お風呂
「やぁ、カナメ殿はいるかな?」
宿に現れた使者とやらはジグル王子だった。
横には胸が大きな女を2人侍らせていた。
「何しに来たんだよっ」
「まあそんな邪険にするな。お前には改めて礼を言いたくてな・・・」
「礼?解呪の?それなら王様から感謝の言葉を貰ったし、屋敷も貰うし・・・」
「それもあるが、AED感応っていう素晴らしいスキルを俺に与えてくれた礼だ」
ジグル王子曰く、AED感応は最高のスキルらしい。
EDだった時の反動でヤリまくっているが、どうしても体力・精力共に限界がある。
そこで、AED感応を使うと体力と精力が回復して何度でも出来る様になったそうだ。ただ、MPは消費するので無限にというわけにはいかないらしい。
更に、AED感応のシビれる感覚が癖になってしまったとか・・・。
俺は王族の歴史に変態王子を生み出してしまったのではないのか、王様がどんな心境なのか考えるのが怖くなった。
(呪いを解呪して、新しい性癖を生み出したのかもしれない・・・)
それで礼を言うと共に、王様が用意した屋敷にジグル王子が案内することになったらしい。
屋敷は王都の宿屋から徒歩で10分、王都のギルドから10分の距離にあった。大通りからは1本奥に入った場所だ。王都レヴィアモスの男系の王が治めるアモスでは一応、一等地だということだ。
屋敷の作りはなかなかのもので二階建て、庭もテニスコート3面分ぐらいある。中に入ると大きな正面玄関があり、部屋数は15部屋あり風呂も完備されていた。
「風呂もあるのかっ!」
「どうだっ!この屋敷は俺が見つけた屋敷だ。父上が見つけたやつよりもいい物件だと思ったから進言しておいたんだ」
「そりゃどうも。でもなぜそこまで・・・」
「実はカナメ殿にお願いがあってな・・・」
来た来た、来ましたよ。
どうせまた解呪してくれとか、アイリスをくれとか、ミネルヴァをくれとか・・・そんなとこだろっ!
「ウチはっ?今さらりとウチを除いたッスよね?」
「・・・で?お願いとは?」
「シカトッスか?」
「リッカ、黙れ!!」
「・・・はいッス」
「で?お願いとは?」
ジグル王子のお願いは意外なものだった。もうすぐジグル王子の婚約者の誕生日があり、そのプレゼントとして、<氷の花>を取れるだけ取って来て欲しいそうだ。
それとその誕生日会に友人として参加して欲しいとのこと。
「なぜ、ギルドに依頼しない?」
「もちろん依頼はしているが、いまいち集まりが悪くてな・・・。それに、カナメ殿は優秀な冒険者だとクリスが言っていたのでな」
なるほど、友人として参加するのは遠慮したいんだが・・・。
「その胸の大きな女達はどうするんだ?そのどちらかが婚約者なのか?」
「彼女達は護衛だ。あぁ見えて優秀なんだよ」
「そうか・・・わかった。場所とか花の特徴とかはこのリッカに教えておいてくれ」
護衛の巨乳ちゃんがリッカに特徴を教え始める。
俺たちはクリスさんに事の顛末を話すため一度宿屋に戻った。
クリスさんは了承してくれて、ダロンに戻ったら連絡をすることになった。
「さて、俺たちは明日からクエストだな。リッカ場所とかは聞いたのか?」
「場所ッスよね、問題ないんスけど・・・結構ヤバい魔物が出るみたいッス」
「ヤバい魔物?」
「はいッス、オーガッス。上位種も出没するらしいッスけど、奴等は群れないからなんとかなると思うッス」
「ご主人様なら大丈夫です」
「オーガか・・・いつもやってる様なやり方、キサマお得意の奇襲ならいけるだろ」
「オーガ・・・俺の知識にあるのはデカい鬼って感じだけどあってるか?」
「さすがご聡明ですね、ご主人様」
「知ってて当たり前だっ」
「当たり前ッス」
アイリスは本当俺を甘やかしてくれる。
今日は新居に戻り、全員とする予定だ。
何より、お風呂がある。お風呂プレイは世界中の男子の夢なんだ。例外はない。
宿を後にして、新居に帰る。
部屋割りなどは後から決める事になり、お風呂の時間だ。リッカの<クリエイトウォーター>で水を張ろうとしたが、<クリエイトウォーター>で出せる水の量はせいぜいタライ2〜3杯分。湯船の広さは8畳の部屋の大きさと同じくらいで深さは70cmぐらいあるので、全然足りない。
どうしようかと思っていると、水の魔石が置いてあり、その隣にも魔石を置く様な装置があった。
「これです、ご主人様。ここに魔石を置くと、水の魔石がただの魔石から魔力を吸い取って水を出すのです」
「普通に魔力を込めても水はでるが、水が溜まる前にキサマが倒れてしまうからあまり勧めはしないぞ」
「温める装置もあるッスね」
「それは使わない。とりあえず水を溜めてくれ。この前の魔石でいいか、コレをセットしてみてくれ」
オークの村の奥にあった大きな家に飾られていた魔石をセットした。これだけ売り忘れていたので丁度良かった。
ミネルヴァが魔石をセットすると、水の魔石から水が溢れてきた。水が溜まると、浮力で浮くフロートみたいなやつがあって魔石はその上に乗っている。水が溜まると魔石を乗せたフロートが浮いて水の魔石とただの魔石が離れ水が止まる仕組みになっているので、このまま放置していいみたいだ。
リッカが料理をするそうで、アイリスとミネルヴァは手伝うみたいだ。
俺はやる事もないので、一階のダイニングの隣の部屋にあったソファに横になった。
「ご主人様・・・ご主人様・・・夕ご飯ができました」
「あぁ・・・ありがとうアイリス。なんかこんなゆっくりしたのは久々だったから眠ってしまった」
アイリスに起こされて、ダイニングに向かうと美味しそうな匂いがしていた。
渡していた素材で出来た料理は、パンと野菜スープ、胡椒が効いたステーキ、それから干し肉と野菜のサラダ。食べる前に風呂を見ると水が溜まっていた。前から考えていた事を試してみる。
「トーチっ!!トーチっ!!トーチっ!!トーチっ!!」
俺の職業の<先導者>はトーチというスキルに関しては消費MP0だ。そしてトーチは熱量を持ち時間がくるまで消えない。トーチはレベルアップして同時に4つまで発動可能。発動時間は25分まで増えている。
それらを全て湯船の中に沈めてみた。
料理を食べ終わって確認してみようと思う。
「まぁ、とにかくいろいろと忙しい毎日だが、みんなこれからもよろしく。では食べるか・・・」
「はい、ご主人様」
「・・・食べるか」
「ッス!」
結論から言うと、リッカの料理は美味かった。メニューは普通なんだが、味付けがしっかりしていて濃い目だ。サラダにかかっているドレッシングはかなりの出来だ。
ご飯を食べ終わってから風呂をみてみると、トーチはもう消えていて、浴槽の水はちょっとぬる目だった。追加のトーチを発動して4人で入ることにした。
俺は先に入り、3人を待つ。灯りとしてトーチを発動、その光に照らされて3人が入ってくる。
最初に入ってきたのは美の女神アイリスだ。恥ずかしそうに大きな胸と下を隠していたが、隠すなと命令し、その身体を凝視する。いつまでも見ていたい程綺麗でいやらしいく女らしい身体だ。掛け湯を教えるとアイリスは従い、湯船に入ってきた。8畳もある風呂なのに、アイリスはピタリと俺の左側に寄り添った。
次に入って来たのはミネルヴァだ。アイリス以上に恥ずかしがっていたが、隠すなと命令する。気が強いミネルヴァが恥ずかしさと、悔しさを同時に表情に表すのがたまらない。引き締まった身体で、腹筋も少し割れている。だが、胸や尻の辺りは女性らしさを失っていない。アイリス程ではないが大きな胸は張りがあることを触らずとも訴えてくる。何よりその浅黒い肌は1番艶めかしく、トーチの光を反射する。アイリスが掛け湯を教えると従い、何故かわからないが、俺の右側にピタリと寄り添った。
最後に入って来たのはリッカだった。
リッカはあまり照れてはいなかったが、肝心な部分は隠していたので腕を退けさせた。
胸の先端の色はピンクで美しい。胸がない訳ではなく、小ぶりで手の平に収まる感じだ。まだ未成熟な身体だが成長途中の色気を感じる。
小さな傷がいくつかあるのは冒険者として苦労して来た証た。
リッカのポジションは俺の前みたいだ。俺の物がリッカの背中に当たる。
浴槽は広いのに4人で固まって浸かるという奇妙な構図になった。
我慢なんて出来る訳がない。
そのまま何度も交わった。




