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チート?いいえトーチです  作者: 取手名
9/62

呪い

買ったっ!買ってしまったっ!

宿屋に戻ると宿屋の女主人に、「これだから男はっ!」って目で見られた。

更に、「奴隷だろうが一泊銀貨5枚だよっ!」っていわれたので3日分払った。これで俺の持ち金は日本円にして5000円ぐらいしか残ってない。


部屋に着くと、アイリスが床に土下座をしていた。いろいろ興奮してヤバイがとりあえず話をしなくては。


「アイリス・・・お前は「申し訳ございません、ご主人様っ!」」


アイリスがいきなり謝ってくる。


「なっ、どど、どうした?」


「ご主人様に謝らなけばならないことがあります。私の呪いの件でございます。・・・この呪いは奴隷商が言った通りに、性交渉をしようとすれば死んでしまうのですが、更に主人になった方も、1週間もすれば衰弱して死んでしまうというものなのですっ!!」


なるほど、納得がいった。100人いれば100人が振り返る様な美少女のアイリスを、あの奴隷商が必死に売り付けてきた理由はそれだったんだ。

何が「クリス様のご友人ですから」だっ!!だが、以外に落ち着いている。


「なぜあの場で言わなかった?」


「あの時は奴隷商が主人だったので言わない様にと釘を刺されました。その後ご主人様が「話は帰ってからだ」とおっしゃいましたので・・・」


「なるほど納得した。んー、どうするか・・・」


「お叱りになられないのですか?」


「仕方がなかったんだ、気にするな。けど今度からは、俺の言葉に逆らう事になっても、必要な時は必要な事をするんだ」


「かしこまりました・・・」


「それで・・・とりあえず呪いだが、ちょっと考えがあるんだ。それでちょとこっち・・・俺の横に腰掛けてくれない?」


「ご主人様の横っ!ベッドに腰掛けるなんてとんでもないっ」


「あぁ、そういうくだりはいいから・・・それに襲ったりもしないから安心して座って」


「かっ、かしこまりました」


恐る恐ると言った感じでアイリスが隣に座る。いい匂いがするしとりあえず理性がヤバイ。

とりあえず鑑定をしてみる。


アイリス(所有者:カナメ)

種族:エルフ

職業:なし(奴隷)

称号:なし

16歳

レベル:18

HP:230(250)

MP:1(540)

攻撃力:520(520)

防御力:360(360)

素早さ:400(400)

魔力:1(450)

器用さ:620(620)

運:30(30)


<固有能力>


「風読み」


<スキル>


風魔法:Lv3(ウインドフォロー:Lv1 ウインドエッジ:Lv1)


雷魔法:Lv2(スタンボール:Lv1)


魔無しの呪い:Lv5


主従の呪い:Lv5


<加護>




<獲得可能職業>


細剣士:Lv1、弓士:Lv1、弓術士:Lv1


<獲得称号>


薄幸のエルフ


呪いに耐えし者


スキルポイント1610


固有能力の詳細を見てみる。


「風読み」:風の流れを感じ、見る事ができる。また悪意や迫ってくる危機などを感じる事ができる。


なんかスゲ〜な・・・。俺の邪な気持ちは危機と感じたのか聞いて見たいが、聞く勇気はない。俺は勇者ではないからな・・・。

次はやっぱ呪いだよな・・・、


魔無しの呪い:Lv5・・・自身の魔力回復を阻害し、1以上にはならない様にする。決してゼロにはならない


主従の呪い:Lv5・・・主従契約を結んだ主人の生命力を吸収する。性交渉しようとした際はその相手の生命力を全て奪う。


あっ、これあかんやつやっ・・・。

結構詰んでるよね・・・



あれこれ考えていると、アイリスがまた床に土下座した。


「お願いがありますっ!!せっかく買っていただきましたが、このままではご主人様が死んでしまいます。どうか、私を殺していただけないでしょうかっ!!」


「はぁ?」


「もうこれ以上私の所為で誰かが死ぬのは耐えられないのですっ!!特にご主人様はこんな私に優しく接して下さったので、死んで欲しくありませんっ!お願いします、どうか私を殺してください・・・お願いします!!」


「だから呪いは何とかするって言ってるだろ?それに私の所為でだと?今まで死んだ奴は自業自得だろっ!それにお前は本当に死にたいのか?心の底から死にたいと思っているのか?」


「・・・このまま誰かの命を奪うだけの人生ならばいっそ・・・」


「だから他人のことなんてどうでもいいんだよっ!!俺が聞いてるのはアイリスの気持ちなんだよ!!大体死にたいと心の底から思っている奴の目はドロドロに濁ってるはずだっ。でも初めてアイリスを見た時目は死んでなかった・・・だから魅力的に感じたんだ!だから買ったんだ!」


「・・・ご主人・・・様・・・私は・・・もしもわがままを言っていいのであれば・・・いき・・・たい・・・生きたいっ!まだ死にたくないっ!!」


「よし分かった。やるだけやってみるから・・・ほらっ横に座って!」


「はいっ!」


上手く行くかわからないが、俺の固有能力の<好転>に賭けるしかない。

<好転>は固有能力は変化することができないが、ただのスキルなら大丈夫なはずだ・・・。多分・・・できなかったらど〜しよ〜・・・。ヤバイ緊張してきた・・・。

えいっ!!ままよっ!!


ステータス画面を開いて<好転>をタップする。

すると脳内にアナウンスが流れる。


「固有能力<好転>を発動します。対象を目視するかイメージして下さい」


俺は別ウインドウてアイリスのステータス画面を開き呪いのスキルを注視する。


「主従の呪いLv5を<好転>させます」


やっやっぱり最初はこっちだよね・・・。俺の命に関わるし・・・。

ごっそりと何かが身体から抜き出た。

つ、次だっ!!


「無魔の呪いLv5を<好転>させます・・・エラー」


えっ?エラー?

更に身体から何かが抜ける。もう思考もままならない。あっ、死んだかも・・・。

魂が抜ける様な錯覚に陥った。身体がふわっと浮いたかと思ったら、口を開け白目の俺が下にいた・・・。いやいや、ダメじゃんっ!!

アイリスが涙を流しながら俺の身体を揺すっている。グワングワンする、吐く吐くっ吐いちゃうからっ・・・あっ!!視界が完全にブラックアウトした。





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