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選択ゲーム 4
「答えは左。」
私は右のカードを捲ってみた。これはダイヤのエースだ。
この問題は右か左という選択をするもの。あのおじいさんは左手にカードを持っていたから左利きだろう。大切なカードは左に置くだろうという推理が当たった。
モニターにメッセージが表示される。
『予想的中おめでとう。では選択を変更しますか。』
私は迷わずYesの方をタッチした。すると左側のドアのランプが赤から青に変わった。私はドアを開けて次の部屋に向かう。長い廊下が続いている。二分くらい歩くと第三の部屋のドアを見つけた。そのドアを見た私は驚いた。第二の部屋のドアとは違ったからだ。第二の部屋のドアは、普通の鉄製のドアだった。しかしこのドアは輝いている。これが黄金の部屋のドアなのか。いきなり黄金の部屋に来てしまった。後戻りはできない。独学の心理学だけで第二の部屋を突破した私に難問が解けるのだろうか。不安でならない。
この時の私は知らなかった。選択ゲームの恐ろしさを。




