表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第7章 ネコ戦士、世界の広さを知る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/60

7-6 ネコ戦士、しっぽを立てる

ケラーさんから聞いたフリーザードラゴンに関する古文書の情報は、私を叩きのめすには充分だった。

ネコ戦士四人でやっと…なんて…

「…私ひとりじゃ…無理にゃ…」

私のしっぽは私の顔と一緒に下を向いてしまった。

ヒトにとって危険な存在なら、フリーザードラゴンは倒さなきゃいけない…でも…

「ネコ戦士殿ひとりには戦わせぬ」

ギルド長の声がした。

「アクアドラゴンとの戦いでは、傭兵たちは何の役にも立たなかったどころか、ネコ戦士殿の邪魔をしてしまった。だが、ネコ戦士殿の助言により、傭兵たちの使う矢は改良されたのだ」

ギルド長は話し続けたけど、まだ私は顔を上げられなかった。

「…これまでずっと、ネコ戦士殿ひとりに命を懸けて戦わせてしまった我々ヒト族は、申し訳なく、情けない限りである…」

ギルド長は、さらに言葉を続けた。

「我らの勝手でネコ戦士殿を親兄弟や友人から引き離し、この世界に召喚してしまったことに、我々は負い目を感じているのだ」

違う…私はもう、自分の世界では死んでるんだから、この世界の人たちが負い目を感じる必要なんてない。

そう言おうと思ったけど、私は何も言えずにいた。

「だからこそ、アクアドラゴン…そしてフリーザードラゴンと戦うことになれば、我々も命をかける」

ギルド長の言葉に、私は顔を上げた。

「…無理にゃ…ヒトには無理にゃよ…!!」

私が首を横に振ってそう言うと、ギルド長は

「ネコ戦士殿も、無理ではないかと思いつつ、これまでモンスターたちに立ち向かってきたのではないのか?ならば我々も、無理ではないかと思っても、共に戦おう」

と言った。

私は目を見開いてギルド長を見た。

ギルド長はいつもクソまじめだけど、今まで見たことがないぐらい、ものすごい真剣な顔をしていた。


私はぷっと吹きだしてしまった。

「にゃーっにゃっにゃっにゃっ!!」

…やっぱり大笑いするとこうなるんだ…

私が大声で笑い出したので、ギルド長は驚いた顔をした。

ケラーさんも、少し離れたとこにいた傭兵たちも、みんなびっくりしてた。

「…やるにゃ…!!」

私は、腹を決めた。

「ネコ戦士よりずっと弱いヒト族がそこまで言ってくれるのに、私がやらないわけにはいかないにゃ」

ギルド長たちはまだ、驚いたまま固まっていた。

「ただし、命はかけちゃダメにゃ!死なないって約束してにゃ!!どんなことがあっても、絶対死なないって約束してにゃ!!」

私がみんなをぐるりと見回してそう言うと、

「おぉ…!!」

「誓いましょう!!」

「うむ。救護班も待機させ、誰も死なぬよう万全を期することを約束しよう」

傭兵たちとギルド長の言葉に、私はうなずいた。

フリーザードラゴンへの恐怖と絶望で下がってしまっていた私のしっぽは少しずつ上がり…

そして、ぴんっと立った。


そうだ、フリーザードラゴンが空を飛んでも。

どんなに神々しいモンスターだとしても。

ケンさんと一緒に改造した武器があれば大丈夫。

命を懸けてくれるという、ギルドのみんながいれば、きっと大丈夫だ。

「救護班は決まってるにゃ?」

私が聞くと

「ギルドに常駐している者もいるが、いざとなれば王宮の医師もかり出そう」

ギルド長はそう答えた。

私はうなずいて

「どんなに人手を集めても、集めすぎにはならないにゃ。たくさんの人の手が必要にゃ」

とギルド長に言った。

そして

「ケラーさん、フリーザードラゴンと四人のネコ戦士の戦いに関する細かい記述はないのにゃ?」

ケラーさんの方を向いて尋ねてみた。

ケラーさんは

「それが…倒した、というだけで、フリーザードラゴンがどのような攻撃を仕掛けてきたのかなどの記述はないのだ…」

と申し訳なさそうに言った。

そういうデータがないのは困るな…と思った私は、ふと思いついた。

「一回の戦いでフリーザードラゴンを倒そうとするのはやめようにゃ」


私の言葉に、ギルドのみんなは、え?という顔をした。

なので私は

「フリーザードラゴンがどんな行動をしてくるのかわからないまま、一回の戦闘で倒そうとするのは危ないにゃ。一度戦ってみて、何をするのか確かめてから、二回目以降の対策を考えた方が良さそうにゃよ」

と言った。

「で、ですが…」

傭兵のひとりがそう言いかけたので

「その辺にいるだけで天気を変えちゃうような相手に、一回で勝てるなんて思っちゃダメにゃ。私たちは四人のネコ戦士じゃなくて、ひとりのネコ戦士と、ネコ戦士ひとりにも及ばないたくさんのヒトの集まりなのにゃ」

私はそう言って、その傭兵の目を見つめた。

ギルド長はうなずき、傭兵も

「はい…!仰る通りですね…!」

とうなずいてくれた。

「さあ、フリーザードラゴンとの戦いに向けて、みんなで作戦を考えるにゃ!!」

私が言うと、ギルドのみんなはうなずいて応じてくれて、みんなで作戦会議をすることになった。

…あ…アクアドラゴン忘れてた…まあいいか…


挿絵(By みてみん)

 

こないだ描いた色鉛筆画をどこに入れようか迷った結果、ここに入れました。ここに入れるべきかはナゾですがw← てか、もっと大きいサイズの方がいいのかも…よくわかりませんw←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ