中身
リッカに確認した所、宝箱は2つ共に罠は無さそうということだ。
大きな宝箱を開けてみる。
「うぉっ!まじかっ!」
そこには金貨が詰まった巾着が1つ、グリーブというのだろうか、靴と脛当てが一体になったやつがあった。
あとはマントだろうか?
それと・・・何だこれは?
鑑定してみるか。
<簡易コテージ>・・・持ち運ぶ際は手の平サイズにまで小さくなるコテージ。結界を張れる。
使えねー。俺たちには転移があるからダンジョンで寝泊まりする必要がない。
完全に外れだな。
「凄いです、ご主人様」
「アーティファクトとはな・・・」
「完全に当たりッスね」
「カナメ様以上の当たりはありませんわ」
俺以上の当たりがあるかないかはともかく、良い物らしい。
ついでに、マントとグリーブも鑑定してみる。
抗魔のマント・・・魔術耐性があがる。
瞬風のグリーブ・・・瞬間的に素早さが上昇する
当たりも当たりだが、皆の反応は普通だ。
アーティファクトのコテージは特別な品らしい。
もう一つの箱を開けてみる。
「ネックレス・・・か?」
「ロケットペンダントですね、ご主人様」
「それと指輪だな」
「そうッスね」
「まさかっ!!カナメ様から私へのサプライズプレゼントですね?」
ですね?じゃないわっ!!
5人で倒したスネークスパイダーがいる所にプレゼントを隠してサプラ〜イズって頭いかれてるだろ!
ん?ってかふざけている場合ではない。
はぁ、こういう事か・・・。
急いで屋敷に戻らなくてはならない。
その前に一応、指輪も鑑定しておく。
抗石の指輪・・・石化耐性UP
これは誰にやっても後から揉めるパターンなので、自分で付ける事にする。
あとはやり残しというか、ついでと言うか、リッカのレベルも上がっていた。
リッカ
種族:人間
職業:マッパー:Lv6 探索者:Lv3
称号:パーティーマスコット
14歳
レベル:17
HP:790(790)
MP:530(880)
攻撃力:690(640+50)
防御力:640(560+80)
素早さ:960(940+20)
魔力:690(640+50)
器用さ:1290(1290)
運:23(23)
<固有能力>
「オートマッピング」
<スキル>
水魔法:Lv4(クリエイトウォーター:Lv5 リフレッシュシャワー:Lv6 耐火シールド:Lv1)
ドレインボール:Lv3
魔物図鑑:Lv5
料理:Lv5(美味しくな〜れの魔法:Lv1)
地質調査:Lv2(水脈感知:Lv1)
探索の心得:Lv1(罠感知:Lv1 罠看破:Lv1)
スリングショットLv3(射撃:Lv2 シューティングスター:Lv1)
奉仕:Lv5
<加護>
女神の加護:Lv7
<獲得可能職業>
料理人:Lv5
<獲得称号>
散財者
スキルポイント 220
アイリスもミネルヴァもセカンドジョブをつけたので、リッカにもセカンドジョブ<探索者>Lv3を付けておいた。
それにより、ステータスが上がっている。
そして、スキルポイントが減った。
ってかめちゃくちゃ増えているからザッと説明する。
<耐火シールド>、<水脈感知>、<罠感知>、<罠看破>・・・・これらが分かんない奴なんて多分居ないので割愛する。
あと、料理スキルの<美味しくな〜れの魔法>は今度料理の時に見せてもらうので渇愛する。
あと、<奉仕>が上がってないので、渇愛する。
そして、
<シューティングスター>・・・自動追尾型の弾を発射する。
これだけは使える気がする。
よしっ!ザッと説明したので屋敷に戻る。
この後の説明の方がしんどそうだ。
「雑ッス、ご主人!!」
スルーだ。
<転移の灯台>を発動し、屋敷に戻った。
さて、憂鬱な時間の始まりだ。
その前に全員順番に風呂だ。
俺は最後にアイリスと入る。
「・・・・ご主人様」
「何も言うな、大丈夫だ」
特にエロい事もせずに、体を拭き上がる。
全員揃った所で、王様からもらった屋敷、その1番豪華な応接室に双子を呼び出す。
「コン、コン、コン・・・」
ノックされた木の残響がいつまでも耳に残る。
入室許可を出そうとするが、喉の奥は乾いて冷たい。
内側に引き摺り込まれてえづきそうになる。
「・・・ちょっと待て」
ドアの外に言い放つ。
「とりあえず全員、俺の顔を引っ叩け。大丈夫だ<ヒール>で治すから・・・気合いを入れてくれ」
「・・・承知致しました、ご主人様」
目の前に立ったアイリスのビンタに備えて構える。
鼻腔に甘い香りが広がり、顔にこの世の物とは思えない程柔らかい物体が押し付けられる。
顔だけではない、取り囲むように計6個の柔らかい物体が押し付けられた。
(ウチのはカウントされてないッスね・・・)
「大丈夫です、いつもの様に・・・いつものご主人様で・・・」
なんだこれ?引っ叩けって言ったのにアイリスが命令無視?
「アイリス!命令無視だぞ?後から俺におっぱいビンタさせるからな?」
「・・・はいっ!ご主人様っ!」
よしっ!何かいつもの調子が出て来た。
「入っていいぞっ」
リリに続いて、ルルも入室する。
「まぁ、座わって話そう。大事な話だ」
リリもルルも神妙な顔をしている。
まず、順序だてて話始めた。
王都の近くでダンジョンを見つけ、地下五階層までおりた。そこの大広間でスネークスパイダーという、強力な魔物と戦い勝利した事。
その大広間で宝箱を見つけて開けてみるとペンダントロケットを見つけた事を話した。
「そのペンダントロケットがコレなんだ・・・」
「・・・っ!」
「あっ!」
「やっぱり見覚えがあったか・・・。中を開けたら・・・」
言葉に詰まってしまうな・・・。
中を開けたら絵が描いてあった。
双子と思われる少女が2人と、若い女の絵。
そして蓋には、
「リリ、ルル 愛する私の家族」
と言う文字が刻まれていた。
2人にペンダントロケットを渡す。
泣かない様に必死に堪えている様だったが、蓋を開けた途端に大声で泣きだした。
2人が落ち着くのを待っていたが中々落ち着かない様なので、席を立つ。
慰めの言葉が思い付かないのだ。
「・・・ひぐっ、申しわげ・・・ひぐっ、あり・・・ぐっ、まぜん」
「なんでっ・・ひぐっ・・・なの。おねぇじあわーんっ!!」
「申し訳なくなんかない・・・好きなだけ泣けばいい。遠慮なんかするなっ」
そういった途端今まで以上大声で泣き叫び、おれの足にしがみついて来た。
・・・苦手なんだよっ。この空気・・・。
仕方ない・・・なっ。
ほぼ朝方まで泣きっぱなしだった。
途中からはソファーに座り、泣きまくるリリとルルの背中をポンポンし続けた。
朝日が昇る直前ぐらいになり、2人とも落ちたみたいだ。
ズボンは涙と鼻水まみれだが仕方ない。
数日はリリとルルの姉の為に、喪に服すことにしよう。
そう決意し、登りきった太陽の光を手の庇で遮りながらベットへと向かった。




