数字
三十分後食事が終わった。そのタイミングで宮本は呼びかけた。
「これから地方戦争の真実を話します。その前に場所を変えませんか。自宅に案内しますよ。」
宮本に促されて私たちは自宅に行った。ここは一軒家だ。鍵を開けると彼女はリビングに案内した。私がソファーに座ると彼女は話を始めた。
「まずは第一次地方戦争について話しましょうか。最初にカミングアウトすると、私は第一次地方戦争の優勝者の一人です。このゲームを理解するために数字を掲示します。三億分の一。この数字が何を示しているか分かりますか。」
私は手を挙げて発言する。
「一人の参加者が優勝する確率ですか。」
すると宮本は大笑いした。
「三億人も参加者はいません。凡人が勝利する確率です。回が進むにつれてどんどん強いプレイヤーが現れます。ただの凡人は一回戦で敗退すると思った方がいいでしょう。」
そして黒崎は質問した。
「このゲームの目的は何ですか。」
「不明です。諸説あります。第一次地方戦争が開催されたのが1999年であることから恐怖の大王を倒すためという説もありました。最強の超人を決めることが目的であるという説が有力でしょう。まあ優勝すれば真実が明かされると思って参加したのに明かされることはありませんでした。」
宮本は一呼吸おいて話を続ける。
「では試験を始めましょうか。三億分の一の賭けをしたくはありませんから。ルールは地方戦争のルールと同じ。三対一のチーム戦で対戦方法はあなたたちに任せる。先に二勝した方が勝ち。」
いきなりの模擬戦。私は知らなかった。地方戦争は恐ろしいゲームだということを。




