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現実世界
長いらせん階段を抜けると現実世界に帰ってきた。
十時間しか経過していないはずなのに照明が眩しく感じた。
リビングで宮本さんはコーヒーを飲んでいた。机の上にはパソコンが置いてある。
「戻ってきましたか。後二時間三十分で対戦相手が発表されます。修行の成果はありましたか。」
全員がこの質問に頷いた。宮本さんは全員の目を見る。
「強くなったようです。では作戦を発表します。今日の午前六時三十分から対戦相手が発表されます。有利に戦争を進めるために今日は試合放棄します。私は対戦相手とコンタクトをとって見ます。情報が集まったら報告しますよ。それではおやすみなさい。」
急に眠くなってきた。これから一日仮死状態になるらしい。左右を見ると黒崎と熊田がうつ伏せで倒れている。その前にどうしても質問がしたかった。
「宮本さん。あなたは殺人犯ではありませんよね。」
私はそう言うとうつ伏せに倒れた。
これが仮死状態。もしかしたら本当に死ぬのかも知れない。あんなことを聞いたから。口封じ。
蒲団が掛るような感触を感じて私は意識を失った。




