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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第6章 ネコ戦士、奮闘する

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6-8 ネコ戦士、異世界で初めて卵を食べる

「ネコ戦士様のご活躍はかねがね…」

「こんなにも小さいのにお強いのですね!」

「かわいいわ~!毛並みもふかふか!」

宿の人たちに取り囲まれて、私は心底うんざりした。

するとギルド長が咳払いをして

「ネコ戦士殿は大層お疲れである。控えられよ」

と、少し大きな声で言ってくれた。

すると宿の人たちは残念そうに

「おお…それはご無礼を…」

「またお元気な時にお話聞かせてくださいね!」

と言いながら離れて行った。

ほっとした私はシチューとか焼いた牛肉とかを食べて、二階の部屋に案内してもらった。

これまた貴族の家の部屋みたいに豪華だ。

部屋にはあったかいお湯を張ったお風呂もあったけど、今の私はネコだから必要ない。

ヒトだったら、お風呂に入ってぬくぬくするんだけどなぁ…

そう思いながら、私はいつも通り装備を脱いで毛づくろいをして、ベッドで丸くなった。

リーナさんとウェンさんが泊まるなら、この宿はちょうど良さそうだ。

ヒマになったら…ってジェイたちには言ったけど、私が忙しくてもリーナさんとウェンさんの都合がつけば、二人を王都に来させてあげたいな…

そんなことを考えながら、私はうとうとし始めて、やがて眠りについた。


翌朝早くに目覚めた私は、いつも通りベッドの上で伸びをして、前脚で顔を洗ってから装備を身に着けた。

そして部屋のドアを開けると、そこにはすでにギルド長が立っていた。

「ギルド長さん、おはよーにゃ」

私が挨拶すると、ギルド長は

「ネコ戦士殿、迎えに参った」

と言った。

挨拶ぐらいしろよ…マジでカッチカチやん、この人…

私はちょっと呆れたけど、昨夜の宿の人たちの騒ぎ方を考えて、ギルド長はガードのために早くから来てくれたんだろう。

「お迎え、ありがとにゃ」

私がお礼を言うと

「礼には及ばん」

ギルド長は表情ひとつ変えずに言った。

まあこのお固さだから、たまに笑うのがレアでいいんだけどさぁ…

諦め半分呆れ半分でギルド長について一階に降りると、まだ他の宿泊客は起きてきていないようだった。

でもさすがに宿の主人は起きていて

「おはようございます。朝食の準備はできております」

と食堂に案内してくれた。

食堂の机の上には、ワンプレートのモーニングみたいなのが載っていた。

モロコシのパンのトーストに焼いた牛肉にキャベツに…

…卵がある!!

この世界に来て初めての卵に、私はちょっと興奮した。

焼いた牛肉の上の目玉焼き。

前世で言う所のハムエッグみたいな感じだ。

私はフォークを持って、目玉焼きを少しずつ食べた。

「…おいしいにゃ~…」

思わず漏らした私の言葉に、ギルド長が

「なるほど。ベリー村には卵はなかったか…」

とつぶやいた。

「では、時折ベリー村に卵を届けよう」

ギルド長の言葉に、私は心の中で舞い踊った。

「…お願いしますにゃ!!」

私がそう言うと、ギルド長はベリー村への出発前に卵を買ってきてくれて、なんか緩衝剤っぽいのでくるんで馬の両脇のカバンに詰めてくれた。

…王都の宿に泊まってよかった…!!


早朝に王都を出発した私たちは、二時間半ほどでベリー村に到着した。

「おかえりモモちゃん!」

カールさんが満面の笑顔で出迎えてくれたと思ったら、村のみんなも駆け寄ってきてくれた。

「…ただいまにゃ!!」

私はうれしくて仕方なくて、満面の笑顔でそう返した。

するとギルド長が

「ネコ戦士殿、これを」

と、卵の入った三つの箱を渡してくれた。

バーサさんが

「モモちゃん、なんだいそれは?」

と尋ねてきたので

「卵にゃ!!」

私は笑って答えた。

私の言葉に、みんなはどよめいた。

「えっ…」

「卵…?!」

みんなの反応に私は驚いた。

「卵、知らないにゃ…?」

とバーサさんに聞いてみると、

「知ってるけど、ぜいたく品だよ。私らにはめったに食べられないものだよ」

バーサさんはそう言った。


えっ?!

ぜいたく品?!

卵が???

前世じゃフツーに食べてたのに…うちの近くのスーパーじゃ10個250円ぐらいだったし…

「ギルド長さん、卵っていくらぐらいするのにゃ?」

私はおそるおそるギルド長に聞いてみた。

するとギルド長は

「王都では10個百ジロ程度で販売されている」

と答えた。

10個百ジロってことは…

10個千円…?!

「高いにゃー!!!」

と叫んで、私はギルド長から渡された三つの箱の中を見て、卵の数を数えてみた。

「…卵…30個入ってるにゃ…」

私のつぶやきに、みんなも驚いて叫んだ。

「卵が30個だってぇ?!」

「モモちゃんが買ったのかい?!」

するとギルド長が

「こたびは傭兵たちがネコ戦士殿に多大なる迷惑をかけた。その詫びである」

と、くそまじめな顔で言った。

なるほど、そういうことなら遠慮なくいただこう。

「ありがとにゃ!みんなで大切に食べるにゃ!」

私は笑ってそう言ったけど、村のみんなはまだ戸惑ってた。

卵30個三千円って…そりゃぜいたく品だわ…

 

ネコが膝に乗っていると、入力しづらいです。なんで入力してる手に頭すりつけてくるかな…幸せだけど。← あ、これで第6章終了です。明日から第7章開始です~←

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