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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第6章 ネコ戦士、奮闘する

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6-3 ネコ戦士、アクアドラゴンに立ち向かう

ギルド長によると、昨日の夕方近くに王都の観測隊が、国の東の海上約10キロの所を泳いでいるアクアドラゴンを発見したそうだ。

そしてアクアドラゴンはゆっくりとこちらに…ルーン王国の東の海辺に向かってきているとのことだった。

アクアドラゴンが近くに現れるまで、私は傭兵たちと一緒に防壁の上で待つことになった。

防壁に着けた階段を上って防壁の上に上り、私は腹ばいになって頬杖をついて、アクアドラゴンが近づくのを待っていた。

待ってる間、だんだん待つのに疲れてきて、私は大あくびをした。

すると私の隣にいた傭兵が

「ネコ戦士殿は、怖くはないのですか…?」

と私に尋ねてきた。

私は呆れて

「怖いに決まってるにゃろ?大昔にアクアドラゴンを倒したのは私みたいなネコ戦士だったけど、四人いたんにゃよ?今のネコ戦士は私ひとりなんだから、怖いに決まってるにゃろ?!」

と返した。

傭兵は、ぐっと言葉に詰まってしまった。

「怖いけど、ベリー村のみんなを守りたいのにゃ。守らなきゃダメなのにゃ。だから必死で我慢してるのにゃ。あんただって、あんたの家族とか守りたいにゃろ?」

私がそう畳みかけると

「はい…はいっ…!!」

傭兵はそう言って、覚悟を決めた顔をした。

私たちの会話が聞こえたらしく、他の傭兵たちもうなずいた。

よし、とりあえず傭兵たちの尻は叩いた。

あとは野となれ山となれ、だ。


そしてその時は訪れた。

きれいな水色のアクアドラゴンが、沖からゆっくりと海岸に近づいてきた。

それと同時に高くなる波…津波が防壁に向かって押し寄せてきたけど、高さ5メートルの防壁を波が超えることはなかった。

「撃て!!」

ギルド長の号令に、傭兵たちは弓に矢をつがえ、一斉にアクアドラゴンに向かって撃った。

傭兵たちの放った矢の何本かはアクアドラゴンの体に刺さったけど、大半は当たっただけで跳ね返されて海辺に落ちて、波に流されてしまった。

せっかく刺さった何本かの矢も、アクアドラゴンがうっとうしそうに体をひねると、あっさり抜けて落ちていった。

アクアドラゴンの体は、細かいウロコで覆われてたけど、その一枚一枚はオオツラーオのウロコよりもずっと硬そうだったので、私の武器でも簡単には斬れないかもしれない。

だけど私もこのまま見てるわけにはいかない。

アクアドラゴンが浜辺に上陸してきたら、私の出番だ。

アクアドラゴンが上陸すると波は引いて行って、海は元の穏やかさを取り戻した。

私は防壁から飛び降りて、アクアドラゴンに向かって四つ足で走った。

そしてオオツラーオの武器を思いっきり、アクアドラゴンの首に向かって投げた。

オオツラーオの武器は、アクアドラゴンのウロコに弾き返されて、私の手元に戻ってきてしまった。

思った以上にアクアドラゴンのウロコは硬いようだ。

でも、だからって退くわけにはいかない。

私はファイアドラゴンとサンダードラゴンの炎雷合成武器を、アクアドラゴンに向かって投げた。

合成武器は炎と雷を噴きだしながら、アクアドラゴンの首に当たった。

「ウォ…」

武器はアクアドラゴンの細い首を少しだけ切って戻ってきて、アクアドラゴンは声を上げた。

アクアドラゴン、めっちゃ硬い。

でも、すこしだけでも攻撃が通るなら、何度でも投げてみなきゃ。

それでもだめなら、昨日オオツラーオにやったように、近接攻撃するしかない。


二度、三度と私は炎雷合成武器を投げて、ほんの少しずつアクアドラゴンの首を削っていった。

「ウオォ…」

アクアドラゴンはその身をよじって苦しんでるようだったけど、ホントに動きは鈍かった。

私が武器を投げてる間にも傭兵たちは矢を撃ってたけど、アクアドラゴンの硬いウロコに弾き返されてた。

ああもう…マジで役に立たないよ…

それでも一生懸命、私と一緒に戦おうとしてくれてるんだ。

だったら私が何とかしなきゃ。

そう意を決して、私は武器を投げるのをやめた。

近接攻撃なら、アクアドラゴンの硬いウロコも貫き通せるかもしれない。

私はファイアドラゴンとサンダードラゴンの合成武器を両前脚でしっかり持って、アクアドラゴンの腹を下から上に切り上げようと狙いをつけた。

その時

「ちっくしょおおお!!」

という声がして、防壁の上で私の隣にいた傭兵が階段を駆け下りてきて、超近距離で弓に矢をつがえた。

するとアクアドラゴンは、サンダードラゴンと同じぐらい長いしっぽを、その傭兵に向かって振った。

あんなの食らったら、人間は死んじゃうよー!!

「危ないにゃーっ!!」

私は叫びながら傭兵を突き飛ばして、傭兵の代わりにしっぽの一撃を食らって吹っ飛ばされた。


「すみませんすみませんすみません!!」

という声で私は気がついた。

どうやら私は、アクアドラゴンのしっぽに吹っ飛ばされて、防壁にぶち当たって気を失ってたらしい。

「すみません…俺が余計なことをしたせいで…」

傭兵は砂浜に土下座をして泣いて謝ってた。

「…アクアドラゴンはどうしたにゃ?!」

私が飛び起きて尋ねると、

「…泳いで去っていった…」

とギルド長が答えた。

アクアドラゴンの上陸時には津波が起きるけど、海に戻る時にはそう波は立たなかったようだった。

「ともあれ、アクアドラゴンの撃退には成功したのだ」

とギルド長は言ったけど、私は納得できなかった。

「また来るかもしれないにゃよ?!今度はもっと高い津波が起きるかもしれないにゃ!!」

私が叫ぶと、さっきの傭兵が

「すみません、すみません…」

と泣き始めた。

ああもう…

「…仕方ないにゃ。誰も死ななくて良かったと思うしかないにゃ…」

私はため息をついて、そう言うしかなかった。

ていうか、私に突き飛ばされて、あの傭兵よく死ななかったな…

ネコ戦士、馬鹿力やで…と私は思った。

 

明日から寒くなるそうです…ネコ日和じゃなくなっちゃう…←

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