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チート?いいえトーチです  作者: 取手名
12/62

ダンジョン

素晴らしい朝の目覚めだった。アイリスは俺よりも早く起きていたのだろう。頭を優しく撫でられる感覚で目が覚めた。目の前には薄いピンク色の突起があり、顔全体が柔らかいもので覆われている。息苦しくないような絶妙な覆いかただ。


朝から致したい気分だったが、昨日初めてを奪ったばかりで無理をさせるわけにはいかない。

オリハルコンの精神力で身体を起こした。


「おはようございます。ご主人様」


アイリスは床に座ろうとして、昨日床土下座をやめるように言われた事を思い出したみたいだ。裸なので腕で胸と大事なところを隠し、どうしていいかわからないみたいでオロオロしている。


「今日は冒険者ギルドにいくから準備してくれ」


「はいっ、かしこまりました。ではお召し物を・・・」


どうやら服を着るのを手伝ってくれるみたいだ。服を着た後は装備を着せてもらう。


「そういえば奴隷は冒険者ギルドに登録できるのか?」


「大丈夫です。むしろ奴隷を冒険者として登録する事によって、税金を浮かせるのが一般的です」


なるほど、冒険者の税金は依頼達成の報酬から引かれているんだったな。1人で依頼を受けても複数人で受けても引かれる税金は一律だから、そっちの方が得なのか。


アイリスを冒険者として登録するのはいいけど、こんな美女を連れて行ったら絶対に絡まれる・・・。どうするかな・・。


「アイリス、冒険者ギルドに行くけど、男に絡まれたらすぐに逃げるんだぞ!?」


「はいっ!」


なんだか嬉しそうな返事だな・・・。これはあれか?俺が心配してる事が嬉しいのか?そうじゃなくて、男に絡まれるのが嬉しいのか?それとも俺を置いて逃げる許可を貰えた事が嬉しいのか?もしそうだったら凹んでしまう。


「ご主人様に心配して頂いて嬉しいですっ!」


俺の微妙な顔を見てアイリスが心配ないとばかりにフォローしてくれた。何ていい子やっ!


朝飯を食べてから宿をでてギルドに向かった。

ギルドの扉を開いた瞬間、ギルド内の喧騒が一瞬止んだ。多分アイリスに見とれているのだろう。その後、アイリスに見とれている男冒険者に女冒険者が鉄槌を下す音が数カ所で聞こえた。いい気味だ。俺のアイリスをガン見するからそうなるんだよっ!

受け付けはクールリュさん一択。15分ぐらい並んでやっと順番が回って来た。相変わらずの絶壁と美貌なんだが、アイリスのおかげでクールリュさんが何か普通の人に見える。


「カナメさんですね・・・。今回はどういった・・・」


「えっと、この子・・・アイリスって言うんですけど、俺の奴隷なんですが・・・」


「はいぃ?なっなんですかその塊はっ!!カナメさんが私をいやらしい目で見てたのは知っていましたが、当て付けのようにそんな巨乳エルフを・・・。」


ドロドロとした、怨念みたいなのがクールリュさんの後ろから湧き出ている。


「いやいや確かにエルフ好きだから、クールリュさんを可愛いなとは思っていましたが、いやらしい目では見てないですよ。それに巨乳なのは偶然ですから。それよりアイリスを冒険者として登録してくれませんか?」


「はぁ、わかりました。そういうことにしておきましょう」


クールリュさんは一通り説明して針を刺し、ギルドカードを製作してくれた。

アイリスはギルドカードを見て、呪いがなくなっているのを確認して安心したようだ。まぁ昨日性交渉を致した時点で呪いはもうないと分かってはいた様だが、実際にカードに書いてあるステータスを確認してさらに安心したって感じかな?


「それで、何かオススメ依頼ってありますか?」


「そうですね・・・私個人の感情としては、巨乳は滅殺の方向で行きたいので、この危険なAランクのデスサソリの巣の殲滅をお願いしたいのですが、ギルド嬢としてはそうもいきません。お2人ともGランクですから、この薬草採取あたりがオススメですね。それか、近くのダンジョンに出てくる紅キノコの採取ですね」


「ダンジョンっ!ダンジョンにしますっ!!」


ついカウンターに身を乗り上げてしまい、クールリュさんとの距離が近づいた。アイリスが受け付け嬢だったらテーブルの上に2つの肉塊がたわわに実っていたはずなので問題になったかもしれない。だが、絶壁はテーブルの上には乗らないので問題ないだろう。ダンジョンは男の憧れ、興奮するのは仕方ないんだ。


この依頼は紅キノコ3本で銀貨3枚だが、いくつ持ち帰ってきても良いそうだ。期限は3日で達成出来なくても違約金は発生しないらしい。礼を言ってギルドを後にした。


ダンジョンは街を出て馬車で15分の場所にあった。料金はダンジョン入り口までで銀貨3枚。依頼を達成できてもプラマイ0になってしまう。

だけど、土地勘がないので最初はダンジョンの場所を覚える為だと割り切った。


自由都市ダロンには初級ダンジョンと中級ダンジョンの2つダンジョンがあるらしい。今から入るのはダロン初級ダンジョン、洞窟型で地下に向かっているダンジョンだと御者から聞いた。

紅キノコは比較的浅い階にあるらしいのでさっさと集めたい。


ダンジョンに入ると薄暗い。

ここは俺のトーチがチートな働きをしてくれるに違いない。


「トーチっ!!」


一気にダンジョン内が明るくなった。ダンジョン内は縦横3m〜5m前後になっている。デコボコの岩肌と砂土が堆積した場所をくり抜いた坑道みたいになっている。


「ご主人様っ!それは火魔法ですか?」


「あー、なんて言えばいいのか・・・。ただの灯りを出す魔法だな。火魔法とは違う」


「そうですか・・・」


トーチを15m前にしてダンジョンを進んでいく。左前にアイリス、そして俺というポジションで普通に歩くよりゆっくり進む。

アイリスがピタリと止まり小声で話しかけてくる。


「・・・ご主人様・・・先に見える角を曲がりますと、モンスターがいます。風の感じではスライムが2匹です」


そういえばアイリスは<風読み>って固有能力があったな。スライムか・・・物理が効かないとかあるのかな?


「アイリス、スライムって剣とか効かないって聞いた事があるんだが、どうやって倒すのがいいんだ?」


「剣が効かないスライムがいるのですね・・・私は聞いた事ありませんが・・・。この辺りのスライムはそんなことはないと思います。普通に剣で核を破壊すればいいかと・・・」


「そ、そうか。ガセを掴まされたかも知れない。それじゃあ倒すぞっ」


「はいっ!」


角から少し顔を出して様子を見るとトーチの場所にスライムが近づいていってる。

いまだっ!!目で合図をだし、スライムに斬りかかる。剣の勢いは途中で止まってしまった。アイリスは1匹目の核を細剣で貫き、俺が相手していたスライムの核も同じ様に刺し貫いていた。


「助かった・・・」


「スライムは核を貫くのが簡単に倒すやり方です、ご存知とばかり・・・」


「いや、あまり詳しくなくてな・・。これからは些細なことでも教えてくれ」


「かしこまりました、ご主人様。それでこのスライムですが、周りのスライムゼリーは僅かながらお金になります。壊れた核も売れますので回収しておきますね?」


「大丈夫だ。アイテムボックスに入れておこう」


手をかざしてアイテムボックスを思い浮かべると、スライムゼリーが消えた。そのあと同じ様にスライムの核も消えた。ステータスを開いてアイテムボックスを確認。よしっ、ちゃんと収納されてる。


「・・・」


アイリスが不審者を見るような目で見てくる。


「どうした?」


「いえ、まさかアイテムボックスまでお持ちとは・・・」


「アイテムボックスを持つ者は少ないのか?」


「そうではありません?それなりに居ますが、レアリティの高いスキルを沢山お持ちなので・・・」


「そうだな、いずれ話すから今は依頼に集中するぞっ!」


「はいっ!・・・っ来ます!!前方よりコウモリが1匹ですっ。雷鳴で敵の拘束を・・・スタンボールっ!」


アイリスが詠唱し、スタンボールをコウモリに当てたみたいだ。墜落したコウモリに細剣でトドメを刺していた。


「アイリスは戦闘に慣れてるな、どうしてだ?」


「エルフですので狩は得意です。それに奴隷になってからもたまにダンジョンに入ってましたので・・」


なるほどと納得した。コウモリは羽根が使えるみたいで切り取った・・・アイリスが。

少し進むと・・・あった!赤いキノコ。紅キノコで間違いないだろう。鑑定で確認すると、やはり紅キノコだった。3本まとめて生えている。

意外にあっさり集まったな、もう少し進むか・・。


「アイリス、風読みでキノコの場所は判らないのか?」


「風がもう少し動けばわかりますが、基本動いている者しか・・・」


なら仕方ない、もう少し進みながら探すしかないな。

その後スライムを3匹倒したところでピコンと鳴った。

ステータスを確認すると、アイリスはレベルが変わらず、俺のレベルだけ上がったみたいだ。


カナメ・クロサキ

種族:人族

職業:剣士:Lv2

称号:なし

16歳

レベル:4

HP:450(320)

MP:570(600)

攻撃力:720(450+250+20)

防御力:650(450+200)

素早さ:500(500)

魔力:600(600)

器用さ:450(450)

運:100(100)


<固有能力>


「好転」


<スキル>


トーチ:Lv3(聖火:Lv:1 篝火:Lv1)


回復:Lv2(ヒール:Lv1)


アイテムボックス:Lv2


鑑定:Lv2


翻訳:Lv2


気配遮断:Lv2


<技スキル>


スラッシュ:Lv1


<加護>


女神の加護:Lv10


<獲得可能職業>


幻惑士:Lv1、灯り持ち:Lv1


<獲得可能スキル>




<獲得称号>


性奴隷の主人


リトルハートゴブリンキラー


スキルポイント280


今回はトーチが上がっただけか・・・レベルが上がって距離と持続時間が増えた。篝火Lv1は罠見たいに設置して魔物を集めるらしいが、範囲が狭く使いどころがわからない。集まるまで待つぐらいならダンジョンを進むし、集まったら集まったで危険になるだけだからな。


剣士Lv2になり、僅かに攻撃力が上がっている。スラッシュLv1は剣専用の攻撃スキルだった。


あとは、<獲得可能職業>の灯り持ち:Lv1か、


灯り持ち:Lv1・・・トーチにかかるMPが0になる。またトーチからの派生スキルにかかるMPも3/4になる。


ダンジョン内にいるとトーチは常に使い続ける。その為MPの消費量もバカにならない。これは是非獲得したい。

タップすると、


「セカンドジョブとして設定しますか?」


という表示がでた。俺はNOを押してファーストジョブに灯り持ち、セカンドジョブに剣士を選択した。

ジョブはいくつ設定できるのか試したかったが、スキルポイントに余裕が出来るまで待つことにした。






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