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ソリオンのハガネ  作者: 伊那 遊
プロローグ
2/75

 0 異世界


 異世界ソリオン。

 そこは剣と魔法が支配する大陸で、怪物じみた魔物も多数住まうという。



 初めての帰還者が現れたのは二十年ほど前の事だ。

 彼が語った話はまともに取り合われず、記憶の錯乱として片付けられたととある精神科医のカルテに記述が残っている。ニュースにもならなかった事件とも呼べぬ一件だが、それが日本という国が異なる世界の存在を感じ取った最初であるようだ。

 これ以降、同じような現象は起き続けた。最初の彼と同じく、かつて行方不明となり消息を絶っていた日本人が、時をおいて帰ってくるという出来事が少しずつ頻発するようになる。帰ってきた者達は口を揃えて、「ここではない知らない世界」にいたというのだ。メディアは神隠しだと騒ぎたて、週刊誌は彼らの語る異世界の様子を面白おかしく書き連ねた。


 当時の価値観ではそれは冗談のような話だった。

 地球外といった概念とは根本的に違う、物理的な距離にはない場所。異世界としか呼びようのない空間がどこかに存在しているなど、子供の作り話以下だと断じる声も多く出たという。

 結論から言えば、それは確かに存在していた。

 それからも時と共に帰還者は増え続け、これまで日本でも毎年出ていた行方不明者のうち、一部はどうやら異世界に入り込んでいたようだと判明していく。

 六年前にはとうとう異世界人の存在も確認された。向こう側の住人、異世界ソリオンの技術者が世界の壁を越えてやって来たのだ。

 両世界の間にはなんらかの欠陥的構造があり、何かの拍子にこちらから向こうの世界へと落ちてしまう人が昔からいた事。その逆は自然発生せず、だから地球の側では異世界の存在が察知できなかった事。世界の壁を破る研究が向こうの世界で進むにつれ、帰還できる者が最近になって現れだした事。様々な事が分かっていった。

 日本政府は行方不明者帰還のためと研究の支援を確約し、これにより正式に異世界の存在が認められた。


 そして、三年前。

 それまで一握りの個人、それも一部の異世界人のみが自由に行き来できた異世界と地球との間に、持続する世界間トンネル『門』が開通したのである。


 こうして地球の国日本と異世界ソリオンの王国セイランは、世界を超えて国交を結ぶに至ったのだ。


 異世界モノです。主人公無双系、ハーレム物といった性格の作品にしていく予定ですので、それらの要素、あるいはご都合主義など苦手な方はご注意下さい。



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