表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート?いいえトーチです  作者: 取手名
55/62

世界の名前

翌日に王都にある冒険者ギルド近くの武器屋に来た。

リッカも今日は休みで装備を整える。


「とりあえず全ての装備をアップグレードしたいんだが・・・」


武器屋のオヤジは渋い顔をしている。


「全てとなるとかなりの金額になるぞ?」


まぁ、そうだよな。

予算は大金貨10枚ぐらいでいいだろう。

ミネルヴァの剣を中心に出来る限り強化することを頼んだ。

とりあえず、現状の装備を確認する。


<カナメ>

武器

銀鉄の剣


予備武器

鋼鉄の剣


防具

ブラックドッグ装備のライトアーマー(ヘッドギアは黒赤鬼装備)

黒赤鬼のインナー

バックラー


<アイリス>

武器

黒赤鬼弓(こくせきききゅう)


予備武器

銀鉄の短剣


防具

ブラックドッグ装備(弓師用)


<ミネルヴァ>

武器

銀鉄の長剣(破損)


予備武器

鬼殺しの短剣


防具

騎士風のライトアーマー

ダークレッドオーガのインナー

バックラー


<リッカ>

武器

銀鉄のスリングショット


予備武器

煙玉(武器というよりアイテム)


防具

水纏みずまとい

黒赤鬼の小盾


<ベアトリーチェ>


防具

スギーアスアルクランの大盾



そして、スネークスパイダーを倒した際の宝箱から回収した、


抗魔のマント・・・魔術耐性があがる。


瞬風のグリーブ・・・瞬間的に素早さが上昇する


抗石の指輪・・・石化耐性UP


がある。


指輪は誰にあげても絶対にモメる為、俺が着けるのが正解な筈だ。


「ダークエルフの嬢ちゃんの剣だが、これなんかどうだ?重いし、扱いが難しいんじゃが、物凄い斬れ味だぞ?」


店のオヤジが差し出して来た剣を鑑定してみる。


深業の野太刀・・・刃長103cmの大太刀。筋力が上がる。自動修復5%/1H


デカイ、全長が130cmはある。

これ振れるのか?

洞窟なんかは・・・まあいけそうか。

森の木々・・・も、ミネルヴァなら敵と一緒にぶった斬りそうだな。

自動修復があるのがありがたい。

ミネルヴァを見てみると、目が輝いている。


「これがいいのか?」


ブンブンッ!!


なら仕方ない、お値段は・・・大金貨4枚っ!!

予算の1/3以上だぞっ!

普通より安いだと?この値段で?

使える奴が居ないから・・・なら何で作ったんだよっ!

まぁ仕方ない、ミネルヴァはダメージディーラーだからな。

武器の希望は聞いてやりたいしな・・・。


あとは、俺の武器・・・。

セカンドジョブ<騎士>は、槍も使えるようになった筈だ。

新たに槍と、今の剣をグレードアップしたい。

アイリスは防具の強化、リッカは<瞬風のグリーブ>を装備。

ベアは何故か武器を持てない為、<抗魔のマント>を装備してもらう。


「アイリスの装備だが、このスネークスパイダーの素材で何か作れないか?」


「んー、珍しい素材だな・・・。数日あれば仕上げれるかもしれんな・・・」


「ついでに、リッカのスリングショットだがこいつを強化出来たりしないか?」


「それだが・・・知り合いの武器屋に任せてみるのはどうだ?」


「それは任せる」


現状の装備の修復まで依頼をしたので、予算よりかなりオーバーしてしまったがそれは仕方ない。それら諸々を含めて、装備は10日後に取りに来ることで決まった。

それまでは怠惰に過ごす。

あと5日後には、待ちに待ったオークションの日だ。

今回は冒険者ギルドのクールリュさんが代理人をしてくれる。

王都で開かれるのに、なぜオーガマじゃないかって?聞かなくてもわかるよね?

1日目がアーティファクトのコテージのオークションがあり、2日目がお楽しみの奴隷オークションだ。



とりあえず数日はどうするか考えたが、王都レヴィアモスは、女系の王と男系の王がそれぞれいて、二つの国がヒョウタンの様になって出来ている国だ。


屋敷があるのは男系の王がいるアモスで、まだ女系の王がいるレヴィに行った事がない事に気がついた。

そちらの方を物見遊山するのもいいかと思ったので、双子を含めた全員で行く事にした。




王都レヴィ、王都アモスとはヒョウタンのくびれを境にして左側に位置する。

アモスよりも海産資源が豊富で、国外貿易の拠点でもある。

アモスとレヴィの法律上の大きな違いは獣人や亜人に対してかなり寛大なのがレヴィ、保守的なのがアモスって感じらしい。


「何故二人の王がいるんだ?1人の方が楽だろうに・・・」


「バカかキサマは・・・」


「ならミネルヴァは分かるのか?」


「昔からの風習だからだ、そんなこともキサマは・・・」


「いや、だから何でそんな風習があるのか聞いたんだが・・・もういいや、リッカは分かるか?」


攻撃スキルぐ無く、どうにか冒険者としてやって行こうと努力し、情報を収集していたのだろう、こういう豆知識なんかを良く知っているリッカに聞いてみる。


「ウチもよく知らないッス。ベアトリーチェさんは元大貴族の御令嬢だからそういう事に詳しいんじゃないッスか?ご主人」


「ベア・・・」


「よくぞ(わたくし)に聞いてくださいました、旦那様」


あれ?カナメ様がいつのまにか旦那様に変わってるんだが・・・はい、そこっ!!雷撃をバチバチ言わせないっ!!

結局、何故かは分からなかった。


それは置いておき、レヴィの街中は物凄い人だな。

馬車もひっきりなしに通る。

歩くのも面倒なので馬車に乗るとするか・・・。

馬車の停留所でタクシーみたいに馬車を止め、全員で乗り込む。

まずは服でも買って飯だな。


滞りなく予定を消化する。

途中、アール商会(クリスさんの店)があったので覗いてみると、香辛料や岩塩、珍しい果物なんかも置いてあったので購入した。

大量に買い溜めしたかったが、めちゃくちゃ高い。

香辛料が高価なのはテンプレだが、香辛料が二足三文の世界を知っていると何かこう、切なくなってくる。


最後に食事処を後にし、沈みかけた夕日を見ながら宿屋を見つける為に歩き出したその時、世界から音が消えた。


周りを良く見ると、そうでもない。

夕方は昼間とは違う喧騒が響いている。


突然寒気を感じる。


「あら〜、お久しぶり」


「!!!エウリュ・・・アレー・・・」


「覚えててくれたの?いい子ね・・・。でも敬意が足りないわ?様を付けるべきでわなくて?」


「何故ここにいる。しかもその格好・・・」


羊の角の様なとぐろを巻いた角は無く、翼も尻尾もないが、紫色の髪はあの時と同様に濡れた様に艶めいている。

服は黒いラバースーツの様に張り付き、エウリュアレーの女らしい身体の輪郭をうきあがらせている。


あの時とは少しだけ容姿が違うが分かる。

あの金色のベビ目、温度と音が無くなるこの雰囲気。

間違いなくエウリュアレーだ。


「まぁいいじゃない、多少の認識阻害なら使えるってことで。それよりも少し話さない?」


「遠慮しておく・・・」


「大丈夫よ?もしその気なら今一瞬で全員の首を刈れるわ。そうしない理由・・・知りたくない?」


これは脅しだ。

だが、事実だろう。

口腔内の唾液をやっと嚥下する。

自分の喉の動きがやけにスローに感じる。


「わかった・・・場所は冒険者ギルドでどうだ?」


「・・・大丈夫かしら?まぁ、いいわ。それじゃ行きましょう?」


冒険者ギルドなら俺たちよりも高位の冒険者もいる。何かあっても何とかなる気がした。

しかし、レヴィの冒険者ギルドは良く知らない。

アモスの冒険者ギルドに1時間かけて向かうことにした。


アモスの冒険者ギルドへ向かう馬車。

奥の席に優雅に座るのはエウリュアレー。

俺たちはなるべく距離を取って後ろの方に座る。

10人以上が乗り合い出来る馬車だが、えらく閉塞感を感じてしまう。


「移動しながらだが、話し出来るなら今しないか?」


「いいわよ?」


「俺たちを殺さない理由だったか?何故だ?」


エウリュアレーは組んでいた足を大きく組み替えた。


「せっかちね〜、そんなんじゃ女の子に嫌われるわよ?」


「あいにくとコイツらで手一杯でな、他の女に好かれたいとは思わない」


「そうなの?残念・・・。まぁいいわ、本題の前に少し話しをしましょう。お前はこの世界の名前を知っているか?」


「・・・この世界の名前?」


「そう・・・知らないのね・・・。この世界の名前はartificial the hero earth neighboring administration・・・ATHENAの箱庭と呼ばれている。 意味は、造られた英雄を地球と隣接する世界で管理する場所ってことよ?」


「ATHENA?あのアテナか?」


「そうだ・・・ここは・・・この世界は・・・・・・地獄だわっ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ