02:どう見てもモブです本当にありがとうございました
話は数カ月前に戻る。
コロニレス王国、王都にあるグリーンフィールド家の小さなタウンハウス。
4月からの魔法学園入学に備えて少し早く祖父と王都にやってきた孫娘二人は、夢の都会暮らしにはしゃいで王都中を観光し、二人揃って熱を出した。
三日三晩寝込んで、ある事を思い出した。
―――日本の事、おそらくそこそこの歳まで生きて(独身のまま)死んだ事。
四日目。熱が下がってようやく顔を合わせた日、互いの目を見て更に思い出して、理解した。
自分たちが所謂オタク女子だった事。
そして目の前にいる従姉妹こそ、長年のオタク友達、親友だった事。
「マリエ⋯⋯じゃなかったマリィが一緒で本当に良かった」
「私こそケイトが一緒で良かったわ。それにしてもケイコがお姉ちゃんだったらいいのにって何度も冗談では話してたけど本当になるなんてね」
「姉妹じゃなくて従姉妹だけどね」
二人でそっくりの顔を突き合わせて何度も状況を話し合った。
二人とも前世の記憶はおぼろげだった。
名前と、乙女ゲームや恋愛小説が好きだったこと。
覚えているのは、それくらい。
そして現在、私たちの名前はマリィ・グリーンフィールドとケイト・グリーンフィールド。
この国の地方貴族の娘。
お互いの母親が双子のため、まるで姉妹のようにそっくりの見た目をしている。
そう、見た目の話といえば。
前世の私たちははっきり言ってモブだった。
よくいるタイプの地味なオタク女子。
そして転生した今世、それはもう美少女に⋯⋯ならなかった。
可愛くない訳ではない。
母親に似た明るい茶色の髪はサラサラふわふわで、深緑の瞳も前世よりぱっちりしている。
しかし、どう見ても地味。
どうあがいても完全にモブであった。




