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現在の昨日
2017年7月7日。
出張で大阪に来ていた。大阪には〝あの子〟がいるのだ。
出張が決まってすぐ、彼女に連絡した。仕事後、食事でもどうかと。
仕事が18時に終わり、梅田に来られるのは19時頃だというので、19時に待ち合わせて地下街へ。
「ほんと、珍しいこともあるもんね。前川くんから連絡なんて」
「まあ、大阪に知り合いなんて西村さんくらいしかいないから」
「……嬉しかった」
西村さんは、6年前と変わらない笑顔で言った。
「でもね、わたし今、大阪じゃないって言ったよね?」
「京都だっけ?」
「そう!地味に遠い!」
「でもこの間、松本と大阪で飲んだだろ?僕のために出てこないはずがない」
かつて僕に想いを寄せていたという彼女を前に、僕は少し強気に出た。
「うるさいなー。あんた、言うようになったね」
「西村さんは少し訛ってるよ」
関西のイントネーションで話す西村さんをからかう。
高校生の頃にすっと戻れた。昔から妙に大人びていた西村さんは、6年たってもあまり変わらない。
少しお酒も入り、思い出話にも花が咲く。
「前川くんに2回も振られたこと、一生忘れへんわ」
「僕も忘れないだろうな」
「なんで」
お酒の力を借りて、僕は言ってしまった。
「今ちょっと、後悔してる」




