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チート?いいえトーチです  作者: 取手名
31/62

寝袋

近くの武器屋は二階建てのボロい建物がそうらしい。

路地裏にある為、人も少ない。

扉を開けて中に入った。


「お邪魔します・・・」


「おうっ!!何の用でい!」


カウンターにいたのは若い、とは言っても30代だが・・・その男はカウンターに肘をついてギロリとこちらを睨んでいた。


「何の用だと言われても、武器屋に飯を食べに来る訳ないだろ!?」


「ほぅ・・・、言うねぇ。武器屋に武器を買いに来たと。何が欲しいんでぃ?」


「適当に店内を見せてくれ。それからこの・・・ダークレッドオーガの素材で何が作れる?」


「オーダーメイド依頼か・・・。ダークレッドオーガ・・・こいつは見たことねぇなぁ。新種っ!?そうだな・・・」


武器屋曰く、ダークレッドオーガの皮からは装備の中に着るインナーが作れるそうだ。腕の皮膚と骨は硬く、盾に出来るらしい。3本の角や、大きな牙は武器として、魔石は売れば大金貨1枚で買い取るとの事。


「角から弓って作れるか?」


「2本使う。残り1本は・・・ショートソードくらいならできそうだ」


「わかった、それでいい。あと、これなんだが・・」



スリングショットを見せた。

武器屋は興味を持ったみたいでアレコレといじっていた。

スリングショットに関しては秘密にする必要はない。まずこの世界には強いゴムがない。あったらあったで、スリングショットが普及してくれればリッカの装備も充実するはずで、得しかないからだ。


それから自分の装備もワンランクアップさせる。ライトアーマーをブラックドッグ装備に一新させ、剣も黒鉄の剣から銀鉄の剣に変更した。


かかったお金は全部で大金貨4枚。オーダーメイドの弓とショートソード、それからリッカのスリングショットの改造で大金貨2枚が飛んで行った。

財布が軽くなると警戒心もなくなり、足取りも軽くなる。装備は一式を5日後に取りに行く事になった。

よくよく考えると、アイテムボックスに入ってるんだし、お金は誰にも取られない事に気付いたのは屋敷に戻ってからだった。

多分気が動転していたんだろう。とりあえず、数日は休養に充てることにした。



5日後、<転移の灯台>を使い、自由都市ダロンに戻る。クリスさんとの約束を守る為だ。

一度宿屋に戻り、追加で1カ月分の宿代を払う。日本円にすると、1日5000円×4人で2万円、30日で、1カ月60万円にもなる。朝・夕方の食事なしにしてもらい1カ月48万円になる。


クリスさんは昨日ダロンに着いたらしい。転移の約束は1週間後にとお願いされた。

それから、宿屋ではなく、アール商会ダロン支部の一室を貸してくれるらしく、今後はそこを転移の場合にする約束になった。

だが、もう金を払ってしまったのでとりあえず宿屋を利用し、1カ月後からその部屋へ移ることにする。



もう一度<転移の灯台>を使い、王都に戻る。

そろそろ金を稼ぐ為に、<氷の花>を取りに行くとしよう。ジグル王子の婚約者の誕生日まであと10日しかないからな。

まずは、装備の受け取りだ。今日がその日なので、あの武器屋まで向かった。


「お邪魔します・・・」


「おぅ!何の用でぃ!・・・っておまえ達か。装備は一式できてるぜ」


そこには、装備が一式綺麗に揃えられていた。ダークレッドオーガのインナーは二着しか作れなかったそうで、前衛2人がそれを装備することになった。


まず、俺の防具はブラックドッグ装備ライトアーマーで心臓と肘、膝にプロテクターみたいになっている。黒で統一されていて、インナーもあのダークレッドオーガの素材を使ったインナーになっている。

ヘッドギアみたいなやつにはダークレッドオーガの牙が装飾されていた。鑑定すると防御力が600あり、鬼神の加護Lv2が付いていた。


鬼神の加護Lv2・・・クリティカルの確率と上昇値が上がる


おぉ!!めちゃくちゃいいじゃん。

因みに武器は、銀鉄の剣で攻撃力は400ある。加護は付いていない。

次にアイリスだが、ダークレッドオーガの角二本を使った弓が新しい武器だ。名前が黒赤鬼弓(こくせきききゅう)攻撃力が350あって鬼神の加護Lv2が付いている防具は弓師用のブラックドッグ装備になっている。予備のちょっと高い短剣は銀鉄の短剣に変えた。


ミネルヴァはダークレッドオーガのインナーと騎士風のライトアーマー。武器は銀鉄の長剣とダークレッドオーガの残り1本の角から作ったショートソード、その名前は鬼殺しの短剣。攻撃力は300だ。これはサブ武器として使わせる。


リッカの装備は水の加護が付いた装備で、名前が水纏(みずまとい)というらしい。水の加護Lv1が付いている。防御力は破格の500。後は一応ダークレッドオーガの小盾を持たせる。


水の加護Lv1・・・装備の自動修復。1時間に1%修復する


オーダーメイド以外で、実は水纏が一番高かった。奴隷のくせにっ、リッカのくせにっ!!

スリングショットは、銀鉄のスリングショットになっていて、ダークレッドオーガの牙が装飾として付いている。

ゴムや、弾を掴んで弾き出す部分も縫製がしっかりしていて明らかにバージョンアップしていた。攻撃力は50だが、弾次第で上がるはずだ。


武器屋を後にして、再度シズ山に挑む。ギルドで聞いた話では、あれ以来ダークレッドオーガは現れていないらしいので大丈夫なはずである。



前回の場所までたどり着き同じ様に野営地を決めて準備する。

探索は明日からだ。<聖火>を使い安全を確保する。前回のダークレッドオーガは強すぎた。<聖火>は実力が上過ぎる相手には効かないみたいだが、もうダークレッドオーガはでないから大丈夫なはずだ。最初の見張りはリッカがするらしい。

俺たちは狭い寝袋の中に3人入り込む。アイリスと向き合って、後ろにはミネルヴァがピタリと着いている。これは、夜に身体が冷えてしまわないようにする冒険者の知恵であり、3人共裸なのは熱伝導を良くする為で、3人共ハァハァ言って寝袋がゴスゴス動いているのは事故なのだ。たまたま入ったんだ。タマタマは入っていないがタマタマの上の棒が入ってしまったんだ。

冒険者の知恵というのは何という素晴らしい物なのか!!


「あの〜、ウチもいるッスからね?3人の世界に入るのはいいッスけど、その蒸れた寝袋に入るのはウチッスから・・・」


「リッカっ!!うるさいですよっ!」


今言ったのは俺ではない。

あのアイリスなんだ。燃えていらっしゃる。

次にミネルヴァと向き合い、リッカが寝袋の中に入って来てしばらく経ってから眠りに着いた。







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