがメルティスからウラノスで出て周囲の小惑星にセンサーを打ち込み事前に地球から調べていた情報の修正を行う、

「もう少し中心よりに集まってます」

そう言われ斜め下45度方向にブレードとレーザー砲で穴を開けていきガイアが通れる穴をつくりながら深部へと入る。

「そう言えば木星にヘリウムを採取しに行くのもこの際おこないませんか」

「そうだなガイアの反応炉もパワーをあげたいから行こう」

 そんな話をしていると地球から亜空間通信の試験をかねてアルテミス1号の出港が配信から確認できる。

「これで月の計画が一気に進みますが」

「新たな火種って言うことだろう」

やなことを思い出すのを振り払うように画面を横にやって作業に集中した。


「作業完了、パルス降下して収容を」

メルティスが小惑星に降下して着陸すると後部からガイアを搭載させ探査をしていたレグルスがウラノスで戻ってくると機体をロックさせコックピットに戻った。

「さて短距離ワープしますが木星の重力圏があるので結構手前に、超短距離ですね」

「どのくらいの負担がかかるのかパルス」

「先程のワープで安定する前に現空間へ戻ったためシステム過熱がありましたが許容範囲でした」

「今回は越えるがテストするしかないな」

アステロイドベルトからはさほど離れない場所まで一気に加速してポイントに到着後ワープに入った。


今度は20秒もかからず感覚的には入ってすぐ出された感じで体調的にも悪い影響が出る。

「過熱がひどいな」

「今後は1光分は禁止だな」

「1光時位まで、太陽系内は亜光速でなら分単位で行けますからね」

確かにワープを試験的に使ったが出力を100%に持っていけば地球までは14分程でしかないと言うことにあらためて驚かされた。


木星の周回軌道に入るとヘリウム3回収用の衛星を下ろす。

「外部タンクを展開させます」

採取が始まり送り込まれてタンクに充填し6本のタンクを満杯にした。

「加速は念のため50%でお願いします」

試験目的もあり加速していく、G中和が効いてはいるがタンクは仮設であり機体の上部に機体に沿わせて設置されている。


「光速の50%、地球まで21分」

速度を維持しながらレグルスがアルテミス1号の様子を見せてくる。

「順調そうで何よりです。妨害も無さそうですしね」

「中国が面白くないだろう、我々に依頼をかけることはなさそうだな」

「メンツがありますからね、それよりも妨害ですねどんなのかは」

そう言っている間に火星軌道を横切り減速にはいって帰還する。

降下を開始すると上部の仮設タンクの温度は羽で摩擦熱から守られており問題なく竜巻も通過してオリンポスに着陸した。


「お疲れ様です。パルス鉱石とヘリウム3の移動を任せる」

コントロールルームに戻り酒を飲んでお疲れさまをする。

「ワープを使って太陽系の外縁に一度いきたいな」

「そうですねせっかくのですし、一番近い恒星はケンタウルス座α星で4光年ちょっとですし、うまくいけば水があるって言う惑星も」

「夢があるな、科学者なら絶対行きたいて言うだろうな」

「テレビ局もでしょう」

「しばらくは静かにしたい」

何だかんだ緊張していたので酒を飲むとすぐに寝てしまった。



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