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ねくら  作者: 名無しの
其の① 狂実少年と現実少女
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自称窓際図書委員

 


 一時間目の授業は英語一だった。そして、僕のクラスの担任は英語教師である。

 よって、ホームルームが終わると誰も願ってもないのにすぐに授業に突入した。

 僕の通う学校は少し変わっていて、夏休みが終了して最初の登校日に喚起力ゼロの蒸し風呂の様な体育館に強制的に集められ校長の有り難い訓示を聞く習慣はなく、素晴らしい作詞・作曲の校歌を歌うというインディアンみたいな儀式も強制されない。おまけに堅苦しい頭髪チェックやら持ち物検査もないという比較的自由な校風だった。だったら、茶髪じゃなくて髪の色が金髪や銀髪はてはピンク髪そしてレインボォウな生徒が居てもいいじゃないかと思ったのだが、残念ながらこの学校には僕を含めてそんな大層な度胸を持つ者は居ない。誠に残念遺憾の極みである。いや、ホントに。

「霧埼、次の文を略してみろ」

 英語教師兼担任(♂)が妙に高いかなきり声で僕を指名してきた。

「……………」

 え、面倒くさい?

 いやいや、僕は自称窓際図書委員ですよ。

 それはどうでもいいとして。

 僕がもし歌舞伎町辺りの売れっ子ホストだったら「御指名ありがとうございます、マドモワゼェル。今夜もドンペリピンクぅお願いシャッすぅーーーー!!!」

 なんて言った可能性が微少にもあったかもしれない。けど、あいにく僕は善良な高校生なんで……。

 寝たフリを決め込む。

「なんだ、霧埼はまた居眠りか、誰か起こしてやれ」

「「「…………」」」

 前方後方右斜め両方向の生徒の皆さんは、誰一人として、反応を示さない。

 ……全く、皆、恥ずかしがり屋さんだなぁ。

「………あ~、じゃあ牛島、お前が訳せ」

「え~俺っすか? え~と彼女は――」

 なんか、サラッと僕のドキドキ偽装就寝が流された様な気がする。

 なんか……得した? と、あくまで、前向きに物事を捉えてみる。

 人生前向きに物事を考えないとやって生けませんな。

 特に、僕みたなヤツはそうだと思う。

 まぁいつも全然前向きじゃないけど、というか地面に恋焦がれて生きているけど。

 せっかく嘘寝したのに起きるのも何か勿体ない気がしたので、とりあえず、残りの時間は人間の生活で欠かす事の出来ない貴重な睡眠時間に当てる事にしよう。願わくばレム睡眠位にはもっていきたいものである………。

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