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チート?いいえトーチです  作者: 取手名
48/62

ゾンビではない


なんだ・・・?

頭が痛い・・・喉がカラカラだ。

指先に・・・力は入るみたいだが・・・モニュモニュしている。


周りが慌ただしい・・・。

目を開けると眩しい・・・。

知っている天井だ、屋敷にいるのか・・・。


「ご主人様っ!!!ご主人様っ!!!」

「全く、キサマは・・・」

「本当っスよ・・・」


あっ、あぁ・・・。

あれ?リッカもいるのか?

確か宿まで送って行ったはずだが・・・。


「ノド・・・か・・・いた」


「どうぞ、ご主人様・・・あっ!!」


受け取ろうとして、コップを落としてしまう。


「す・・・ない」


アイリスが水を口に含み、少しずつ流し込んで来た。

ひと息ついた後、もう一度眠りにつこうとして思い出したっ!!


「ベアはっ!?ベアはどうなった!?」


「はいっ!!カナメ様。元気にしておりますわ」


えっ・・・え?なんでポーッて光ってるの?

ってかちょっとだけ透けてね?



混乱していると、アイリスが説明してくれた。

俺が「好転」のスキルを発動してぶっ倒れた後、ベアと王家秘蔵の大楯<スギーアスアルグラン>とウィルオーウィプスが光り出して1つに纏まり、光が収まった後に、今の透けるベアトリーチェが居たらしい。


ベアトリーチェはウィルオーウィプスと同様に、俺が使える<トーチ>スキルからの派生スキルを使うことができるらしく、その<転移の灯台>で屋敷に戻って来たそうだ。

その後、リッカを迎えに行き今に至ると・・・。



ちなみに、俺は8日間も目を覚まさなかったらしい。

金などは、俺のアイテムボックスに入っているから生活費をどうしたのか聞いたところ、クリスさんが融資してくれたそうだ。

またあの人に借りを作ってしまったが、申し訳なさそうに話すアイリスを前に、まっいいかって思ってしまった。


「それはそうと、ベア・・・自分で自分の状況がわかってるか?」


「ある程度ならわかっていますわ」


「そうか・・・一応ステータスを見てみるな?」


ベア・オー・ウィプス

種族:アンデット? 召喚獣(召喚者カナメ)

職業:盾士Lv3 先導される者Lv1

称号:

年齢:0

レベル2

HP:560(560)

MP:640(640)

攻撃力:1100(1100)

防御力:3200(3200)

素早さ:520(520)

魔力:640(640)

器用さ:1050(1050)

運:30(30)


<固有能力>


「ゾーン」「物理無効」


<スキル>


トーチ:Lv2(聖火:Lv:2 篝火:Lv2 転移の灯台:Lv3 照明ボム:Lv2 ウィルオウィプス:レベル2)


大盾:LV1


アイテムボックス:Lv2


剛力:LV2


状態異常耐性:Lv1


<技スキル>

シールドバッシュ:LV1

フォーカスクライ:LV1


<加護>


女神の加護:Lv6 鬼神の加護:Lv2


<獲得可能職業>


ゴーストーカー:LV1


<獲得可能スキル>


ゴーストーキング


<獲得称号>



スキルポイント 480



なんかいろいろ混ざってるな。

アンデットだから死んでるのか?

いや、<アンデット?>になってるし、これはアンデットですか?よーわからん、そう言うもんとしか言いようが無い。

実体はあった、触れた。

モニュモニュしていた。

張りのある塊が確かに2つあった。


「あっ!カナメ様・・・」


先っぽも硬くなって来た。

って言うか、ベアに普通にセクハラしている自分に気づいたがもう止まらない。

ゴーストーカー?何それ?美味しいの?

見なかった事にしてモニュモニュを楽しんだ。



普通に2時間程経っていた・・・。

体力が回復しきれてないのか、最後に気を失った。

とりあえず、話をしないとな。


「えっと、とりあえずベア・・・・のパーティ加入は決定・・・ってことで」


「キサマは本当に節操なしだなっ!」


「うわぁ〜・・・いろいろな事から逃げて、そう言う風にまとめるッスかぁ〜・・・」


「・・・ご主人様の決定であれば」


最初がミネルヴァ、次がリッカ、その次がアイリスだが、いつもは最初に返事していたアイリスが遅れて返事した心中を察して、アイリスを見れなかったが、後からどうにか機嫌を直してもらうことにしよっと。


それよりもあの魔族はヤバい。

全員で話し合った結果、ダロンの冒険者ギルドに話すべきだとなった。

ダロンの初心者ダンジョンにあんなヤバい魔族がいるとなると、入ることが出来ない。それに、数多くの冒険者が被害に遭う危険性がある。

1番ヤバいのは、ダンジョン最下層のエキドナだ。それを探していたとなると、封印か何かをあの魔族が壊そうとしているパターンだろう。


とりあえずクールリュさんにも会いたいし、午後からはダロン冒険者ギルドに向かうことにした。

その前にアール商会のダロン支部に向かい、クリスさんにお金は返しておいた。



さて、ギルドだ。

入った瞬間、全員の注目が集まる。

そりゃそうだ。アイリス、ミネルヴァ、ベアという綺麗所に囲まれたハーレムパーティに注目が集まる(ウチ、ウチ。ウチもいるッスよ、ご主人)のは仕方ない。


相変わらず1番長い列を作っているクールリュさんの所に並ぶ。

クールリュさんはまだ専属受付嬢や、パーティ受付嬢でない為、普通に並ぶしかないのが悔しい。


10分程で順番が回って来た。


「早っ!!順番回って来るの早くないですか?」


「わ、私ぐらいににゃると・・・」


噛んだ。

クールリュさんは、アワアワした後に落ち着いて咳払いをした。


「コホンッ・・・私ぐらいになるとこれくらいの人数簡単にさばくことができるのです。ですが・・・また1人女性の方が増えたんですか?ちょっと透けて見えますが・・・まあいいです。で、今日はどうなさったんですか?」


「実は・・・」


ダロン初心者ダンジョンに出た魔人エウリュアレーの話、そのエウリュアレーに攻撃されベアが死んだ?話、エウリュアレーは最下層にいるエキドナに興味を持っていた話などをした。


あと、冒険者がダロン初心者ダンジョンに入った場合、エウリュアレーと遭遇し殺される危険性があることをなどを話した。


「ふぅ・・・なるほど、これはギルド長案件ですね。ちょうど今B級の冒険者パーティ<黒鉄の盾>が滞在しています。ダンジョンを捜査してもらいましょう」


魔人が望む事は、数百年前に倒された魔王の復活らしい。

エキドナはその鍵になるのではないかと推察されているが、実際は何もわかっていないそうだ。


何故ならエキドナはフェリペさん達のパーティが命をかけて封印した。

その封印は誰も解除できないとの事だった。

・・・あれ?これフラグ立ってない?


とにかく、10日ほどは立ち入り禁止になるそうだ。

その間にB級の冒険者パーティがダンジョン最下層のエキドナの様子を見に行く。

ちなみにだが、俺の証言を全面的に信用して動いてくれている訳ではなく、真偽の水晶で嘘を言ってないか確認された。


「わっ、私は信用してますよ?ですが、いっ一応規則ですから」


というクールリュさんの言葉に絶壁・・・ウォッホン、絶望した。


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