環境改造ミッション
「さっさとやっちゃいなさいよ、いじいじしないで」
「いや、本当に資産凍結するのは面倒なんだけど」
期限が来て請求金額を支払わなかったため強制回収を行えとミリアが言うのをレグルスと私は金に困ってるわけでもないからためらっているとABCでの放送を始めた。
「本日ただいまの時刻をもってオリンポス襲撃によるナノマシーンによる汚染除去の請求支払いの期限が過ぎたため関係した情報局の資産を凍結する事を決定しました」
そう言うと請求した各情報局が表示され次々と口座移動も支払いも一切できない状況が公開され世界中は好奇心と真偽を問いながら情報を共有した。
世界中でニュースのTOPを飾っており関与していなかった政府は非難声明をあげ関わっていた政府は遺憾の意を示した。
「しかしアメリカもカーバイン補佐官が押さえたんだろうな」
「私何にも言って無いけど」
「娘を送り出すぐらいだNASAの報告とグレッグとで予測して大統領にと言うんだろう」
「好都合と言えばそうだがあの金どうする。凍結したままと言うかあれがある時点で気持ち悪い」
レグルスの意見に同意しいたが名案が見つからないと不意にミリアが、
「あのナノマシーンとか他の技術で砂漠化を止めたり荒れ地を緑化できない」
「難しくはないと思いますよ」
「じゃあ決まり、貧困地域のアフリカの国々に提案しましょう」
そう言うとパソコンで提案書を作りパルスにどの様な事が効率的に良いか聞いていた。
「各ポイントにこのポットセンサーを設置して人工的に雨季が続くようにすれば良いのね」
「場所を間違えると他の場所で気候が大きく変動しますぜ」
「アフリカに定期的に雨を降らせれば砂漠も徐々にと言うことだ」
「これ父に話しても良い」
「任せる。俺達は実行あるのみだが交渉は任せたい」
そう言うとミリアは動き出した。
「ナオ、アメリカ合衆国としても提案を受け入れよう、予算がオーバーするなら各国から拠出させることも出来る。企業も含めてな」
そう言うと技術的なことは後日ミーティングを行うことになりミリアに引っ張られていく、
「88ヶ所の設置ポイントは海底200mの場所やキリマンジャロやケニヤ山等設置場所は多岐にわたる。ミッションの間にメルティスとウラノス2機で行うことになる」
リアルシミュレーションで何度か行うと48時間で完了しそこから自動で調整を行うことになる。
「しかし妨害工作が問題でしょう」
「だってみんなが恩恵を受けられるでしょ」
レグルスの言葉にミリアが言うが、
「貧困につけこんで金儲けや支配をしたい人や組織に国家も」
「中国の一路か」
各国の思惑が素直に喜んでくれない状況に改めて知り大きくため息をついてミリアに、
「カーバイン補佐官に守備をお願いする事になるが」
話を決めアルテミスのミッションとミーティングを行うためケープカナベラルへ向かった。
到着して管制塔と連絡を取る。
「いつもの場所で良いか」
「時間通りだな、M3に」
垂直着陸を行い今回はコンテナの搬入を行う、その間に補佐官差し向けのリムジンでミリアと共にNASAのビルへと向かった。
「お帰りミリア」
「パパ久しぶり、色々大変だけどサポートよろしくね」
どうやら残るらしく補佐官も私の顔を見て驚いてるのを見たが、
「そうか、自分の決めた道だ幸せを願ってる」
こうしてミーティングが始まりデータを渡して設置地点へのプローブの防衛を頼む、
「アメリカ軍主体の多国籍軍になる」
すでに調整はすんでいると言うことで作戦日時を決めミッションを行うためミリアと戻った。
「本当ですかい」
レグルスが話の内容を確認してくる。
少し深呼吸をしてからミリアに、
「もう他人事の甘えは出来ないんだよ、これからもっと厳しい状況も出てくる命の保証はない」
そう言うと当然と言う顔で、
「当たり前でしょ、その為に訓練も受けるし知識も、でも大切なのは皆を地球に住む皆に正しく伝えるって言うことも大切、わかったなら行くわよ」
「ありがとうミリア」
そう言うと少し頬を赤く染め小さい声で、
「ナオのそばにもいたいしね」
そう言うと言葉を返せない私に舌を出して行ってしまった。
「よし、宇宙へ上がるぞ」
重量があるので効率のため滑走路から加速して浮き上がると一気に空へと矢のごとく上がり軌道へとのせた。
「ねえねえ、メルティスで月にいけるの」
ミリアに聞かれてレグルスが、
「余裕、火星でも木星でも土星の輪っかにでもいけるさ」
「行く、今から行く」
大騒ぎになりレグルスは頭を抱えて私を見たので、
「いずれ、今は目の前の事を片付けよう」
アルテミス1号の側にコンテナを放出して宇宙服を着た国際ステーションのメンバーが受け取り作業を行っていた。
ミッションを完了して確認後帰還する。
「直接オリンポスに降りる」
軌道を加速して一気に降下する。
「このメルティスの外装って耐熱が段違いね、スベースシャトルの強化カーボンカーボン複合材は2000℃は耐えられるけど」
「このナノテックカーボンチューブは太陽のフレアの脇を通りすぎても耐えるけど、中が当てられるかはだね」
試してみたそうな顔をするのでおでこを押すとほっぺを膨らましてパルスに色々聞いていた。
「搭載終わりましたぜ」
レグルスが報告をしてきたのでオリンポスから出撃する。
「パルス、ミリアとグレッグのサポートを頼む、アメリカ海軍の空母ジェラルド・R・フォードにコンテナを下ろしてミッションに入れ、こちらは2回コンテナを取りに向かう予定だ」
グリーンハート作戦が始まりメルティスと自分とレグルスはそれぞれウラノスに乗ってメルティスは補給が必要ないので遠方のポイントに投下して行くことになる。
「最初のポイントに到着」
低空で進入して下向きに噴射しながら搭載されたコンテナから海から突き出た地面に向け投下して突き刺さった。
「No.1プローブ設置完了、異常なし次に移動する」
移動しながらプローブのチェックを行い次に到着して投下する。
それを繰り返し空になったコンテナを抱えたままジェラルド・R・フォードへ帰投した。
「コンテナパージ」
小さな音で甲板に設置してウラノスを横滑りさせプローブが詰まったコンテナを下部のラッチで固定する。
「サンキュウ、マザー」
「ミッションの無事完了を期待する」
垂直に上がって目的地に加速を開始すると入れ替わりにレグルスがコンテナの入れ換えに到着した。
ここからは海中に投下を行う、
「プローブの調整は5m以内」
垂直にとどまり座標に落とす。
「海流の予測は誤差範囲、よしNo.26プローブ完了」
次は海賊海域と呼ばれたソマリア沖で警戒のアメリカ軍機が哨戒任務を行っておりその下をポイントに向けて降下した。
「少し海流が変わってるか」
シミュレーションよりも何かわからないが海流が変わっており確認をする。
「原潜がいる可能性か」
そう思ってるといきなり銃撃を受け離脱した。
「ゴムボートでの襲撃、レーダーに写らなかったわけだ」
海賊が攻撃を仕掛けてきており警備の駆逐艦が攻撃をして排除した。
「No.27・No.28・No.30プローブ破損、29を使う、レグルスとミリアに連絡」
「ナオ大丈夫みたいね安心したけど退屈、パルスは操縦させてくれないし」
ミリアが画面に現れ早口に文句を言い始め横の分割画面のレグルスは笑いをこらえており予備のプローブ投下を頼みコンテナをジェラルド・R・フォードにおきに行きメルティスへ合流するため向かった。
「最後のポイントに降下します」
パルスが言い騒ぐミリアに操縦を任せたのか一気に降下して予想以上のGに少し悲鳴をあげかけるが自分の操縦なので直ぐに大人しくなる。
「機体を安定させるわ、パルスお願いね」
ウラノスよりも巨大なメルティスは下部のスラスターを盛大にふかせたときに、
「対空ミサイル検知、迎撃します」
いつの間にか近付いたのかピックアップトラックが入り込んでおり3発発射したがメルティスがレーザーで迎撃した。
「スティンガーか、逃がさない」
降下しながら逃げる相手のエンジンルームに機首のレーザーを貫通させた。
多国籍軍がその車両を包囲したのを見てメルティスの元に戻るとジェラルド・R・フォードに連絡をしてオリンポスに帰還した。
「さて各プローブ問題なし、パルス開始してくれ」
そう言うとオリンポスから衛星アルテミス経由でエネルギーレベルをあげておりアフリカ大陸を囲んで画面上では網の目のようなのが張り巡らされていく、水温上昇、気流に乗り冷たい空気が大陸に流れ始め各地で雨が降り始める。
「気象予報も各地点で知らせるか」
なるべく夜に降らせるように設定をしてプローブを守っている多国籍軍から地元の意見を知らせてもらいある程度反映させる。
「ソマリア沖のプローブ破壊されました。攻撃をした原潜を追跡中」
「他のプローブで代用を」
「No.43・57・77で多国籍軍が攻撃を受けています」
「レグルス、ソマリア沖のNo.29に代わりのを投下を、ポイントはパルス」
「すでに計算完了、データを送ります」
ウラノスに乗ったレグルスがプローブを再度投下後原潜を追尾する。
「中国の093B型原子力潜水艦、25ノットで逃げている」
「了解、警告後にスクリューを破壊する」
ウラノスは宇宙も運用できるが水の中も問題なく潜れるので海域に到着後水中にそのまま突入した。
「原潜直ちに浮上せよ、従わない場合スクリューを破壊する」
3度レグルスが警告を与えたが無視されたので横から近づきレーザーでスクリューを溶かした。
これに関してもミリアがライブで行いウラノスが空中から水中にはいる画面では驚かれ原潜のスクリューを溶かし航行不能にし空中に離脱するまでライブを行った。
「中国のICBM稼働中、目標オリンポス」
「レグルス」
面子を潰されたお返しか10発以上弾頭に10発搭載のDFー41であり怒りの程がうかがえた。
「アルテミスとウラノスで迎撃せよ」
レグルスは急加速で大空に昇るICBMをレーザーで破壊しアルテミスからも高出力レーザーで迎撃を行い全てを中国領土内で迎撃した。
「移動発射台も破壊する」
レグルスは珍しく怒っておりミリアもライブ中継しながら同意しておりライブを見ていた各国も政府と民衆は非難を行い臨場感のある戦闘をディスプレイごしに見ており3Dの動画は1億を越える視聴者が見ている。
「迎撃機Jー20を24機が上がりました。ジャミングしますか」
「いらねえ、ぶっちらばしてやる」
レグルスは急降下して次々と退避を始めたDFー41の発射トレーラーを破壊していきその間に射程にとらえたJー21が遠距離から2発づつ48発のPLー15を発射した。
「マッハ4か、ついてこられるかな」
レグルスは正面からミサイルの中に突入して近くのは信管を作動させたがすでにウラノスは通りすぎており外側のは追い始めるが追い付けず固形燃料を燃やし尽くしてしまった。
「さあ、お返しだ」
レグルスはウラノスの武器であるミサイル16発全弾を発射してその目標以外を追う、Jー21も更にミサイルを発射して迎撃をしてきた。
「レグルスすごい」
ミリアも思わずなほどの回避と攻撃に言葉を忘れて見ており全弾回避をさらにしながらミサイルを全弾当てレーザーで次々と撃墜していった。
「残り5機」
必死に逃げるJー20だがマッハの速度も違いすぎ必死に逃げ始めたところに味方に構わず地対空ミサイルが次々と発射されて敵パイロットはあわててベイルアウトしパラシュートを開いて逃げた。
「こりゃ骨がおれますぜ」
何十発の対空ミサイルを脳内で感じて言葉とは違い嬉しそうにしておりその中を縦横無尽に飛び回り次々と燃料切れや過ぎ去った後に近接信管が爆発している。
「更に大型のが」
6発、発射されて向かってくるのを様子を見ながら手前で急上昇し下を通過した瞬間まとめて爆発した。
「陰険なのがいますぜ、自爆攻撃とは」
そう言いながら変進して太平洋に出ると帰投した。
「損害は特には」
世界中のテレビがこの模様を放送しており中国の国営テレビだけが沈黙をしている。
「このままおとなしくはさせないわよ」
ミリアがパルスに中国のファイヤーウォールを無力化して一般市民でも視聴できるようにした。
「主席の面子も丸潰れ、更に過激なことをしなければ良いけど」
そう言うとミリアは防ごうとする中国当局にいたずらを仕掛け続けていた。