不安
清水さんは三駅で降りて、僕と西村さんは、乗り換えたあとは合流した。
「清水さん、なんだって?」
「友チョコもらったの」
西村さんは笑って言った。
「あのさ」
「うん」
「受験終わったら、二人で出かけよう」
今回は僕が言った。
あの頃、受験が終わって、彼女がメールしてきてくれたこと。
「そうだね。最後だもんね」
「最後かな。一緒に関西行くんじゃなかったの」
「行けるかな。不安なんだよね」
「大丈夫だよ」
そうだ。大丈夫だ。僕は知っている。西村さんは合格する。落ちるとしたら僕だけだが、僕も今回は━━。
「根拠は?」
「そんなの……ないけど。でも……」
僕の横で西村さんは、クスクス笑っている。
「ありがとう。前川くんが言うなら、大丈夫って思っとく」
「僕も頑張るし」
「うん」
僕の降りる駅に着いて、「じゃあ、また」と言って別れた。
でも、西村さんは、次の日から学校に来なくなった。
「熱が出たので、下がるまで休みます」とだけメールが来た。
次にいつ会えるかわからなくて、僕は毎日登校した。
でも、入試の二日前まで、彼女は一度も来なかった。
前日は僕も移動があり、学校には行かず、一人で新幹線に乗る。
ホームに彼女の姿を探す。もちろんいない。偶然同じ新幹線に、ということを少しだけ期待したけれど。
席に着いて、「明日、頑張ろうね」とメールを送る。ホテルに着くまで返事がない。
彼女は本当に、試験を受けに行っているのだろうか。
そんな不安がよぎったときに、携帯電話が震えた。




