四段活用
翌日、昼過ぎに屋敷を出た。
人間は命の危機を感じると子孫を残そうとするらしい。昨日の鬼との戦闘はまさに命の危機を感じた事であり、子孫を残そうとして、朝から元気な事も、全員と2回ずつするのも仕方ない事だ。
最初はアイリスの丁寧な奉仕から始まり、リッカも参戦する。ミネルヴァは「そんな事できるわけないだろぅ」などと言いながらも、頬を紅潮させて最後は誰よりも乱れる。アイリスとリッカの相手をして、焦らすだけ焦らしたミネルヴァを三人で一気に攻めると、最後は白目を剥きながらイキ絶える。
ミネルヴァは、感覚の<共有>がクセになってる様子だ。
風呂に入る際は、湯船の前に3人を並ばせてその裸体を鑑賞した。
リッカはアイリスやミネルヴァのせいで、胸にコンプレックスが出始めたみたいだ。胸を隠そうとするので、命令で腕を上に上げさせて、羞恥の表情を楽しんだ。
ともあれ、楽しんだ後王都の冒険者ギルドに来た。
王都の冒険者ギルドは、非常に大きい。更に、受け付け嬢も綺麗・オシャレ・スタイルが良く胸が大きいと、三拍子揃っていた。
俺がどんな子を選んだか・・・・大きく開いた首元から溢れ出しそうになっている胸の肉ばかり凝視していて順番が回ってきた。って言うより誰も並んでいなかった。
「あ〜んら、いらっしゃい。王都の冒険者ギルドは初めて?おネェさんが手取り足取り教えてあ・げ・る」
ん?おネェさんってかオネエやん!?完全に。だって髭剃り跡が青々としてるもんっ。背中に鬼が見える人たちと同等の筋肉してるもんっ。顎割れてるもんっ!!
「顎は関係ないでっしょっ!!・・・失礼したわ。顎ばかり見つめるからつい突っ込んじゃったわ」
デカい。何がデカいって身長だ。最初のオーガぐらいある。パーマが解けかけた大阪のおばちゃんみたいな茶髪のロン毛。青々とした髭剃り跡、割れた顎、濃いアイシャドウ。ピンクのチークにピンクのリップで筋骨隆々。
「私の名前はオーガマよんっ」
オーガなんかオカマなんかはっきりしろよっ!顎割れるくせにっ!!
「顎は関係ないでっしょっ!!それより今日はどうしたのかしら?」
事情を説明する。
「なるほど、新種のオーガに襲われたと・・・」
ジグル王子のクエストは本来ならC級以上が受ける依頼だが、直接頼まれた為、指名依頼扱いになる。
ギルドで依頼を受けた人はそれなりにいたが、オーガに襲われて怪我を負った冒険者が続出。冒険者は情報に聡い。生命の危険がある場合には近づかない様になり、依頼の進捗状況も滞っていた。
オーガは新種と認定されれば報奨金が出て、オーガを倒した事により、ジグル王子のクエストも達成されやすくなるので、その報酬も支払われるらしい。
オーガの死体を2体ギルドの裏にある解体場に置くと、新種かどうか調べるのに、数時間かかると言われたので、遅めの昼食を食べにきた。
注文して料理が来るまで反省会をする事にした。
「みんな今回はなんとかなった。ありがとう」
「もったいないお言葉です、ご主人様」
「当然だな」
「死ぬかと思ったッス」
「今回、感じた事をそれぞれ言ってくれ」
「やはりご主人様の責めは最高です。背後から容赦なく突かれると私は・・・」
「いやいや、戦闘で感じた事だぞ?アイリス。朝の責めで感じた事じゃないから・・・
「そうなのですか?ご主人様」
「そ、そうなのか!?」
「そうなんスね?」
コイツらっ・・・。
「改めて聞く。戦闘で不足や改善、反省などなかったか?」
「はい、私は弓の威力に不足を感じました。ウインドエッジも同様に威力が不足だと思います、ご主人様」
「キサマとのスラッシュは上手くいったがあれはたまたまだな。アイリスの言う通り、攻撃の威力が足りてない。奇襲された場合や、未見の相手との経験値が足りなかった」
「ウチは脆さッスかね。あのオーガの攻撃をまともに食らってたらミネルヴァの姉さん以外はひとたまりもないッスよね?」
なるほど、アイリスやミネルヴァが言ってる攻撃力不足と、ミネルヴァが言った不測の事態が起こった時の対処法、リッカが言った防御力不足。
装備か・・・。あとは防御職の奴隷を・・・でもなぁ、防御職ってゴツいイメージあるからなぁ〜。男は論外だし、ゴツい女も嫌なんだよな〜。まぁ、後から考えるとしてまずは防具だな。
一度屋敷に戻り、下の息子に白黒同時口撃を受けながら、リッカは放置して1人でさせた。リッカにはフィニッシュだけ受け止めさせた。理不尽な扱いされた方が3人とも嬉しいみたいだからで、決して俺の望みではないのだ。
今日は一日自堕落な生活を送るつもりだが、そろそろ冒険者ギルドに行かなくてはいけない時間になったので出かけた。
「まってたわ〜。またオーガマに会いに来てくれてあ・り・が・とっ。さっそくだけど、あのオーガは新種認定されたわ。名前どうする?付ける?」
新種と認められた魔物は、発見者が命名することができる。だが、一般にも誰が命名者かわかってしまうので、変な名前は付けれないというより、変な名前をつけたら自分が恥をかく。
「オーガはね、オーガ、オーグ、オーガストって進化して最後はオーガロードになるの」
何その三段活用。
「最後はオーガマじゃなッスか?」
「ばっ!!おま、オーガは顎割れてないだろう!!」
「顎は関係ないでっしょっ!話の続きだけど、その変異種として、カラーオーガがいるのね!」
オーガマさん、ツッコミはするけど意外とフラットやなぁ〜。
それよりも、オーガの変異種がカラーオーガで、カラーオーガは進化しないらしい。ただ、多分カラーオーガの一種であるレッドオーガの進化系だと思うと言われた。
「ダークレッドオーガなんてのはどうだ?」
「いいわね。それで登録して置くわね?それで新種認定の報奨金なんだけど・・・大金貨3枚でどうっ?研究素材としてダークレッドオーガの死体を丸々2つ大金貨4枚で買い取るわっ」
気前がいいなっ!!
リッカを購入した残りが210万円。その後装備を売ったり、買ったり、遠征の準備をしてほぼトントンで今回大金貨5枚。合計で900万円ぐらいになる。
「ちょっと待て、ダークレッドオーガの死体は武器や防具の素材に使えるはずだ。キサマ次第だが・・・」
「いや、ミネルヴァがそう言うなら1体だけ売って、デカい方は売らずに取っておこう」
「なら大金貨7枚ね?準備するわ」
お金持ちになってしまった。小心者ねサガなのか、周りがみんな財布を狙っている様に思える。
王都で1番大きな武器屋は徒歩で30分だが、近くにも武器屋があるそうなので、危険性を考え近くの武器屋に向かった。




