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おにぎり、ぎゅっぎゅっ。

作者: 猫じゃらし
掲載日:2020/12/08

 

 蓋を開ければふんわり湯気が立つ。


 中にはまっしろ、熱々のごはん。


 少し冷まして、塩のついた手に取る。


 具材を入れて、ぎゅっぎゅっ。


 海苔を巻いて、できあがり。



 いちばん早起きのママは、台所に立って朝ごはんを作ります。


 今日は、みんなが大好きなおにぎりです。


 中身はいろいろ、鮭、こんぶ、梅干しも。


 海苔を巻いて、パパの大きなおにぎりが完成です。



 とたとたとた。小さな足音です。


「きゃあー!」と喜んで、小さな手で指を差しました。


「おはよう」のあいさつもそこそこに、おにぎりに夢中な(ゆい)ちゃんです。


「おにに! おにに!」


 1才の結ちゃんは、まだ上手に「おにぎり」と言えません。


 でも、誰よりもおにぎりが大好きです。



「小さなおにぎりも作るから、待っててね」


 ママは結ちゃんに言いました。


 結ちゃんはパパの大きなおにぎりをずっと指差しています。


 きらきらとした瞳は、おにぎりに夢中です。


「おにに、たべたい!」


 背伸びをして、小さな手がパパのおにぎりに。


 ぎゅっとつかんで、驚くママから急いで逃げました。


「それは、パパのだよ!」


 ママが言うけど、お構いなしです。


 結ちゃんは自分のイスにお行儀よく座って、ぱくり。


 大きなおにぎりにかぶりつきました。


「おにに、おいしいねー」


 小さなお口いっぱいに頬張って、嬉しそうにママを見ました。



 遅れて起きてきたパパは、結ちゃんを見てびっくりです。


 大きなおにぎりを持って、お顔は米粒まみれ。


 思わず、笑ってしまいました。


「それは、パパのおにぎりかな?」


 頷く結ちゃんに、パパはまた笑いました。


「パパのおにぎり、作り直すね」


 ママが新しく大きなおにぎりを握ろうとします。


「いいよ、いいよ」


 パパはそう言って、結ちゃん用のおにぎりをもらいました。


 結ちゃんの手には、大きなおにぎり。


 パパの手には、小さなおにぎり。


 仲よく頬張って、「おいしいね」。



 結ちゃんは大きなおにぎりを食べ終わると、イスを立ちました。


 お顔も、手も、米粒まみれ。


 ふきんを持ったパパから逃げて、とたとた走ります。


 台所に立つママの足に、ぎゅーっと抱きつきました。


「おにに、おいしいね」


 結ちゃんが見上げて言いました。


「こらこら」


 結ちゃんをつかまえようとするパパに、ママはにっこり笑って。


「いいよ、いいよ」


 見上げる結ちゃんにも、にっこり笑って。


「ママのも食べる?」


「うん!」


 結ちゃんの瞳が、またきらきらとしました。



 まんまる笑顔に、幸せいっぱい。


 ママの足にも、米粒がいっぱい。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読しました。 優しい語り口に情景が浮かび、思わず頬が緩みます。 結ちゃんかわいいです! 「おにに、おいしいね」と満面の笑みで言う姿が目に浮かびます。 きっとおにぎりには両親の優しさと結…
[一言] 小説pickupから来ました。 もう可愛らしすぎて! 読ませて頂いてありがとうございます。
2020/12/19 22:14 退会済み
管理
[良い点] 幼い結ちゃんがおにぎりに向かって一直線に走る姿、大きなおにぎりにかぶりつく様子、米まみれになったその顔……全部愛らしいです。 幸せな家庭だなと、見ていて胸が温まる心地でした。 [一言] 読…
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