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ねくら  作者: 名無しの
其の② 消極少年と自殺少女
41/43

うぉっほぉぉっいーたぁーのしぃーなぁー(棒読)


「……お前、ここに越してきたばっかりだし、学校の奴らはあんまりここ、来ないし」


 隠れているのか?


「君は、良くここに来るの?」


「……たまに、来る」


 何処に隠れているんだ?


 周囲を挙動不審に見回してみるが、彼らを見つける事が出来ない。


「………ねぇ、さっきから黒い物体がちらちらと私の視界に入ってくるんだけど、まさか………あれって、幽霊?」


 少女が僅かに声音を下げ、僕の肩を叩いた。


「どこ?」


「ほら、あそこ」


 少女がすっかりと錆び付いて、触れると自分の手が鉄臭くなってしまいそうなドラム缶を指差す。


「何も見えないけど」


「ありゃ? ……いなくなった」


「………」


 僕は無言でドラム缶に向かって歩を進める。


 すると、ドラム缶の影から(過去にここで働いていた人の所持品であろう)ヘルメットが、そのふちを地面にずりずりと引きずりながら、僕らの方へとひどく緩慢な速度で接近してきた。


 それを見て、僕は歩みを止めた。


「……なにあれ、ヘルメットがなんで? まさか、これが幽霊?」


 少女の声は、意外にというか、冷静だった。


「ここにいたのか」


「みゃー」という間の抜けた鳴き声。


 ヘルメットの中からは何とも拍子抜けな声が聞こえてきた。


 しゃがみ込みヘルメットを持ち上げると、中には鼻先から尻尾まで全身真っ黒な子猫が三人いた。


 なんだ、ちゃんと居るじゃないか………。



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