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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第3章 ネコ戦士、王都に招かれる

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3-3 ネコ戦士、世界の異常を知る

私が新しいピンクの装備を見せて回った後、落ち着いたところにギルド長が近寄ってきた。

「ギルド長さん、そろそろ王都に帰るにゃ?」

私が尋ねると、ギルド長は

「ああ。だがその前にネコ戦士殿に話しておかねばならないことがある」

と、真面目な顔をしてそう言った。

「なんですにゃ?悪い話にゃ?」

私がそう聞いてみると、

「ああ。良くないかもしれぬ話だ。昨日少し話したことに関する話だが…」

ギルド長は眉間にしわを寄せて答えた。

「モモイロヒヒのオスの死体が、北のバツ村近くにあったという話は覚えているか?」

ギルド長の問いに

「もちろん覚えてるにゃ」

と私は答えた。

忘れるはずはない、モモイロヒヒのピンクの装備が欲しくてたまらなかったんだから。

ギルド長は私の答えにうなずいてから、

「モモイロヒヒは、ベリー村近辺や西のロナ村近辺に何頭かがそれぞれの縄張りで暮らしているらしい。そのモモイロヒヒが北の方にいるのは異常なのだ。奴らは果実を主食としているので、果樹のない寒い地方に現れることはないのだ」

と言った。

言われてみれば、このベリー村は国の南の方に近い、ほぼ温暖な地域と言える。

と考えて、私はファイアドラゴンを倒した時のことを思い出した。

村の北門から出ただけの所があんなにも寒かったのは、なんで?

川に氷が張るほど寒かったのに、村に戻ると気温は普通だった。

これも明らかに…ごく一部の地域だけ気温が変わるなんて、とんでもない異常だろう。


「…ギルド長さん、北門を出たあたりがめちゃくちゃ寒かったのもすごい異常にゃ」

私の言葉に、ギルド長はうなずいた。

「うむ。門一つ、柵一つであのように気温が変わるはずはない。ファイアドラゴンが震えるほどに寒いのにあの場所にいた理由は…」

ギルド長の後をついで、私は言った。

「気温を変えるぐらいの力を持ったモンスターに追われてきた?ってことにゃ?」

ギルド長はまたうなずいて

「もしかしたら、北のバツ村近くで死んでいたオスのモモイロヒヒは、そのモンスターに追われて逃げ、力尽きたのかもしれぬ」

と言った。

「モモイロヒヒの死体に傷はなかったのにゃ?」

という私の問いにギルド長は

「頭部に強い力で一撃されたような傷があり、それが致命傷であったと思われる」

そう答えた。

村の人を前脚の一撃で殺した強いモモイロヒヒを一撃で殺した、さらに強いモンスターに追われて、あの大きなファイアドラゴンは逃げてきたのかもしれない…ということだ。

もしかしたらこの世界には、大昔に隣国を滅ぼしたという山のようなドラゴン以外にも、ものすごく強いモンスターがいるのかもしれない。

恐ろしい予想に、私の全身の毛は逆立った。

「…今の話は、村の者たちには話すべきではなかろう」

ギルド長の言葉に、私はうなずいた。

こんなこと、ベリー村のみんなには言えない。

さほど豊かじゃないけど、気のいい人達が平和に穏やかに暮らしているこの村を、未知のモンスターへの恐怖でかき回すわけにはいかないんだ。

「では、私は王都に戻る。何かあればまた知らせよう。この村近辺で何かあれば村長に知らせ、伝書鳩を使って王都に知らせるように」

と言い残して、ギルド長は馬に乗って王都に戻って行った。


「モモちゃん、その装備似合うよ」

カールさんがいつの間にか近づいてきていた。

ギルド長との話を聞かれてないか、私は心配になったけど、

「ありがとにゃ!かわいいにゃ?」

くるっと回ってピンクの装備を見せてカールさんに笑いかけた。

カールさんも笑って

「うん。すごく似合うよ。村の夏祭りには、その装備に似合うピンクの百合をプレゼントしたいな」

と言った。

すると、カールさんの近くにいたアンナとマリアとエマが目をぎらっと光らせて

「ちょっ…夏祭りに百合って…!」

と、カールさんと私に詰め寄ってきた。

「なんにゃ?夏祭りの百合って、なんか意味あるのにゃ?」

という私の問いに

「夏祭りに百合を贈るのは、この国では求婚の意味があるのよ!」

マリアが大きな声でそう言った。

えっ?求婚???

いやいや…ヒトがネコに求婚なんてするわけが…

私がカールさんの方を振り向いて見上げると、

「求婚ってほどじゃないけど、好意を持ってますって感じかな?」

と、カールさんは邪気のない笑みを浮かべて言った。

アンナとマリアとエマはその場に凍りついた。

…だから、ヒトの修羅場にネコを巻き込むなっつーの…

 

ネコのひげを財布に入れると金運が上がるというので、うちのネコのひげを見つけては財布に入れてますが、なんの効果もありませんw

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