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第22話 魔物狩り#2

読んでくださりありがとうございます。(*‘ω‘ *)

「クッソオ! どこにもいねぇじゃねぇか!」


 金髪サルはホーンラビットが見つからないことにキレると土魔法<硬化>で固くした拳を木に叩きつけた。

 その瞬間、木にはヒビが入りそこが起点となって折れて倒れていった。


 現在は魔物狩り演習が始まってから三十分が経過していた。

 俺達チームは割と序盤の方で森に入ったので早々にホーンラビットを八体討伐し終わるかなと思いきやまだ二体ほどだ。

 時折他のチームとエンカウントしては二体のホーンラビットのために戦いを仕掛けられる始末。

 まあ、このチームは基本的に個々が強いので俺が出張る必要なない。


 その間、俺はホーンラビットを探す―――――もうすでに位置は特定済みだが―――――片手間に陰キャをずっと監視し続けていた。

 だが目立った動きは未だに見せていない。

 確実に何かあると思うのだがまだ下手に手出しするのは得策ではないか。


「あー! うぜぇー! 一体どこにいるっつ-んだよ!」


「まあまあ、まだ時間はあるわけだし。だったら一番役に立っていない人に一人探してきてもらおうよ」


 陰キャは金髪サルをなだめると俺に向かってそんなことを言いだした。

 まあ、それに対して俺的にはむしろ陰キャの行動を探りやすくて好都合なのだが......気づいてるか? 今のでリーゼルのお前に対する評価は下がったぞ?


 そんなことよりも、今の場面は大事だな。

 ここ最近リーゼルと関わってから変に未来が変わってる気がする。

 最初の入学試験や放課後にリーゼルと会う場面、それからリーゼルと街へと繰り出した時。

 どれもこれもリーゼルがかかわってることだ。

 このことには何か意味があるのか? それはわからないが今は俺のやるべきことに集中しよう。


「わかった。僕はやるよ」


「待って、ユリス。ユリスが一人で行く必要はないよ! いくだったら僕も行く」


「私も行く。友達を一人にはさせない」


「ど、どうしてさ!? そいつは何一つ役に立ってないんだよ!? 二体のホーンラビットの時も! 他のチームから襲われた時も!」


「ああ全くだ。使えねぇチビデブはいらねぇ。それにあの先公は言っていた。毎年数名は犠牲者が出るとな。こんなゴミは魔物に食われた方がよっぽどためになるだろう?」


「同じチームに向かってそんな言い方は―――――――」


 レイナが金髪サルに言い返そうとした瞬間、近くにあった木が一瞬にして凍った。

 その木だけでなく、地面も半径二メートルあたりまで草花が瞬間冷却されている。

 冷たく白い煙が辺りを囲む中、氷魔法を行使したリーゼルは鋭い目つきで二人に告げる。


「謝って」


 その一言は凛としていて周囲に響いていくかのように良く聞こえてくる。

 まるで時まで凍らせてしまったような今の空間は周囲からの雑音も聞こえなければ、この場で動き出す者もいなかった。


 相変わらずやべーな。ただ氷張っただけで周囲に氷が伸びていってる。

 人生で二度めのリーゼルのキレてる場面だ。リーゼルみたいなタイプほど怒らせちゃいけないっていうのに、こいつらはものの見事に地雷を踏み抜いたな。


 ともあれ、陰キャには心の中で「ご愁傷様」と言いつつ、ここからは俺のターン。


「いいよ、リーゼル。僕は田舎村出身だからね。ホーンラビットについては詳しいよ。それに二人の言っていることは正しい。だから僕は行くよ。一人でも大丈夫だから信じて」


 これで大丈夫なはずだ。多少言葉は違くとも俺の歴史通りならその言葉を信じてお出かけを許してくれたはずだ。

 そして俺は残りのホーンラビットを持って帰ってきて、二人に対してざまぁ展開を意図せず作り出したんだっけな。


「.......わかった。信じる」


 ふぅー、何とか歴史は保たれ―――――――


「けど私も行く。信じているからこそ、ユリスの方へ行く」


 なっ!?


「だったら僕も同じだよ! ユリスを信じてるからね!」


 おいおいマジか二人とも!? まただ。またリーゼルと関わった時に歴史が変わった。

 これは本格的にわからなくなってきたぞ。どうしてリーゼルと関わるときにだけ.......

 いや、それよりも今をどうするかだ。どうすればこの状況を回避できる?


 俺がそんなことを考えていると金髪サルが腕を組んだままイライラしている。

 恐らくは自分の思い通りにならないからだろうが、もう一人の方は別でイライラしてるだろうな。

 今更何が原因かとかはわからなくないし。


 するとその時、金髪サルは俺に向かって告げた。


「おいチビデブ! ホーンラビットいついて詳しいってのは本当か? 本当だとしたらなぜ言わねぇ?」


「そ、それは話しを聞いてもらえると思わなくて」


 待て待てなんだその質問は!? 嫌な予感しかしないんだが!?


「チッ、いちいち反応がうぜぇ野郎だな。だったら案内しろ。場所ぐらいわかるんだよなぁ?」


 待てって言ってるだろ金髪ううう! 何流されかけてんだよ! なんでこういう時ばっか硬派じゃねぇんだよ! 不良魂見せやがれ!


 俺が内心で荒れ狂っていると陰キャがすかさず止めに入った。


「み、皆落ち着いてよ! そもそもこいつが本当のことを言ってる確証なんてないだろ!?」


 いいぞ! もっとやれー!


「うるせぇ! ただでさえ何体ホーンラビットがいるかわからねぇのにしょうもねぇこと言ってんじゃねぇ! 俺はこんなクソみてのはさっさと終わりてぇんだよ!」


 うるせぇのはてめぇだ! 何体いるかは俺が把握してるからいいんだよ! すっこんでろ!


「多数決で決まり。ユリス、案内よろしく」


 リーゼルううぅぅ、そりゃないよ~。俺もう選択肢ないじゃん。逃げ道ないじゃん。ああもうこうなったら一人強行突破―――――――


 俺がその思考を体現しようと後ろを振り向くとリーゼルが俺の手を掴んできた。

 思わず振り返るとリーゼルの青い宝石のような瞳に反射した俺が映る。

 その瞬間、俺は全身から力が抜けていった。

 「逃がさないよ」と告げているようなその瞳はさながら魔眼だ。特に俺に効くタイプの。


「わかった。それじゃあ、ついてきて」


 結局リーゼルの押しに負けた俺は先導して森の中を歩いて行く。

 背後から突き刺さってくる視線は様々で一番やばいのは殺気の籠った視線であろう。

 まあ、そんなのを出すのは一人しかいないし、今の状況で手出ししようとは思わんだろう。


 目的地に向かう道中で俺はずっと先ほどのリーゼルの行動について考えていた。

 リーゼルはどうしてあの時ああいう行動を取ったのだろうか。

 あの行動はまるで「一人にさせたくない」というような行動にも見えた。

 そしてその考えを払拭させるように目を合わせてきたようにも見えた。

 まあ、どちらも感覚的な話なので確証があるわけじゃない。


 しかし、先ほどの行動は俺の考えを先読みして動いたとしか思えないよな。

 だってさすがに咄嗟に動いた人物を捕まえようとは思わないはずだし。

 だとすると、俺の演技がそんなに失敗していたのか? それとも単純にリーゼルが見透かしていただけなのか?

 後者だと非常に厄介だ。これからの行動も邪魔される可能性がある.......仕方ない。少し前倒しで計画を進めていくか。


 それから俺はサクッとホーンラビットの巣穴を見つける。


「そこにいる」


「まさか地面にいるなんて盲点だった」


「それに草で上手く隠してある」


「だがバレれば意味がないな! いくぞ!」


 金髪サルと陰キャが襲撃。逃げ出した魔物をレイナが仕留める。そしてリーゼルは――――――なぜか生け捕りだった。

 討伐数分集まると俺達は担任のいる本部へと戻っていった。

 途中、討伐者狙いの待ち伏せとかが合ったりしたが俺以外が相手チームを簡単に蹴散らして無事にゴールした。


 その間は特に変化はなかった。陰キャもリーゼルに何かしようという動きは見られなかった。

 ただそれとは別に、一つ気になったことがあった。

 それはリーゼルのが魔物を見た時の反応だった。

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