表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/31

最後に西村さんに会ったのは、大学4年生の夏だった。

たまたま帰省のタイミングが合って、F駅でご飯を食べた。二人ともお金がないからファミレスだった。

「来年の居所決まったの?」

彼女が言う。

「決まったよ、東京で銀行員」

「あー、ぽいわ。じゃあ来年には奢ってもらおう」

「え、西村さんは?」

パスタを食べる手を止める。頬張っていた一口を飲み込むと、西村さんは答えた。

「内定、ないねん」

4年弱関西にいる西村さんは、時々関西弁のようなものを話す。

「あー、そうなんだ」

僕はかける言葉もなくて、それだけ言った。

悩んでいたり、苦しんでいたりするものだと思ったけれど、次の瞬間には彼女は笑顔だった。

「でもね、一つうまくいってるところがあるんよ」

聞けば、ある劇場の企画スタッフの選考の最終まで行ったという。

「舞台が好きだからさ、舞台の近くにいたいんだよね」

「へえ、それはすごい」

「あ、でも、初任給めっちゃ安いの。だから来年奢ってもらうのは確定ね」

このとき、彼女ならうまくいくと思っていた僕がいた。

一ヶ月後、一言だけ連絡が来て、その翌月には、京都で働くと連絡があった。

翌年に僕が食事を奢ることは、なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ