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ナルシストからのお誘い

お久しぶりです。刹那です。

一年以上ぶり、でしょうか?

データがぶっ飛んでやる気が無くなっておりましたが再開致します。相変わらずの亀投稿です、すみません…

「ルナちゃん。ジュリオ殿下からお茶会のお誘いがきてるわよ~!やっぱりルナちゃん可愛いから目をつけられちゃったのね!

ふむふむ…あら、明日なの?ルナちゃんに早く会いたいのは分かるけれど、流石に急すぎるわねぇ…どうするぅ?」


一番 (らく)そうなナルシストバカ王子が自ら来てくれるとは。

ふっ…天も私に味方しているという事ね。

やってやろうじゃないの。ばっちこい!全力で好感度を下げにいってやるわ!


「お母様!そのお茶会のお話、お受け致します。相手は我が国の王太子殿下。お断りすることはできませんもの。それに、明日は特に用事もありませんので!」

「そうねぇ…ルナちゃんがそう言うなら、お受けしておくわね!早速出席のお返事を書かないと…」


「その必要はないぞ。」

というなんとも尊大な声が聞こえた。


…この声はもしかして。

まぁ、もしかしなくてもあの人でしょうね。

と言うかなんでこの人は他人の家に我が物顔でいるんでしょうね!チラッと殿下を通したであろう使用人の顔を見ると、その顔が「殿下が奥様とお嬢様にお伝えする前に入ってしまわれて…」と語っていた。なんならうっすらと涙も貯めている。

…後でハンカチあげよう。


「御機嫌よう、ジュリオ殿下。ご尊顔拝謁 (まみ)えましたこと、恐悦至極に存じますわ。」

「ふふ、よい。確かに私のこの美貌は我が国1番ではあるが…今は女神の前。私の美貌も女神の前では廃れてしまうというものさ…」


…何言ってんだこいつ。美貌美貌煩い。あと女神って誰の事?お母様の事?

「お言葉でございますが殿下。女神とは誰のことを仰っておいでですか?」

「無論貴女の事さ、ルミナス嬢。我が国1番の美貌を持つ私ではあるが、私が男の1番であれば貴女は女性の1番。故に、わたしに釣り合うのは女神である貴女だけなのだ。」


本物の女神に怒られますよ、それ。私を女神と言う意味が分からない。

確かにお母様似の美しい顔立ちで、正直前世の私は羨ましいなぁとは思ったりもしたけども。私より綺麗な人なんて沢山いるわよ。私知ってるんだからね。後宮に女性を沢山連れ込んでハーレム作ってるの。そして私はその中の一つ。ただのコレクションに過ぎないってこと。

そういう理由もあってこいつの正妃にも側室にもなる気は一切ない。そもそもなにかに縛られることが嫌ですもの。自由に好きな人と結婚したいわ。


「女神だなんてそんなこと…殿下のお傍には(わたくし)よりもお美しい女人の皆様がいらっしゃるのに…」

「ッ!?ル、ルミナス嬢。貴女は私が後宮を作っていると知って…」

「嫌ですわ殿下!私、1度も後宮(・・)なんて言っていませんのに。ふふ、お気をつけくださいませね殿下。貴方様は少々、危機感(・・・)が足りないとお見受け致します。今回は私が相手でしたので大丈夫でしたが…いつ、如何なる時でもご自身の身を護るのは、最終的には殿下ご自身である事をお忘れなく。」


要するに「あんたは馬鹿なんだからしっかり危機感くらい持ちなさいよ、勘違いお馬鹿さん。」って意味ね。

流石に意味ぐらい汲み取れたでしょう。私が殿下を馬鹿にしているってこととかね。

ふっふっふ、これで好感度はだだ下がりな筈よ!


「…よ…うな……は…だ…」


ん?なんて?


「キミのような女性は初めてだ!ルミナス嬢!心から私を思い、私を案じてくれるとは。やはり女神とはキミの事を言うのだろうな!」


…はぁ?何言ってんだこいつ (本日2度目)

キレていい?ねぇ馬鹿なの?そうね馬鹿だったわね!?えぇ!ホントにもう!救えないわよ!


「キミと私は正しく運命!出会う事は必然であり、神がお決めになったものだろう!ならば当然、結ばれなければなるまいて。…そうだ!キミが私と共に王宮に来るのならば、後宮は解散させよう!私は一生、貴女だけを愛すると誓うよ、ルミナス嬢。」

と言って特大のウィンクしてくる大変おつむがめでたい我が国の王位継承権第1位の王太子。


こんなのが王国の王子だなんてこの国も終わりねぇ…

と、人事のように意識を飛ばしていると


「ふふ、殿下がルナちゃんを見初められるのは時間の問題だとは思っていましたけれど…こんなにお早くなるとは。…想定外ね。」

お母様の最後の一言は近くにいた私と使用人位だろうか。なんとも言えない空気を纏っている。お母様も私と同じようにこの王子の勘違い加減に呆れているのだろう。


「おお!これはこれはカルラ殿!いや、未来のお義母様、とでも言うべきであろうな。失礼、長々とお嬢さんとお話してしまった。」

「それは構いませんのよ殿下。」

間髪入れずにそう言ってにっこり微笑んだお母様。

これは…うん、相当キてるわね


「ただ…(わたくし)の可愛い可愛い愛娘(まなむすめ)を殿下の元へお渡しするわけにはいきませんわ。」

「な、なんですと…?それは、何故…」

「あら、はっきり言わなければ分かりませんの?それは殿下が私の愛娘に"釣り合わないから"ですわ。」

「…へ?わ、私が釣り合わない、ですと?ルミナス嬢が、ではなく…私、が…?」

「そもそもそういう思考回路かつ結論になるのがおかしいのです。自分が正しいと言う考えしか頭にない。殿下はもう1度、ご教育を受けては如何です?」

「おかあさまのいうとーりです!おうじさまにあねうえはわたせません!」


びっくりしたぁ!ライド、貴方いつから居たの。

「えへへ、こんにちはあねうえ!えーっと、おちゃかいのおはなしをおうけいたします、からです!」

割と初めの方からじゃないの。気づかなかった…


「ということですので殿下。お引き取りくださいませ。さ、殿下をお連れして頂戴。」


最後にお母様がそう締め括り、踵を返そうとしたその時。


「カルラ殿!待て!…いや!待って、下さい。」

先程までぽかんとしていた殿下がお母様を引き止めている。お母様の覇気に完全に心折れてると思ったんだけど…意外と強いのね。密かにこの国ももうちょい大丈夫かな、とか思ってしまった。


「…確かに私は間違えてしまっていたかもしれない。この国の王子だからといって横柄な態度をとってしまったことを謝罪する。すまない。」


…あらぁ〜。あの殿下が謝ってる。普段絶対謝らないのに。一体彼の身に何が怒ったのだろうか。


「私は真剣に、ルミナス嬢を我が妃にと心から望んでいる。それに、ここまで誰かに自分の非を責められたのは初めてでな…なかなかに、燃える。」


えっ。真剣だったの!?色々話を作って盛って私をコレクションの1つにしたいだけかと思ってた。後宮解散の話なんてこれっぽっちも信じてなかったし。

あと燃えるって何。貶されたら燃えるタイプの人なの?ナルシストでフェミニストで貶されたら燃えるって、ねぇ?

相当面倒な人なんじゃなかろうか。

今更だけど改めて自分の状況に嫌気がさしてきた。


「今日のところはこの辺で退散するとしよう。

…ルミナス嬢。」

「はい、殿下。」

「私はキミの為に変わってみせる。キミが我が妻となり、私がこの国の王になった時、心から「この国の王の妻になって良かった」と、そう言えるような王になる。だから、私の事をよく見ていて欲しい。」

「妻になるならないは兎も角…

承知致しましたわ、殿下。殿下がご成長されるお姿、しかと見守らせて頂きます。」

「ああ、有難う。では、また。」


そう言い今度はお母様に追い出されることなく自分の足でディクテイタ家から出ていかれた。

こうして私は、ナルシスト王子好感度だだ下げ作戦は失敗に終わってしまった。寧ろやる気を出させてしまった。


「ごめんなさいねぇ、ルナちゃん。ママ、失敗しちゃったわぁ…」

「いいのですよ、お母様。殿下があんなにタフな御方だと見抜けなかった私の落ち度に御座います。好感度だだ下げ作戦は失敗に終わりましたが、まだまだこれからが勝負でしてよ。」

「ふふ、そうねぇ。可愛い娘の為にも、もっと頑張らなくっちゃ!ルナちゃんには好きな人と結婚して欲しいもの!」

「お母様…ありがとうございます!ルナも頑張ります!」

「じゃあ、あねうえはぼくとけっこんしてください!」


あ、そういやライド居たわね。ちょっとしか喋らなかったから忘れてた。

そうは言われてもねぇ。姉弟(きょうだい)で結婚なんて出来ないし、そもそも弟をそういう目で見る訳ないし…

この子は結婚の意味を分かってるのかしら?仮にわたしのことが好きだったとしてもそれはきっと敬愛ね。


「ダメよライド?お姉さまを困らせちゃ。姉弟はね、結婚できないの。」

「そうよライド。貴方の気持ちは嬉しいけれど、仕方が無いもの。」

「…むすっ」


拗ねたであろう弟は、走りながら部屋から出ていった。お父様に泣きつきに行ったのだろう。

なんか私の方が罪悪感がすごい…


とにかく!相手はきっと王子だけでは無い。

シナリオ通りならまだ攻略対象は3人いる。

今回は失敗したけれど、次からは頑張ろうと決めたルミナスだった。

語彙がないです。分けてください。


追記

ちなみにカルラは頭が良いのでルミナスの意図をしっかり汲み取る事ができます。有能。

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