仮想空間
翌日の五時間目。私は久しぶりに授業中寝た。昨日のことを考えていて一睡もしていないからだ。昨日宮本さんが言ったことを忘れることができなかった。
昨日の夜宮本さんは必勝法を伝えた。
「これから修行をしてもらいます。この修行で必殺技を会得してもらいます。」
熊田は質問した。
「必殺技を短期間で会得できるのですか。」
「不可能でしょう。そのために修行部屋があります。」
宮本さんは本棚を指差した。
「あの本棚は修行部屋へと繋がっています。修行部屋は不思議なことに時間軸のズレがあります。」
宮本さんは時計を指差した。
「こちらで一分は三日の価値があります。こちらの時計で十時間あの部屋で修行したとしたら約二年修行したことになります。二年あれば必殺技を会得することは可能でしょう。」
二年間あれば必殺技の一つや二つは会得できる。利にかなっている考えだ。しかし宮本さんは問題点を指摘する。
「ただしこの修行にはデメリットがあります。まず滞在時間はこちらの時計で最高十二時間まで。そうしなければ急速に老化して死亡します。適切な滞在時間を守ったとしても多少は老化します。現代の医学で若さを復活できますので深刻に考える必要はありません。修行修了から二十四時間は仮死状態になります。二十四時間が過ぎれば復活しますから安心してください。」
椅子に座っていた宮本さんは立ち上がる。
「最後に確認させてください。この修行をすれば一日目の戦争を放棄することになります。答えは明日聞かせてください。」




