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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第1章 ネコ戦士、降臨する

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9/20

1-9 ネコ戦士、ベリーの実の秘密を知る

私はベッドで少し休んだ後目覚めたんだけど、まだ村の人たちはわいわい騒いでいるようだった。

ツラーオの焼き鳥モドキを食べてるとやっぱりお酒が欲しくなったのか、村の大人たちはお酒を飲んでいた。

私はみんなの近くに歩いて行って、

「…飲みすぎはダメにゃ」

と、ぼそっと言った。

そしたら

「わ、わかってるよー」

八百屋のおばさんが慌てたように言った。

多分私が何も言わなかったら、きっとまたたくさん飲んだんだろうな…

呆れながら歩いて行くと、ハタチぐらいの若い女の子たちが群がってる所があった。

鍛冶屋のおじさんの店だ。

「何してるにゃ?」

と私が尋ねると、

「いや、モモちゃんのバッグがうらやましいって言われてよぉ。今必死でバッグを作ってんだよ…」

鍛冶屋のおじさんは、うんざりした顔でそう答えた。

「私のは鍛冶屋さんの試作品だったにゃ。試作品じゃないなら、いくらで作ってあげるにゃ?」

私の言葉に女の子たちは、はっとした顔をした。

「材料は私が取ってきたけど、加工賃は別にゃろ?」

私が続けてそう言うと、鍛冶屋のおじさんは

「そうだな…千ジロぐれーか?」

と言った。

「千ジロは高いわよ、ケンさん!」

「そうよ!せめて八百ジロ!」

「いや、六百ジロだわ!」

女の子たちの値切りが始まった中、私は初めて鍛冶屋のおじさんの名前を知った。

…いいかげん村の人たちの名前、覚えなきゃだわ…


私はまた八百屋のおばさんの所に行って、

「おばさんの名前はなんていうのにゃ?」

と聞いてみた。

おばさんは、にっと笑って

「あたしはバーサだよ、モモちゃん」

と言ってくれた。

そうだ、あのベリーの実のお礼を言わなきゃ…と私は思った。

「バーサさん、ベリーの実ありがとにゃ。すごく助かったにゃ」

私がそう言うと、バーサさんは

「ん?ベリーの実はネコ戦士にはどんな効果があったんだい?」

と聞いてきた。

なので私は

「ツラーオの群れを倒した後、疲れて動けなくなったのにゃ。でもベリーの実を食べたらすごい力が湧いてきて、ツラーオ二頭かついで走れるようになったにゃ!」

と、あの時のことを説明した。

バーサさんは不思議そうな顔をして

「そんな力があったんだねぇ…ネコ戦士なんて大昔の伝説の存在だからさ、ベリーの実にどんな効果があるのかなんて知らなかったよ」

と言った。

「バーサさんはベリーの実を食べても力出ないにゃ?」

と聞いてみると、

「あたしらには普通のおいしいだけの果物だよ。力が出るなんてことはないよ」

バーサさんはそう言った。

ますますナゾだ。


私はベリーの実のことを思い出してみた。

ベリーの実は赤紫色の堅い皮に覆われてるけど、中は柔らかい黄緑色の実で、黒い小さな種が円を描くようにたくさん入ってた。

味は前世の果物で言えば、キウイに近いような気がした。

ん?

キウイ???

キウイって確か、マタタビの仲間だったはず。

うちの庭のキウイの木の枝を切ってたら野良ネコが集まってきて、地面に落ちたキウイの枝の上でごろごろしては体をキウイの枝にこすりつけたりして、それを見て家族みんなで驚いて笑ってたっけ…

あっ…

そういうことだったのか…

この世界でのベリーの実は、前世のキウイ…つまりマタタビの仲間で、だからネコ戦士にだけ特別な効果があるってことなんだ。

まあ前世でのマタタビはネコにとってはお酒みたいなもので、ヒトがお酒に酔うように酔っ払ったみたいになるとかってテレビで見た記憶があるから、ネコ戦士にとってのベリーの実の効果は、ちょっと…だいぶ違うかもしれないけど…

それでもなんでもすごい効果だったなー…と、私がうんうんと一人でうなずいていると、

「モモちゃん、どうしたんだい?」

バーサさんが聞いてきた。

「ベリーの実が、なんでネコ戦士以外には効果がないのかがわかったのにゃ」

私がそう答えると、バーサさんは

「わかったのかい?!なんでなんだい?!」

と予想外と言えるぐらいに食いついてきた。

だけど私は

「ネコ戦士の秘密にゃ」

と、ネコの手の人差し指に当たる指を口の前に立てて、バーサさんに向かって笑った。

バーサさんはベリーの実の秘密について知りたそうだったけど、そんなの知らなくてもいいよね…と私は思った。

ネコにマタタビ効果なんて、ネコ戦士だけが知っていればいい秘密だよねぇ…

 

これで第1章終わりです~。明日…新年初日から第2章開始です。というわけで、良いお年を~!!

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