7-3 ネコ戦士、空を飛ぶ
アクアドラゴン対策の武器の改造も無事に終わったので、あとはアクアドラゴン出現の知らせを待つだけだ。
でも、その前にやっておきたいことがもうひとつあった。
傭兵ギルドでケラーさんに見せてもらった、この世界全体の地図。
あれを見てから、私は自分の目でこの世界を見て回りたいと思うようになっていた。
もちろん、アクアドラゴンが見つかったら、すぐにそっちに行かなきゃならない。
どうやったら、この世界を見て回りながら…アクアドラゴン発見の報が来たら、すぐにそっちに向かえるだろう。
私は悩んだあげく、村長に相談することにした。
「ほお…この世界を見て回りたいが、アクアドラゴンが現れればすぐにそちらに向かえるようにしたい…とな?」
村長は白いひげをなでながらそう言って、少し考えた後
「あいわかった。ではギルド長に手紙をしたためよう」
と言ってくれた。
そして村長は、私が言ったことを手紙に書いて伝書鳩の脚にくくりつけて、王都に飛ばした。
まだ午前中だったから、お昼ごろには伝書鳩が返事を持って戻るだろう。
ジンさんにもらった焼き肉とバーサさんにもらったリンゴのお昼ごはんを食べていると、伝書鳩が戻ってきた。
村長は伝書鳩の脚から手紙を取って読み始めて
「モモよ、ギルド長が迎えに来てくれるそうじゃ」
と私に言った。
ん?ギルド長が迎えに来るってことは、ちょっとずつこの世界を馬に乗って案内してくれるってことかな?
私がそう思っていると、少ししてギルド長がやってきた。
「ネコ戦士殿、迎えに参った」
ギルド長がそう言って、馬を井戸の所に連れて行って水を飲ませ始めたので、私はギルド長についていった。
「ギルド長さん、馬で世界を見せて回ってくれるのにゃ?」
私がそう聞いてみると
「いや。空から見てもらう方が早いだろう」
ギルド長は答えた。
えっ…???
空から…???
「空からってどういうことにゃ?!」
私が慌ててそう尋ねると、ギルド長は
「観測隊の飛行艇に隊士と共に乗り、空を飛べば、この世界を一回りしてもそう時間はかかるまい」
と言った。
飛行艇って…あのハンググライダーみたいなやつ?!
「大丈夫にゃ?!武器を背負ったら、私重いにゃよ?!」
私が言うと
「ネコ戦士殿は二本の武器を背負っているが、一本だけなら大丈夫だと飛行隊士は申していた。一本は私が預かり、万が一アクアドラゴンが現れた場合には、現場まで私が責任を持って届けよう」
とギルド長は言った。
「そ…それなら大丈夫かにゃ…?」
私はまだちょっと不安だったけど、ギルド長が言うならとりあえず信じるしかなかった。
「じゃあ…お願いしますにゃ」
と私が言うと、ギルド長はうなずいて
「では、馬の小休止が終わり次第、王都に参ろう」
と言った。
村のみんなは、私が空を飛ぶと聞いてちょっと不安そうな顔をしてたけど、
「大丈夫にゃ!ちょっとだけ行ってくるにゃ!空を飛ぶの、楽しみにゃ!!」
と私が笑うと安心したようで、
「うん、気をつけて!」
と言って見送ってくれた。
そして私はいつも通りギルド長の馬に乗せてもらって王都に向かった。
二時間半ほどで王都に着くと、ギルド長はすぐに私を傭兵ギルドに連れて行ってくれて、
「観測隊、準備は?」
と観測隊の人たちに声をかけた。
すると
「はっ!準備万端であります!!」
と、ひとりの隊士が敬礼をした。
前に会ったことがある、ダナンさんだ。
「ダナンさん、よろしくお願いしますにゃ」
私が頭を下げると、ダナンさんは
「はっ!!ネコ戦士殿が快適な空の旅を楽しめるよう、尽力いたします!」
と言って、また敬礼をした。
ダナンさんは防寒着みたいなのとゴーグルを持って来て
「上空は寒いので、これらをお着けください。ネコ戦士殿用に王都の鍛冶師が手掛けたものです」
と言って、私にそれを渡してくれた。
私の装備の上から着られるけど邪魔にはならないサイズのダウンジャケットみたいなのと、子供サイズぐらいのゴーグルだ。
ジャケットとゴーグルを私が身に着けると、
「では参りましょう」
ダナンさんはそう言って私の先に立って歩き出した。
ギルドの建物の外に出ると、一段高くなった所に大きなハンググライダーみたいなのがあった。
前世のハンググライダーと違ったのは、ちょっとした腰掛っぽいのがあるところだった。
ハンググライダーとパラグライダーが合わさったような感じだ。
腰掛が前後にあるあたり、これは元々二人乗り用みたいだ。
「この飛行艇は、新たな飛行士の訓練に使う二人乗り用のものなので、ネコ戦士殿が武器を一本背負っておられても重量的には問題ありません」
ダナンさんがそう言ってくれたので、私は安心した。
そして
「どうぞ前の座席にお座りください」
ダナンさんにうながされるまま、私は前の座席に座った。
すると飛行艇の周りにいた人たちが
「向かい風、よし!!」
「風速、よし!!」
「離陸せよ!!」
と叫び、ダナンさんは走り出した。
私の脚は当然、地面には届かないので、助走はダナンさん任せだ。
ダナンさんの走る音と振動がなくなると同時に、飛行艇は宙に浮いた。
飛んだ。
私、飛んでる。
ダナンさんと私を乗せた飛行艇は、風に乗って空高く舞い上がった。
時間があったのでネコ戦士・モモのイラストを描いたのですが、アップ方法が分からなくて困りましたwまあ、ネコの日に上げられれば…ぐらいのもんなんですがw




