3-9 ネコ戦士、ベリー村に帰る
お昼を過ぎたので
「そろそろベリー村に送って行こう」
とギルド長が言った。
ギルド長は今朝八時ぐらいに私を迎えに来たので、王都を出たのは六時ぐらいだろう。
大変だなーと思いつつ、私はまたギルド長の馬に乗せてもらい、馬は走り出した。
小さい頃に姉が後ろに乗って、私が前に乗って…ポニーに乗ったことを思い出して、私はふっと笑った。
「どうした?」
ギルド長がそう聞いてきたので
「姉と二人で仔馬に乗ったことを思いだしたにゃ」
と素直に答えた。
するとギルド長は
「…すまぬ。親兄弟と引き離すことになってしまったのだな…」
と私に謝ってきた。
なので私は
「呼ばれたものは仕方ないにゃ。それにベリー村のバーサさんはお母さんみたいだし、カールさんはお兄さんみたいだし…村のみんなが今の私の家族みたいなもんにゃ」
とギルド長に言った。
それでもギルド長は
「すまない…」
と、また謝った。
「この世界が危機から救われれば、ネコ戦士殿もきっと元の世界に戻れるだろう。その時まで何卒…頼む」
ギルド長の言葉に”私はもう元の世界では死んでるのに…”と思った私は、とりあえず
「そうだったらいいにゃ」
と答えておいた。
行きと同じ二時間半ぐらいで、私たちはベリー村に着いた。
「おかえりモモちゃん!」
とカールさんが笑って出迎えてくれると、他のみんなもやってきて
「おかえり!疲れただろ?」
「今夜はメシ食って早く寝なよ」
と口々に言ってくれた。
「…ただいまにゃ!」
我が家に戻ったような気がして、私は笑ってみんなに応えた。
ギルド長はまた村の野菜などを馬の両脇の大きなカバンに入れていた。
王都に持って帰って王都のお店に卸すらしい。
支度が終わるとギルド長は
「では私はこれにて」
と、馬に乗ろうとした。
「馬さん、休ませないとかわいそうにゃ」
私がそう言うと、ギルド長は少し考えてから
「そうだな。では少し休ませるとしよう」
と言って、馬を村の井戸の所に連れて行って、ひづめの手入れをしたり、馬に水を飲ませたりし始めた。
安心した私は、村のみんなにお土産を配ることにした。
実は女性たちへのお土産を買う前に、他のお店でハンドクリームらしきものを見つけて、私はそれを男性たちの人数分買っていた。
その店にはクッキーみたいなお菓子もあったので、子供達にはそれを買ってあった。
村長、カールさん、ジンさん、ケンさん、エドさん…その他男の人たちにハンドクリームを配って歩くと
「こりゃあしゃれた土産だな!」
「仕事の後に手に塗ればいいのかい?ありがとよ」
と、男の人たちはみんな喜んでくれた。
子供達もお菓子を手にして
「わー!王都のお菓子だ!」
「ちょっとずつ大事に食べるよ。ありがとうモモちゃん」
と喜んでくれた。
女性たちへのお土産のスカーフは、それぞれの髪や目の色に合わせて買ったので、私は紙袋の中をひとつずつ確認してからみんなに渡した。
「はい、バーサさんへのお土産にゃ」
バーサさんは茶色のストレートヘアに茶色の目だけど、ちょっと明るい色がいいかなと思って、黄緑色の小花柄のスカーフを選んだ。
「まぁ、きれいなスカーフだね。ありがとね、モモちゃん」
バーサさんは笑って受け取って、早速首に巻いてくれた。
「バーサさん、似合うにゃ~」
と私が笑うと、
「私たちのは?!」
三人娘が食いついてきた。
アンナにはオレンジの花柄、マリアには赤い花柄、エマにはピンクの花柄のスカーフを渡した。
「ありがとモモちゃん!」
「かわいいスカーフだね!」
「使わせてもらうわね!」
みんな喜んで首に巻いてくれた。
雑貨屋のリーナさんにも青い花柄のを渡し、お土産配布終了した私に、カールさんが
「モモちゃん、頭の装備についてる、きらきらした花みたいなのはなんだい?」
と尋ねてきた。
なので私は
「これは王様からもらった勲章にゃ」
と答えた。
するとみんながこっちを向いて
「勲章?!」
と声を揃えてそう言った。
「そうにゃ。ファイアドラゴン討伐のお礼にってくれたけどにゃ、胸に着けたら邪魔だし、頭に着けた方がかわいいと思ったのにゃ」
と私が言うと、みんな口を開けてしばらく黙った後、大笑いし始めた。
「おっ…王様の勲章を頭に着けるなんてっ…!」
「勲章をかわいいって言うのはモモちゃんらしいな!」
…勲章を頭に着けたのは間違いだったのか…?
てか、勲章をかわいいって言うのがおかしいんだろうか…
と、私はひとしきり悩んだけど…まあいっか、かわいいんだから!
シャーペンで下書きしてるんですが、芯がなくなりかけたので昔使ってた画材の山をあさってみたら、シャーペンの芯もあったけど、なぜかホチキスの針が三箱もありました。…なんでや…というわけで、これで第3章終了です。←




