ルール 後編
私は次のページを捲る。
『戦線離脱について。
戦闘員は所持ポイントが三ポイント与えられる。所持ポイントがゼロになった場合戦線離脱となる。戦線離脱すれば戦争に参加できなくなる。ポイントは一勝するごとに一ポイント回復される。』
次のページにも目を移す。
『勝利条件について。
一 四日目までに敵軍の脱落者を三名出す。
二.敵軍の指揮官が戦線離脱する。
三.期間内のトータル勝利数が敵軍を上回っている。
以上三つの条件の内一つの条件をクリアした小隊が勝者となる。敗者は二億円を支払わなければならない。』
ルールを整理した。
「五日間の戦争で勝数が多い方が勝ち。敗者は借金一億円。第一条件の仲間が後二人集まれなければ負け。」
黒崎は溜息を吐く。
「仲間が後二人いなければ負け。」
私は溜息の意味が分かる。彼女は友達が少ない。友達は私を含めて三人しかいない。三人いればいいと思うが残りの二人は研修旅行に出かけている。一週間は帰ってこない友達を頼る訳にはいかない。残りは私の友達。残りの仲間二人は私の友達の中から選ぶ。これを結論にして私たちは寝ることにした。私は彼女の父親の寝室で寝る。ビールと煙草の匂いがする。そういえば彼女の父親はヘビースモーカーだった。臭いと思いながら寝る。