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サバイバルゲーム 6
「グー。」
グー。ジャンケン。まさかのジャンケン。ありえない。門番との戦闘は大事なイベントなはず。それをジャンケンで終わらせようとするゲームなんて存在する訳がない。そうだ。これはジャンケンではない。ジャンケンをモチーフにした門番の必殺技に違いない。
「ジャンケンポン。」
私は目を開けた。痛みや衝撃も感じなかったからだ。門番の手はパーになっている。
一方私の手はグーになっていた。
「俺の勝ちだ。」
門番は神殿に繋がる長い階段を上る。六段だけ。
ジャンケン。階段。これは私の予想の裏の裏をかいた。ただのジャンケンではない。これはグリコという遊びだ。
ふざけている。神殿を守る門番が神殿へと繋がる階段を使ってグリコで遊ぶ。なにがしたいのだ。怒りをぶつけて連戦連勝した。
こうして私は神殿に辿りついた。このゲームは無茶苦茶すぎる。あれはミニゲームのつもりだったのだろうか。怒りを抑えて神殿の中に入った。




