兄姉が強いようです
初めての作品です。アドバイスよろしくお願いします。
意識が闇に閉ざされてから、体感からして十秒くらいがたった。
瞼越しに光を感じる。
私は、目を開けてみた。
視界がぼんやりしている。
「--+~/×%〒☆-・÷=☆」「○・¥・☆¥・%☆¥〒~」何だろうか?音?
何の音だろう。
私は、何の音かを知るために聴くことに集中した。
ダメださっぱり分からん。
しばらくして、私はそれが言語なのだと分かった。
理由は単純、聞こえる音の数がある一定以上増えずに、同じ音で会話しているからだ。
私は早速理解をすすめた。
2カ月後、私は言葉が分かるようになった。
言葉が分かるようになるまでざっと二ヶ月。
本来、言語の習得はとても時間がかかるものだが、けっこうはやく習得できたな。これも、スキルのお陰か。
私が、何故2ヶ月という短時間で言葉を習得出来たのかは、ひとえに【思考速度上昇】の恩恵だろう。
私が、選んだスキルは、【叡智】【鑑定】【限界突破】【経験値上昇】【思考速度上昇】の5つだ。
言葉が分かるようになって、分かったことがある。
私は、貴族の家に産まれたようだ。爵位は伯爵。真ん中ら辺だそうだ。
たしか、マリュドゥーク家だったはず。
そして、次男。なんとも言えない立場である。
名前はユグド。新しい私の名前だ。
あまり言いたくない話しだが、生後1カ月まで名前がなかったようだ。
父の名は、ボイド•ラース•マリュドゥーク。
母は、テネス•ラース•マリュドゥーク。
兄は、ラスコ•ラース•マリュドゥーク。
姉は、エメラダ•ラース•マリュドゥーク。
以上の4人が私の血縁者である。
「オギャーーー」お腹がすいた。
トイレやご飯の時泣いてしまうのは、仕方がないことなのではないのだろうか?
私は、そう思うことにした。
考えているうちに、人が来た。乳母だ。
名前は確か、エルス•ゴルド•レース。
男爵家の人のはず。
「ユグド様どうされました。おしめですか?ご飯ですか?」そうして、エルスはおしめを確かめてからご飯をくれた。
元大人として、女性の乳を飲むのは気が引けるが、得意の仕方がないで片付けよう。
エルスは、おっとり系で容姿が整っており、出るところは出て。引っ込んでいるところは引っ込んでいる。
綺麗な女性だ。
母も、おっとりしているから、よく気があうようだ。
「ドッドッドッド...」足音がする。
「バンッ」勢いよく扉が開かれた。 我が平和を壊すものが現れた。姉さんだ。
「どうしました。エメラダ様」エルスがきく。
「何もないわ。ユドの声が聞こえたから来たのよ。」
なんともしょうもない理由でくる姉である。これで、なんども来るからたちが悪い。
「エルスさん、何したの?」
「ご飯をあげていたんです。」エルスが応える。
「フ〜ン」
「ユド、一緒に鍛錬行こう!」
何を言っているのだろう、行くわけないじゃないか。
私は、乳児だぞ。
エルスが、私の代弁をしてくれるだろう。
「いいですね。」
私は、エルスが何を言っているのか一瞬分からなかった。
「ユグド様もそろそろ外に行きたいでしょうから。」
世話になっている人の好意は、無碍にできないこうなったら仕方がない、外に出るか。
転生して初めての外というワケではないが、外は夏。
暑いのである。
「あれ?ユドッ」私を見て少年がかけてきた。兄である。
兄は、母のおっとりした雰囲気を受け継いでいた。
「エルスさん、なんでユドが来たんですか?」
「エメラダ様に、鍛錬を見にこないかと言われましたので。」
「へ〜...」
後から歩いてくる存在がいた。父だ。
父は、元冒険者らしい。最初は、なぜ元冒険者の父が、領主なのだろうと思ったがわからなかった。後から知った話だが、父は三男で本来なら自立しないといけない立場だが、長男と次男は流行病で死んでしまったらしい。唯一、地元を離れ冒険者として大成した父は死ななかったのだとか。
そして、父は冒険者として名が通っているらしい。この(らしい)は、ここが田舎で情報があんまり入って来ないからだ。
「おっユドじゃないか。」
「なんでいるんだ。」
「エメラダが、鍛錬を見にこないか誘ったんだって。」兄が、答えた。
「ハハッエメラダは、行動力があるというかなんというか。」少し困った感じで父がいった。
それなら、止めてくれ。
「それじゃあ、鍛錬を再開しよう。」
「「はーい」」
いつの間にか、どっかに行っていた姉さんが戻っていた。何をしていたんただろう。
「エメラダ何してたの?」兄さんがきいた。
「水飲んできたの。」
「へー...」
雑談が終わり、鍛錬が再開された。
兄さんと姉さんが模擬戦をするようだ。
見た感じ兄さんが押している。
でも、攻めきれていない。
姉さんを見ていると、体の柔らかさとタイミングを使って兄さんの、リズムをくずしている。
兄さんが、少し疲れてきたように見える。
兄さんが斬りかかった。
おっと!
姉さんが、避けた。
そのまま、体勢を崩した兄さんにカウンターをいれた。
あれはマズイな。
兄さんは、体勢を戻そうとしているけど、姉さんが追撃した。
あっ入った。
「降参するよ。」兄さんが、降参した。
「やった〜」間の抜けた声で、姉さんが喜んだ。
「ラスコ。」父さんが、兄さんに声をかけた。
「途中焦ったね。」
「ハハハ」兄さんの、乾いた笑いが響いた。
でも、6歳と5歳の模擬戦とは思えないな。
有難うございます。感想よろしくお願いします。