表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏、風鈴と君の髪。  作者: 詩乃
1/3

図書委員の君

ひと夏の恋、とかよく聞くけど。

そんなんじゃなかった。

もっともっと燃え上がって、もっともっとあつくて、

きっと。

もっともっと、苦しかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――


蝉の声が煩い。

耳に粘りつくような蒸し暑さに思わずアイスを買って、目的地に向かって足を進める。


八月。


今年の夏は例年以上に暑いとか言われているわけでもない。

毎年きっと、このくらい暑いんだろうなぁ。

だけど、僕は毎年のように「今年が一番暑い」といって、アイスを買って、

毎年のように「煩い」と蝉に文句を言って、

そう言って過ごしてきたのだと思う。


「こんにちはー」


たどり着いた終点のドアをガラッと勢いよく開けると、冷気。

エアコンが効いているからなのか、ありがたい。


「こんにちは。毎日毎日よく暑い中来ますよねぇ」

「そちらこそ」


受付の椅子に座る猫毛の髪がひょこんと揺れる。

それを見つけると、自然と笑顔になっている自分に気づく。


「いつもお疲れ様です、瑞希さん」


声をかけると僕の大好きな髪の毛がまた一つ、ひょこんとお辞儀した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ