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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第7章 ネコ戦士、世界の広さを知る

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7-5 ネコ戦士、世界の狭さと広さを思う

飛行艇を降りて防寒着を脱ぎ、ゴーグルを外しながら、私は空の旅を思い返した。

ハンググライダーに似てるけど、飛行艇のスピードは多分、ハンググライダーよりも上だろう。

その上、この世界は思ったよりずっと狭かったので、一週ぐるっと回っても二時間はかからなかったと思う。

多分だけどこの大陸は南北400から500キロぐらい、東西も同じぐらいだろう。

前世の世界よりはるかに狭い…小さな世界だな、と私は思った。

それでも活火山という脅威はあるし、危険なモンスターたちもいる。

そんな世界に、意外にたくさんの人々が生きていて、それぞれが日々の暮らしを営んでいる。

この世界を守るために、私は召喚された。

そう考えると、前世の世界よりはるかに狭いこの世界が、とてつもなく広いように思えた。

私ひとりで、この世界を守らなきゃならない…となると、この世界は広いなぁ…

私がそんなことを考えていると

「ネコ戦士殿、この世界を空より見て、どう感じた?」

ギルド長が声をかけてきた。

なので私は正直に

「にゃあ…狭くて広いにゃって思ったにゃ…」

と答えた。

ヘンな答え方だったかな?と思ったんだけど、意外にもギルド長はうなずいて

「うむ。そうであろうな」

と言った。

そしてギルド長は

「飛行艇はとても速いので、空から見ればこの世界は狭く感じるだろう。飛行艇なら10分ほどの距離も、馬ならば二時間はかかるのだから、この世界は広いとも言えるだろうな」

と続けた。

「そうにゃ!その通りなのにゃ!狭いようで広い世界にゃ…そんな世界を私ひとりで守るって思ったら、やっぱり広いにゃあって思うのにゃ…」

私の声は、尻すぼみに小さくなっていった。


「…それでもここまで、ネコ戦士殿はこの世界を守ってきてくれた」

ギルド長の言葉に、私は顔を上げてギルド長を見た。

「ネコ戦士殿がいなければ、ベリー村はツラーオやオオツラーオ、モモイロヒヒによって大変なことになっていただろう。最悪の場合、ファイアドラゴンによって滅ぼされていたかもしれぬ」

ギルド長は言葉を切って

「…そして、サンダードラゴンやアクアドラゴンによって、王都は滅ぼされていたかもしれないのだ…」

と続けた。

私は涙が出そうになった。

私が必死に頑張ってきたことを、認めてくれる人がいる。

もちろん、ベリー村のみんなもきっと、同じように思ってくれているだろう。

でも、ここまで端的に…はっきりと言われたことはない。

私の目から涙がこぼれて、そして感謝の言葉も自然にこぼれた。

「…ありがとにゃ…」

それに対するギルド長の言葉は

「礼には及ばん。すべて事実だ」

だった。

…ホントにおかたいなぁ…と思った私は、泣きながら笑った。


私は右前脚で涙をふいて

「…さっき空から見たけど、大型のモンスターたちは特に見つからなかったにゃ」

とギルド長に言った。

するとギルド長は

「…それは不可思議だな…」

と眉を寄せた。

そう言えば、そうだ。

アクアドラゴンはどこに行ったんだろう。

そしてファイアドラゴンをベリー村の北まで追い詰めたフリーザードラゴンは?

私が考え込んでいると

「…モンスターたちの動きは、我々の予想をはるかに超えるのかもしれぬ…」

ギルド長は言った。

私は考えてみた。

アクアドラゴンはもしかしたら、海に潜ってたかもしれない。

私が海を見た時には、たまたま潜ってた…とか?

フリーザードラゴンは、雲の上にいたかもしれない…いや、フリーザードラゴンって飛べるのか???

うーんうーんと私がうなっていると

「ネコ戦士殿、何か考えが?」

とギルド長が尋ねてきたので、私は

「空の上から見えなかったってことは、アクアドラゴンは海の中に、フリーザードラゴンは雲の上とかにいたんじゃないのかにゃ…?」

と、私の考えを伝えてみた。

「…なるほど…!!」

ギルド長は目を見開いた。


その後私たちはモンスター研究所長のケラーさんの所に行って、私の想像したことを言ってみた。

「…うむ、その予想は正しいかもしれん」

と、ケラーさんはうなずいた。

「古文書によれば、アクアドラゴンは海面を泳ぐ姿を見ることはまれで、海面を泳いでいない時にはどうしているのか謎だったのだ。そして、フリーザードラゴンには翼があり、空を飛ぶ…とある」

ケラーさんの言葉に私は驚いた。

雲の上にいたかもとか勝手に想像してたけど、マジで?!

「フリーザードラゴン、空を飛ぶのにゃ?!」

私がそう聞くと、ケラーさんはうなずいて

「古文書に残された記述によると、フリーザードラゴンの背には大きな翼があり、雪と氷をまき散らしながら空から舞い降りてきたとのことだ」

と言った。

そして

「空からゆっくりと舞い降りてきたフリーザードラゴンの神々しい姿に、四人のネコ戦士たちは気圧されたが、四人で力を合わせてどうにか討伐した…と、古文書には記されてある」

ケラーさんはそう続けた。

え?

フリーザードラゴンってそんな神々しいの?!

それを四人のネコ戦士たちで力を合わせてどうにか討伐したって…

今のネコ戦士は、私ひとりだよ?!

思ったより狭くて広いこの世界に、想像を上回る存在であるフリーザードラゴン。

私は絶望して、目の前が真っ暗になるのを感じた…

 

新しいフードに夢中のうちのネコ、残ってる前のフードをほぼ食べなくなりました…マジで偏食ネコ…

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