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チート?いいえトーチです  作者: 取手名
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オークション③

オークションの午後の部が終わった。

夜の部が始まるまでしばらく時間があるそうで、その間に出品物と落札物の清算をする。


地下に案内されるが、奴隷や同行者は禁止らしい。

クールリュさんはギルドの代理人なので同行してくれた。


俺が落札した「シャーの壺」は大金貨15枚を払った後にアイテムボックスにしまった。

で、問題のコテージだが、2億5500万円で売れたが、オークション側の手数料として、大金貨3枚が徴収された。

最初のスタート金額の3割がオークション側の取り分になるそうだ。

売れた金額の何パーセントとかにすれば良いのでは?と言った所、そうするとオークション側が無理矢理高く値段を吊り上げる原因になってしまう為、現在の形わとっているとクールリュさんが教えてくれた。


そして、ギルドの取り分は売却金額の1割だそうで、2500万円を取られた。

・・・なんか納得いかないが仕方ない。

つまり、コテージは大体2億2000万円になった。




しばらく経って、夜の部が始まった。

夜の部は、所謂奴隷オークションってやつだ。


「それでは夜の部を開始させて頂きます。夜の部商品番号1番、ルリ、人族、雌、年齢17歳でございます」


ルリと言う奴隷は非常に美しく、どちらかといえば大人っぽい魅力が出ていた。


言い忘れていたが、何故夜の部に参加しているのかと言うと、ルルとリリの教育係兼冒険パーティの中衛をこなせる兼、夜の新たな楽しみの為の人材を探しているからである。

・・・金ならあるのだよ。


「ルリはなんと、回復魔法が使えます。元は貴族の家に生まれましたが、没落して今の身分になりました。開始金額は大金貨1枚から・・・」


「2枚っ!」

「2.5枚」

「5枚」

「5.5枚」

「8枚」

「9枚」

「15枚」


「15枚が出ました。他にはありませんか?この絹の様な肌に、穢れない身体・・・」


「20枚」


おいおい、どんだけ値段が上がるんだよ。

確かミネルヴァが大金貨7枚ぐらいだったはず。

約3倍以上の値段が付いている。

正直微妙なんだよな〜、綺麗は綺麗だけど・・・何か決めてがあればなぁ〜。


「30枚」

「31枚」

「32枚」


「32枚が出ましたっ!!他にいらっしゃいませんね?」


「35枚」


「35枚、他にはいらっしゃい・・・ませんね?では大金貨35枚で55番のお客様が落札っ!」


3500万円っ!!ミネルヴァは700万円だったのに?5倍かよっ!!

もう、相場が分からない。

次から次に奴隷が捌かれていく。

人や亜人から中には子供まで・・・。


「商品番号16番、ラダーナ、蜘蛛人族、雌、年齢は19歳。ご覧頂けるように、天性の美しさを持ちますが、下半身は蜘蛛。先日森の奥地で、蜘蛛人族の集落が発見され、その際に蜘蛛人族の姫であるラダーナが一族を助ける代わりに奴隷の身分となりました」


ラダーナ、いいっ!!

口元にほくろがあり、妖艶さがある。

瞳の色は真紅で黒髪との対比が美しい。

身体は引き締まっているが、柔らかそうな感じも残している。

がっ、残念なことに下半身が蜘蛛なんだよな〜、いわゆるアラクネ?かな。

その蜘蛛の下半身も、決して気持ち悪くはない。

いや、見た目は蜘蛛なんだけど、フワッとしていて非常に綺麗だ。


「蜘蛛かぁ〜」

「貴重ではありますね」

「下半身が重要なのに・・・」


「えー、ご静粛にっ!!いろいろな御意見はあるかと思いますが、早速始めさせていただきます。開始金額は大金貨1枚から」


「・・・1枚」

「う〜ん、1.5枚」

「1.8枚」


伸び悩んでいるな。


「クールリュさん、アイツ欲しいんですが・・・」


「本気ですかっ!?いくらまで出しますか?」


「有り金を全部です。大体白金貨22枚ありますから・・・」


「・・・ん、分かりました。待ちましょう」


クールリュさんに入札するタイミングを任せる。


「3.5枚」

「3.6枚」

「3.7枚」


小刻みに金額が上がっていく。


「・・・4.2枚」


「今ですっ。白金貨1枚で入札して下さい」


「分かりました。・・・白金貨1枚っ!!!」


「白金貨1枚が出ましたっ!!他にはいらっしゃいませんね?では白金貨1枚で1104番のお客様が落札っ」


入札のルールとしては、大金貨10枚でも、白金貨1枚でもどちらでコールしても問題はない。

だがやはり、白金貨でコールした方がインパクトが大きいようだ。


「ありがとうございますクールリュさん」


「いえ、ですが本当に蜘蛛人族で良かったのですか?」


クールリュさんが、アイリスの方を見ながら問いかける。


「ご主人様の意思に従うだけです」

「物好きだとは思うがなっ」

「ご主人が決めたなら仕方ないッス」

「旦那様が全てですわ」


ふむふむ、みんな後から可愛がってやる。

その後も奴隷が捌かれていく。


「商品番号30番、エミ、人族、雌、16歳。酒場にて、客に暴力を振るい犯罪奴隷に落ちました。酒場の看板娘として人気がありましたので、オークションに出品されました。元冒険者ですが、足を悪くしてしまい引退となりました。開始金額は大金貨1枚」


憔悴してレイプ目みたいになっているが、昔は元気っ子だったであろう面影がある。

黄色いセミロングの髪で胸はありますなっ!!

いやいや変な言葉遣いになってしまったが、あれはいい物だ。

クラスで3番目に人気の子みたいな顔だ。

悪くない。


「エミちゃん〜、大金貨2枚っ!」

「くそデブ、俺のエミちゃんだぞっ!3枚っ!」


なんだ?エミって奴のファンクラブか?

キモい、でもあれはいい物だから分からんでもない。


「大金貨10枚っ!」


そんな中、貴族と思われる人物からコールがかかる。


なんだあの邪悪な笑みは・・・。

何かあるのか?


(ミネルヴァ、アイツの思考を読んでくれっ!)


(了解したっ・・・・・・・・・。ッツ、これは思ったより酷いなっ)


(どうした?)


(あの貴族がエミという看板娘を手に入れる為に仕組んだ罠にかかって、暴力事件を起こして奴隷に落ちたみたいだぞ?あの貴族は屑だな。あの貴族の所に行ったら、エミという奴隷はめちゃくちゃにされるぞ?)


(どうせめちゃくちゃにされるならまだ俺の方がいいよな?)


(ノーコメントだ)



「大金貨15枚が出ました。他にいらっしゃいませんか?」


「白金貨2枚」

「なんだ、貴様はっ!えぇいっ!!3枚」

「5枚っ!!」

「くそっ、5枚だと!!・・・6枚っ!」

「7枚」

「・・・・・8枚」

「10枚」

「ふざけるなっ!エミは俺のものだっ!!」


「白金貨10枚、他にはいらっしゃいませんか?いらっしゃ・・・」


「12枚っ!!そこの平民っ!これ以上値を吊り上げたら分かっているだろうなっ!」


「13枚」

「くっ!!・・・・・・13.5」


「13.5枚でよろしいですか?お客様・・・」


「あぁっ!!13.5枚だっ!!」

「15枚」

「何っ?たかが平民の分際で何でそんな大金をっ!!まさかっ・・・」


「では、15枚で1104番のお客様が落札っ!!」

「ちょっと待てーっ!!まだいけるっ!!まだ途中だっただろうがっ!!」


「1104番のお客様が落札っ!!」


うるせ〜奴だなっ!!

おっ!?黒服に連れて行かれた。

貴族でも関係なしだな、おぉーっ。

何か皆、こちらを見ながら拍手している。

クールリュさんが耳元で囁く。


「オークションは紳士の娯楽です。マナーがなっていないあんな奴は即刻退室になります。一応国がスポンサーになって行われているオークションですので、例え貴族であろうと無茶は出来ないのです」


予定外に、奴隷を2人も購入してしまい、予定外に金を使った。

コテージで得た白金貨22枚のうち、最初の奴隷に1枚、後の奴隷に15枚も使ってしまったのだ。


残ったお金は白金貨7枚、日本円にして7000万円。

って結構あるな。

まあ、無駄遣いする前に奴隷を受け取って屋敷に戻ることにしよう。





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