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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第1章 ネコ戦士、降臨する

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1-8 ネコ戦士、ツラーオの群れと戦う

もぐもぐとツラーオの焼き鳥モドキを食べていたギルド長の所に行って、私は

「ツラーオ討伐のご依頼、正式にお受けしますにゃ」

と言った。

ギルド長はごくんと肉を飲み込んでから、

「う、うむ。では明日からでも取り掛かってくれたまえ」

とうなずいた。

「しかし…ツラーオの肉がこんなにもうまいとは…」

ギルド長がつぶやいたので、

「皮も使えるのにゃ!鍛冶屋さんがバッグ作ってくれるって言ったにゃ!」

私はそう言って両前脚を腰に当てて、ちょっと偉そうなポーズをとってみた。

「ほお…村の特産品になるかもしれんなぁ…」

いつの間にか村長が近くに来ていて、そう言った。

厄介者のツラーオで村が豊かになるなら、ツラーオ討伐は何としてでも成功させなきゃ。

「頑張っていっぱい倒してくるにゃ!」

私は右前脚を高く上げて、気合いを入れた。


ギルド長は依頼の成果を見届けるため、私の仕事が終わるまで村長の家に滞在することになっていた。

翌朝いつも通りに防具と武器を身に着けて私が家から出ると、ギルド長はもう、私の家の外で待っていた。

「ネコ戦士殿なら心配はあるまいが…重々気をつけられよ」

ギルド長の言葉に、

「わかりましたにゃ」

と返事をして、私はいつも通り村を回って、焼き肉やリンゴとかの食べ物をもらっていた。

すると鍛冶屋のおじさんが

「おーい、バッグできたぞー!」

と、鍛冶屋の店の前からおいでおいでと手招きしてくれた。

私が四つ足で走って行くと、おじさんはクロコダイル調の角丸の四角い小さめのバッグにベルトが着いたものを渡してくれた。

ベルトを腰に巻いて、バッグ部分はウエストに…つまりウエストポーチだ。

バッグの口にはフタがついてて、スナップボタンみたいなので留められるようになっていた。

「果物や干し肉ぐらいなら入るだろ?弁当入れてけよ」

おじさんがにかっと笑った。

そういえば初日に八百屋のおばさんがくれたベリーの実もまだあったっけ。

ネコ戦士には、特別な効果があるらしいとかなんとかの。

「ありがとにゃ!果物入れてくにゃ!」

私はおじさんにお礼を言って、ウエストポーチを身に着けて、ベリーの実を入れた。

そして前日と同じく、カールさんに荷台を引いてってもらって、村の東門から外に出た。

「昨日も言ったけど、カールさんはここで待ってて、危なくなったら村に逃げてにゃ」

カールさんにそう言い残して、私はまた、なだらかな長い坂を登った。

ツラーオを倒すために。


昨日と同じ丘の上に、ツラーオはいた。

でも昨日は一頭だったのが、今日は三頭いる。

私はまた風下から近づいて、まずは一頭の足を切って倒し、頭を殴って仕留めた。

すると、それに気づいたツラーオ二頭が走ってきた。

…と思ったら、ツラーオたちは倒れたツラーオを食べ始めた。

そうだった、こいつら肉食だった…てか、仲間を食べるなよ…

「肉も皮も食べちゃダメにゃ!!」

村にとって大切な資源を奪われそうだったので、私は怒ってツラーオたちを殴りまくって倒した。

倒したのを一頭ずつ運ぼうと思っていたら、ぱきりぱきりと枝を踏むような足音がした。

また二頭、ツラーオが現れた。

そしてまたそいつらは、倒れた仲間を食べようとしていた。

「食べちゃダメにゃーっ!!」

私はまた、ツラーオたちを倒しまくった。

そしたらまた、ツラーオたちが三頭やってきて、倒れた仲間を食べようとした。

「食べるなって言ってるにゃーっっ!!」

またツラーオを倒しまくって…という繰り返しで、いつの間にか私は二十頭以上のツラーオを倒していた。

もう他のツラーオが来る気配はない。

でも、私の体は疲れ果てていて、草の上に大の字になったまま、もう動けそうになかった。

カールさんのとこに戻らなきゃ…と思うのに、体が重くて全然動けなかった。

…そういえば、お腹減ったら…って、ベリーの実を持って来てたっけ。

クロコダイル調ウエストポーチからベリーの実を取り出して、皮もむかずに私はばくばくと食べた。

すると、なぜかすごい元気が湧いてきた…というか、全身に力がみなぎってきて、私はぴょんっと飛び起きた。

これが、ネコ戦士には特別な効果があるとかいう、ベリーの実の力…?


ベリーの実のおかげで力が有り余るぐらいみなぎった私は、ツラーオを二頭まとめて頭の上に持ち上げて、坂を走り下りた。

「モモちゃん!ケガはっ…」

と言いかけてカールさんは絶句した。

当然だろう。

男の人が二人で一頭やっと持てるツラーオを、ひとりで二頭軽々と持ち上げて走ってるんだから。

「まだまだいっぱいあるにゃ!!村に応援頼んでにゃ!!」

私の言葉に、カールさんは

「わ、わかった!!」

と言って、慌てて走って村に戻り、鍛冶屋さんたち六人の男の人がそれぞれ荷車を引いてきた。

「一台三頭ぐらいずつ積むにゃ!!」

私はにゃーにゃーと叫びながら、ツラーオを運んでは荷台に載せてを繰り返し、七台の荷車で合計二十一頭のツラーオを積み込んだ。

まだ日は傾いてなかったので、村の広場にみんな集まって、必死でツラーオを解体した。

ギルド長はあんぐりと口をあけてたけど、ごほんとひとつ咳払いをしてから

「依頼分の討伐、確かに見届けた。こちらが今回の報酬である」

と、私に三千ジロが入った布の袋を渡してくれた。

「それでは、私はこれにて…」

と、馬に乗って王都に戻ろうとしていたギルド長に、

「お土産にどうぞ。ベリー村の新たな特産品でございます」

と村長が言って、クロコダイル調バッグにツラーオの焼き鳥モドキを詰めたものを渡した。

王都で宣伝しろっていうことだろう。

しっかりというか、ちゃっかりというか。

大暴れしてさすがにくたびれたので、私は家に戻って少し休むことにした。

そしてあちこちしっかり毛づくろいをしてから、私はベッドで丸くなった。

 

昨日、ちょっと気になって昨日までに投稿した話を確認したら、三か所ぐらい間違いを見つけて慌てて直しました。毎度見直しちゃんとしてるつもりなんですが…。

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