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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第6章 ネコ戦士、奮闘する

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6-4 ネコ戦士、ベリー村に一時帰還する

アクアドラゴンが去っていった浜辺で、私たちはしばらく脱力していた。

私がかばった傭兵は、まだ泣いていた。

別に責めてるわけじゃないのになぁ…

私は大きくため息をついてから

「泣くのはやめるにゃ!みんなで次のことを考えるにゃ!」

と泣いている傭兵に大声で言った。

すると傭兵はびっくりした顔をしながら

「はっ、はいっ!!すみませんっ…」

と手の甲で涙をぬぐった。

「私はいったんベリー村に戻るにゃ。みんな心配して待ってるからにゃ」

私がギルド長にそう言うと、

「うむ。そうするべきだろう」

とギルド長はうなずいた。

そして傭兵たちと一緒に防壁の海側の階段を上って陸側に戻ることにしたんだけど、私はふと思いついたことを試してみることにした。

私は防壁のそばに四つん這いになって、全力で飛び上がってみた。

すると意外なほどあっさりと、高さ5メートルぐらいはある防壁の上に、私は降り立つことができた。

「す…すげぇ…」

「ネコ戦士ってあんなに跳べるのか…」

傭兵たちがびっくりしてたので、私は

「こうやって飛び上がって、アクアドラゴンを下から上に斬り上げるつもりだったのにゃ」

と、私がやろうとしていたことを話した。

そしたらまた、さっきの傭兵が

「すみません…俺が邪魔しちゃったんですね…」

と泣き出した。

「…泣くなって言ってるにゃ!もう終わったことを後悔するのはやめるにゃ!」

私がそう言うと、他の傭兵たちが

「おお、そうだぞ!」

「次の手を考えようぜ!」

と、泣いている傭兵を励ました。

…泣きたいのはこっちだよ…


傭兵たちもそれぞれ馬に乗ってきていて、みんな隊列をなして王都に戻っていった。

前世で好きだったあのマンガの調査兵団みたいだ…と私はちょっと感動した。

「では、ベリー村まで送ろう」

ギルド長がそう言って私を馬に乗せてくれて、私たちはベリー村に向かった。

「…傭兵たちは役に立つどころか、ネコ戦士殿の邪魔をしてしまったな…すまない…」

ギルド長が私の後ろからそう言って謝った。

ギルド長のせいじゃないのに…

そう思ったので

「今回の戦いで、アクアドラゴンのウロコがすごく硬いってわかったのは、大きな収穫にゃ。これを生かして次の作戦を考えるにゃ!」

私は顔を上げてギルド長を見上げて、そう言っておいた。

「…うむ、そうだな。鉄の矢じりでは跳ね返されるほどの硬いウロコ…それをどう破るのかを考えねばならんな」

ギルド長はいつもの調子を取り戻してうなずいて言った。

「そうにゃ。ベリー村に戻って、みんなにことの次第を報告した後、また王都に行ってケラーさん達と話し合うにゃ!」

私の言葉にギルド長はまたうなずいて、

「うむ。それではまずはベリー村に急ごう」

と言った。

…いや、時速60キロの馬なんだから、もう充分速いよ…と私は思った。


小一時間で私たちはベリー村に戻り、

「ただいまにゃ!」

と私が言うのにかぶせるように

「モモちゃん!!」

「ケガは、ケガはないかい?!」

村のみんなが口々にそう言いながら走り寄ってきた。

私は馬から飛び降りて、

「ごめんにゃ…アクアドラゴン、撃退までしかできなかったにゃ…」

とみんなに向かって謝った。

みんなは

「撃退したのか?!」

「そりゃすごい!!」

「よくやったな、モモちゃん!!」

と言ってくれた。

私はちょっとびっくりした。

「討伐できなかったにゃよ?アクアドラゴン、また来るかもにゃよ?」

と私が言うと、

「撃退で充分だよ!」

「モモちゃんにケガがなくて、無事に帰ってこられたんだからな!」

みんなはそう言って笑ってくれた。

私、何もできなかったのに…

みんなの優しさに、私は涙が出そうになった。


その後ギルド長が今回の戦いについて詳細を説明すると、村のみんなの表情が変わった。

「…そいつが余計なことしたせいで、モモちゃんが危ない目に遭ったのか…?!」

カールさんが怒気を帯びた低い声でギルド長に言った。

マジギレだ。

「傭兵なんてたいして役に立たないとはわかってたけど…自分勝手なことをしてモモちゃんを危険にさらしたのかい…」

バーサさんもマジギレだった。

そしたら三人娘が私の所に寄ってきて

「気を失ったってことは頭打ったんだよね?!」

「大丈夫?!気分悪いとか、ない?」

「王都のお医者様に診てもらった方がいいんじゃない?!」

と口々にそう言った。

ネコ戦士を医者に診せるって…ヒトの医者?獣医??

と考えて、思わず私は吹きだした。

「モ…モモちゃん…?」

とおろおろするみんなに、私は

「医者って、ヒトのお医者さんにゃ?家畜を診る獣医さんにゃ?」

と大笑いしながら言った。

みんなは、あっ!という顔になって、ちょっと考えてから、私と一緒に笑い出した。

ギルド長はさすがに笑わなかったけど、さっきまで怒ってたみんなが笑い出したので、ちょっとほっとした顔になった。

村のみんなに笑顔が戻って、私はほっとした。

…けど、マジで私、どっちの医者にかかればいいんだろ…

 

ネコがトイレでなんか迷ってたので、砂が少ないのかなと思って「砂、足すにゃ?」と聞いてしまいました。私はネコに話しかける時、「にゃ」を語尾につけるのが普通なんだ…と改めて知りました。

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