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命色ノ贄  作者: 卯ノ花 腐(くたし)
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登場人物紹介

新章の前に軽く登場人物の紹介をしたいと思い、書いてみました。そのうち更新すると思いますので、たまに覗いていただけると幸いです。

*登場人物紹介*



【尸高校】

東京都昨神市に設立された全校生徒千人程の私立高校。死蟲に対抗する為の機関でもあり、このような学校は少ないが全国に点在している。在籍している教師の殆どが丕業を発現させているが、中には一般の教員も。


丕業の事や死蟲の事は公にはされていないが、親族に卒業生がいる生徒はある程度把握して入学している。


国からは認められていないが、代わりに不可侵を約束されており、現場では一定の自由が約束されている。しかし生徒会に所属していない生徒はその限りではない。


姉妹校に京都の躯高校があるが近年あまり交流は無かった。





八夜千草(はちやちぐさ)


この物語の主人公。中背中肉というにはやや細身。


幼少期の頃にとある事故に巻き込まれ、以来、右目とその周りの髪の毛が灰色に変化する。


変化をきっかけに周りから奇異な目で見られるようになった彼は他人と一定の距離を置くことになる。


小学校、中学校とその事でいじめや迫害にあい、より一層塞ぎ込むこととなる。


両親はその時の事故で死別し、現在は祖母と二人暮らし。


奇跡的に生き残った姉は昨神市の病院に入院しており、姉の見舞いと祖母が彼の生きる意味であり、生きがいである。


尸高校に入学した理由は「姉の見舞いに都合がいいから」という理由だけで、当時は死蟲も丕業も何も知らなかった。


見舞いに訪れたある日を境に彼の日常は流転することとなる。




友と呼べる人間はいつの間にかいなくなっており、彼自身もそれでいいと諦めていたが、尸高校に入学してから次第にその考えも変わってきている。



諦めが癖になっており、執着することを忌避している節が見られる。



丕業【???】


灰色の眼から血が流れることで発現する丕業。

血の流れる跡から骨の根が蔓延り鎧を生み出す、全身に纏う攻防一体型。


並の死蟲では傷一つつける事が出来ないほど頑丈で、その身をもってすれば相手を容易く引き裂くことが出来る。


時折、頭の中に「ゼプト」と名乗る別の誰かが存在している様だが、八夜本人は一体ゼプトが何者なのか、心当たりがない。


伊織の八咫烏が言うには「人の領域から外れた神の力」らしい。











――教師陣――




六道吾六(りくどうごろく)


尸高校の校長。歳は五十代後半と思われる。阿南対馬の叔父にあたり、彼に丕業の扱いと死蟲の知識を授けた。


阿南同様、恵まれた身体を鍛え続けており、衰えは微塵も感じさせない。

生徒たちに対しては基本的には温厚だが、どこか一線を引いたような接し方をしている。


過去、夜辺と因縁があったようで生涯を捧げて彼を追い求めている。

尸高校には彼の直属の部下が教師として忍び込んでいるが、この事を知っているのは阿南のみ。


尸高校の卒業生で、卒業後暫くは行方をくらましていた。十数年ほど前にふらりと昨神市に舞い戻り、それ以来校長の座に居座り続けている。

通常謁(とおりじょうえつ)とは同期に当たる。


発現させた丕業は羅睺(らごう)

自身、もしくは自身の掌が触れた場所から六十cm程の腕を生やすことが出来る。彼の丕業も身体の一部とみなしている為、そこからまた生み出すことも可能。可視不可視を自由に操作できる。




奇兵典哉(きへいのりや)


尸高校の教頭。外見上は神経質そうな細身の男性。年齢は四十三。バツイチ。酷い乱視。


他人に厳しく、また自身に対してはそれ以上に厳しい。生徒の安全が第一でしばしば校長の六道とは意見がぶつかることも。


声を荒げるのは未熟な大人と考えており、生徒に対しても理詰めになってしまいがちで評判はあまり良くないが、不器用な彼なりの思いやりだと生徒の一部には理解されている。


現時点では使用していないが、彼もまた丕業を発現させている。


何を考えているか分からない校長と自由奔放な伊織に挟まれ、日々胃痛に苦しむが微塵にも顔には出さない。




伊織(いおり)


尸高校一年A組担当の教師。八夜達の担任兼生徒会の顧問。


真っ黒な髪を肩辺りまで伸ばし、無精ひげを生やしている。これは単純に彼が手入れをめんどくさがっているためである。


その為、普段着用している服もシャツとデニムのみである。だが彼は同じものを大量に購入しており、二日続けて同じ服を着ることは無い。


飄々とした態度で生徒たちに接するが意外と情が深く、切り捨てるという選択肢は、はなから彼には存在していない。


重度のヘビースモーカーで愛飲しているのはラッキーストライクのソフト。ボックスではポケットの収まりが悪いとのこと。


一度禁煙を始めようかとも思っていたようだが、その禁煙の試みは始まる前に終わった。


彼が尸高校に就任した時、当時の生徒会の在り方に疑問を抱き、自身で改革すべく生徒会顧問となった。


教師の中で誰よりも生徒会のメンバーを信じ、また信頼されている。


異質な丕業を持つ千草の事は一目見てわかっていたが、あえて知らないふりをして接した。その行動に少しだけ後悔を感じている。


彼も御多分に漏れず尸高校出身である。


同期の人間は多々いたが、そのほとんどが死蟲に殺されている。渚ちゃんとも同期。


身体能力は優れているが重度の喫煙のせいかスタミナがあまりない。


羽月という女性と何らかのつながりがある。



発現させた丕業はヨルノトバリ。


自身の持つ鉄鎚を元に黒を帯びる丕業。


様々なバリエーションが存在してるが果たして......。


夜顔(ヨルガオ)

鉄鎚で打ち付けた場所から黒い液体を生み出し、真夜中を伴った立方体を形成する。この箱の中と外は完全に遮断され、彼が許可するまで壊れることは無い。途中で伊織が死んだ場合、解除されることなく永遠に残り続ける。


八咫烏(ヤタノカラス)

自身の虚像を鉄槌で叩くことで召喚することのできる丕業。


三本の足と三つの目が特徴の烏。


自我を獲得しているようで、伊織の意思とは無関係に喋る。作中では分身体を作り出し偵察の代わりとしていたが他にも応用できそう。


伊織はこの烏に苦手意識があるようだ。




【渚ちゃん】

薄くピンクがかったパーマ髪を左右に玉の様に拵え、耳辺りを刈り込んだ偉丈夫。恐らく、登場人物の中で肉弾戦最強の一角。


自称レディー。皆に渚ちゃんと呼ばせている。


尸高校の非常勤講師で学校にいる間は常に保健室に居る。


常に新品の白衣を纏っているが、その下は薄い生地のタンクトップのみで、生い茂った胸毛が常に飛び出している。


化粧は施していないが、なぜか睫毛が異常なまでに濃く長い。全身剛毛。


伊織に勝るとも劣らない程生徒から親しまれており、彼自身もそれを誇りに思っている。


丕業が「他者を治す」という珍しい能力の為、各地を転々としている。


この丕業は彼の寿命を贄に使用されるため、行使する度に文字通り命を削っているがこの事を誰にも話してはいない。




【茂瀬】


尸高校の夜間警備担当であったが何者かにより惨殺される。



【泰】


尸高校の三年担当教諭。丕業を発現させている。



【奥沢】


尸高校二年の学年主任。丕業を発現させている。








――生徒会――



(ともえ)古美(こび)


高身長で痩せ気味、黒髪を肩辺りで切りそろえた日本人形を感じさせる美人。血色はやや悪く、どこか幽鬼を思わせる雰囲気を纏っている。


三年で生徒会長を務め、学校内で一番死蟲を殺してきた人物。


普段はお淑やかな性格だが、様々な事に興味を示し、首を突っ込まずにはいられない性質。周防曰く「人間みたいな猫」


伊織から八夜と阿南の話を聞いてすぐに勧誘するぐらいの行動派猫。


その性格が時々、取り返しのつかない失敗に結びつくこともある為、本人は自制しているつもり。


生徒会のメンバーと過ごす日常を得難いものと感じ、その日常を守る為には何も厭わない。


白間から行き過ぎた尊敬を向けられている。本人はこそばゆく思っているが悪い気はしていない。



丕業は芙拖口(ふたくち)


身体のあらゆる部分から丕業による口を形成する。途絶えることのない食欲と共に、近くのものを貪る。丕業の口でものを食べるとき、若干の快楽を得られる。


また、身体だけではなく近くの物にも出現させることもでき、これゆえに彼女は数多の死蟲を食らってきた。


手に発現させた丕業は空間を食い進む力があり、離れた場所であっても食らいつくことが出来る。




周防(すお)(れん)


巴と同じく三年で生徒会副会長を任せられている糸目の男子生徒。


好きなことは暗躍。


長い髪を後ろで一つくくりにして、常にマスクをしている。本人曰く風邪ではないそう。


身長は平均よりやや高いぐらい。


自称、後輩思いの良き先輩。だが、持ち前のピエロ染みた言動で後輩からは胡散臭がられている。


生徒会の現メンバーの殆どは彼がスカウトしてきた(巴、辰巳、紫吹、観月、大御門)。


デスクワークが苦手で生徒会の仕事をよくエスケープして観月を困らせている。


様々な教室で同時に見かけたという噂があり、尸高校七不思議の一つに数えられている。



発現した丕業は幽霊船(サルヴェージ)


特定の領域を作り出す丕業。


発現させる際は波打つような光が迸る。覆われた空間内では丕業持ちとそうでない人間を区別し、丕業を持っていない人間とは別の次元に存在する。


この空間内では周防の思い通りに物を動かすことが出来る。


幽霊船をトンネル状に発動させ移動することで、傍から見ればワープしたように見える。




辰巳(たつみ)翹楚(ぎょうそ)


二年の男子生徒。


比類なき美形。あらゆる形が完璧を保ったまま動いている、生きる黄金比。


彼本人はあまり執着がないようだが、街を歩けば万人が振り返り、声をかけてくる異性が後を絶たない。


人一倍正義感が強く、自身の義に反することは出来ない。が、強すぎる思いがカラ回ることが多く、思い描くような活躍が出来ないでいる。


行動を揶揄われることが多々あるが、彼の心持ちを馬鹿にする人間はいない。


自身を生徒会に誘ってくれた周防には感謝が絶えないが「この人は本当に大丈夫なんだろうか」と思うことも少なくない。


新学期早々、紫吹・大御門と共に六本腕の捜査に駆り出されていたが彼の失敗が続き、挙句逃げられてしまうという事態に。引き続き別の死蟲討伐に向かうも、やる気が空回りし活躍できなかったことを根に持っている。


一度落ち込むと中々立ち直れない性格。


丕業を使用する際は定規を用いる。





紫吹(しぶき)楓露(ふうろ)


生徒会メンバーの二年。


何度もブリーチをした結果、限りなく白に近い金髪になっている。毛先のカールはパーマではなく毎朝早く起きてコテで巻いている。


自身の紫という字を気に入っており、インナーカラーを紫にしている。この紫を目立たせるために外側の髪を金色にした。


明るく、誰とでも仲良くなれる一方、距離の詰め方を間違い、人の「触れられたくない部分」に踏み入ってしまうことも。


繊細で、他人の感情に共感を覚えるタイプ。


ギャルっぽい見た目も口調も「こういった人間が一人ぐらい必要だと思った」から。生徒会に入る前はもう少し大人しい見た目だった(性格はあまり変わっていない)。


面食いだが、辰巳はタイプではないらしい。


好きな異性のタイプは「どこか陰のある男の子・ミステリアスの雰囲気を持つ子」





観月時郎(みづきときろう)


生徒会二年の書記担当。書記担当という肩書を利用され、生徒会の仕事の九割を強引に任せられている(主に三年から)。


重要な書類などもある為、周防達に任せられないと渋々仕事を引き受けている苦労人。八夜によると「彼がいなければ生徒会は破綻している」らしい。


黒いゴーグルの様な眼鏡をしており、制服の上からいくつも腕時計が巻かれている。見た目では一番の不審者だが作中随一のまともな人間。


見た目で判断されるという辛さを経験しているため、八夜の事を気にかけている。


状況判断に優れ、視野が広い。


あまり口数は多くないが喋り下手なのではなく、言葉に出すまでに思案する時間が長いだけである。


趣味は万年筆の蒐集。




阿南対馬(あなみつしま)


生徒会一年で八夜と同じクラスの一年A組。


大柄で鍛え抜かれた身体から勘違いされやすいが、彼はスポーツなどをを習ったことは無い。


球技や走ること自体は苦手ではないらしく、体育の授業などでは手を抜きつつも活躍するなど、天然であり天才でもある。


中学生の頃から身だしなみに気を使い始め、それ以来、美容院には毎月欠かさず通っている。


柔和な笑顔と朗らかな雰囲気の為、彼を中心に人が集まる。だが、それは効率的に生活するための阿南の策謀である。が、口で言う程簡単ではないそれを実行出来ている辺り、やはり彼は天才である。


初めの頃はその矛盾に心を蝕まれていたが、それも自身の一部だと割り切り、やがて受け入れるようになった。


八夜に対して、すこし異常なまでの執着を見せる時がある。


母の兄が六道であり、彼は阿南の叔父にあたる。過去に姉が死蟲に連れ去られ、以来両親と三人で暮らしている。実家は昨神市にある花屋。




丕業は赫至赫灼(かくちかくしゃく)


自身の両腕を心の底から憎む憎悪の炎と、誰かが彼の腕を守ろうとする「相反する二つの願い」が顕現した結果この力が発現した。


両腕は硬い鉱石の様なものに覆われ、その内部では阿南の憎悪が燃え続け熱を宿す。


殴りつければ衝撃と共に熱が相手に伝わり、内側から焼き尽くされる。


六道との戦いの末、自身の行い自体は憎んでいないという事を思い出し、憎むのではなく受け入れることを選んだ。その時に両腕を覆ていた鉱石の様なものは無くなり、あるべき姿に戻った。





白間(しろま)慶仁(けいじん)


一年生徒会で阿南や八夜とはクラスが違う。一年D組。


スキンヘッドで右目に十字傷、右耳に三つ、口に二つのリングピアスをしており、一年、というよりも尸高校全体の生徒から恐れられていた。


身長は八夜とあまり変わらないが筋トレが趣味の為、体格は良い。


良く目立つ十字の傷跡は彼が中学生の頃に出来たもので、彼はそれを誇りに思っている。しかし、あまりに周りから恐れられる為にメイクをしようかと一度本気で考えた事がある。


入学当初から周りに恐れられていた事に鬱憤がたまり荒れていたが、巴から生徒会の誘いを受け、これを受託。結果白間は巴に心酔していくこととなるが、幸か不幸か彼女にとってそれは特別でもない当たり前の行いであった。


初めは巴の誘いを断った八夜に対し敵対心を強く感じていたが、次第に打ち解け(白間の一方的な解釈)今では友達以上の付き合いになった。


根は寂しがり屋。


好きな異性は巴。好きなタイプは全体的に線の細い女性で貧乳。好きな異性の髪型は重めのボブカット。年上好き。


丕業は索冥(さくめい)


足の裏から丕業を迸らせ、遠隔で衝撃を与える。


「足の裏から」という条件の為、初見相手には有利だが何度も対戦すると癖やタイミングを読まれ、防がれてしまう。


両足どちらからでも発現は可能で、複数もしくは同時も可能。


足の裏に接していれば基本的には丕業は発現するが水や空気などは出来ない。


丕業が迸る際は白い稲妻と見紛う程。




大御門(おおみかど)麓郎太(ろくろうた)


一年の中で最も早く生徒会入りを果たした人物。


ぼさぼさのくせ毛と、ぶかぶかなパーカーがトレードマーク。


極度のめんどくさがりで、積極的に他人と関わるというような人物ではないが、自身の性的欲求には素直でまじめ。


チラリズムを信条に掲げ、見せつけるエロはエロではなく下種だと本人は語る。


このように自身に対しては割と素直であるがそう言った一面は異性にはおくびにも出さない。


彼の中では一定の線引きがあり「触れない、強引に行かない、無理をしない」がモットー。


観月と似て言葉数はあまり多くない。これは彼のように言葉を選んでいるのでは無く、純粋に口を動かす事をめんどくさがっているだけである。


発現した丕業は澱神(おりがみ)


手に触れた折り紙(百均で購入した)に特定の文字を書き込み、紙を折ることで発現する丕業。


書き込んだ文字と折り方によって能力は違う。また、お気に入りの色でないと効果は半減するらしく常に藤色の折り紙を携帯している。





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