魔王のおはなし [よみきり]
「今日もすることがないな。」魔王は呟いた。今日も静かな魔王城に魔王は飽き飽きしていた。ここに人がくるのは稀である。数年に一度、長いときは数十年に一度のペースで私を討伐しにやってくる。「それにしても暇だ」前回来たのはいつだっただろうか。。。思い出せない少なくとも2、30年ほどは経っているのではないか?
「この退屈はいったいいつ終わるのだろうか。」
〜数年後〜
魔王はその気配に気づいた。なにやら強そうな者がこちらへ向かってきているな。おそらく勇者と言われているものだろう。「、、、実際に対面するまでは詳しいことはわからんが、私よりも強いかもな。」もうすぐそこまで来ているのか、まだ遠くにいるのかはわからないが。。。「私の退屈が終わるかも知れないな。」
「ガチャ、、」目の前の大扉がゆっくりと開いた。
???「お前が魔王か、、、討伐させてもらおう。」
魔王「ほう、、貴様は勇者というやつか?」(ああ、強いな。今までの者とはまるで格が違うのがみてとれる。これは、勝てないかもな。。。)
勇者「ああ、一応そう呼ばれている。。」
魔王「そうであろうな!では、始めようか!!!」
勇者と魔王の戦いが始まった。
「グフッ、、、」戦いはそう長くは続かなかった。分かっていた通り、勇者と魔王には実力差があった。戦いの刹那、勇者の顔にはどことなく切ない表情になっている気がした。(いや、気のせいか。。。)
魔王「お前は、なんのために、ここまできた?」
勇者「、、、」
魔王「答えてもくれぬのだな、、、」「まあ良い、私の力ももうない、、最後に一つだけ、、勇者、、お前との戦いは楽しかっ、ぐはっ、、、、、、。」 勇者「、、、」
死の間際魔王の脳裏には、さまざまなことがよぎった。(ああ、ようやく私の退屈が終わるのだな。なぜかはわからんがあまり憎いという気持ちもわかんな。。。しかし、勇者はやはりうかない顔をしているように見えたな。魔物の王を倒したのだ、もっと達成感に満ち満ちた表情をするものだと思っていたが、、、まあ私が気にすることではないだろう。それにしても、楽しい戦いで幕を下ろすことができてよかったな。。。。)
魔王は力尽きた。
本当はもう少し「勇者のおはなし」に関連させて勇者の内面について触れたかったんですが、うまく文章にすることができませんでした。残念です。
読みにくい場所などがあったら申し訳ありません。