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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第2章 ネコ戦士、異世界になじみ始める

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2-5 ネコ戦士、モモイロヒヒと対峙する

翌朝早くに、私は目覚めた。

毛づくろいをしてから青魚のお寿司みたいな装備を身に着けて、オオツラーオのウロコや骨、それに鉄でつくられた大剣を背負った。

オオツラーオの大剣は、大きいけど軽い、でも頑丈だ。

モモイロヒヒは毛深くて脂肪も多そうだったから、ちょっとやそっとの斬撃じゃ傷もつかないだろう。

でも、やるんだ。

私は深呼吸をして、家の外に出た。

すると家の前にバーサさんが立っていた。

「おはようにゃ」

私が笑いかけると、バーサさんは

「…どうしても…行くんだね…」

と、泣きそうな…でも怒ってるような顔をして言った。

私はうなずいて、

「行くにゃ。村のみんなのために、私はここにいるのにゃ」

とバーサさんに言った。

バーサさんは辛そうな顔をしたけど、

「…じゃあ、これ持っていきな」

と、ベリーの実をふたつ手渡してくれた。

「ありがとにゃ!これがあれば百人力にゃ!」

お礼を言って、私はポーチにベリーの実をしまった。

まだ早朝なのに、村のみんなも起きてきて、私を見送ってくれた。

戦争に行くわけでもないのに…と私は思ったけど、村の人たちにとってはそのぐらいおおごとなんだろう。

村人がひとり、いとも簡単に殺された相手と戦うんだから。

私は気を引き締めて、

「じゃあ、行ってくるにゃ」

右前脚を上げてみんなに手を振ってから南門に向かったけど、なんかお腹が空いてた。

…しまった、焼き肉食べてない…


すきっ腹を抱えたまま南門を出て畑を通り、林へと歩きながら、私は前日のモモイロヒヒのことを思い出していた。

ゴリラの体に、ライオンとかトラみたいな顔で、肉じゃなく果物を食べるモンスター。

私の威嚇に動きを止めて、小走りで去って行った。

モモイロヒヒは、もしかしたら言葉が分かるのかもしれない。

依頼書にも頭がいいって書いてあったぐらいだから、生半可な攻撃では倒せないだろう。

ていうか、昨日私の威嚇で逃げたなら、もうこのあたりにはいないかもしれないな…

私は鼻を上げて匂いを嗅ぎながら、慎重に林の中を進んだ。

すると、昨日嗅いだ匂いが、ふわっと風に乗って流れてきた。

ヤツだ。

…いや、違う。

そっくりだけど小さい…私ぐらいの大きさだ。

モモイロヒヒの手下か…?

私はそいつに向かって、武器を抜いて構えた。

その瞬間、何かがこっちに走ってくる音がした。

私の右から、昨日のモモイロヒヒが突進してきたのだ。

私はさっと身をかわして、モモイロヒヒの突進を避けた。

するとモモイロヒヒは、小さなモモイロヒヒを抱きかかえるようにして守った。

あっ…

あの小さいのは、モモイロヒヒの手下じゃなくて、子供なんだ…

私はこの世界に来た初日に倒したモールのことを思い出した。

そうだ…モンスターにも親や子があるんだ。

…でも、だからって見逃すわけにはいかない。

と考えて、ふと私は思った。

モモイロヒヒの体はゴリラだけど、顔はネコ科っぽいから、私の言葉が通じるのかも…

だから、昨日の私の威嚇が効いたのかもしれない。

私は、モモイロヒヒに話しかけてみることにした。

「…山の食べ物がないのにゃ…?」


モモイロヒヒの親は、動きを止めて私をじっと見つめた。

子供の手には、畑から盗んだらしいリンゴがあった。

モモイロヒヒの親は、子供を見つめてから、私の方を見てうなずくようなしぐさをした。

マジか?言葉通じるとか頭いいどころじゃないでしょ?

やっぱりネコ科同士だから通じるの???

「…そのリンゴは、村の人が育てて食べたり売ったりして生きてるのにゃ」

モモイロヒヒの親は、私の言葉を聞いているようだった。

「村の人たちにとって大切なものを、勝手に奪うのはダメにゃ」

まだモモイロヒヒは私の言葉を聞いている。

「…お前は、私がその子を殺してもいいのにゃ?村の人の果物を勝手に奪うというのは、それと同じにゃ」

私の言葉に、モモイロヒヒの親はぴくりと動いたけど、その前脚は子供をぎゅっと抱きしめていた。

かなり言葉が通じるようなので、私はふと思いついたことを言ってみた。

「金払えにゃ」

モモイロヒヒは、ネコみたいな金色の目を大きく見開いて固まった。


「お金持ってないのは知ってるにゃ。お金になるようなものを寄こすにゃ」

私がそう言うと、モモイロヒヒの親は何か考えているような様子になり、しばらくして、大事に抱えてた子供を置いて立ち上がった。

そして私の方を振り返り、ついてこいというように先に立って歩き始めた。

もし途中で襲い掛かってきても避けられるように、私は神経を集中しながらモモイロヒヒについていった。

しばらく歩くと、モモイロヒヒは立ち止まって山の斜面をその太い前脚で掘り返し始めた。

そして、土の中から出てきた金色の石ころを私の方に転がした。

小さな石ころ…だけど、普通の石ころより重い、すっごく重い。

これってまさか…金…?!

驚いたけど、まだこれが本物の金かどうかはわからない。

「これは村に持って帰って、お金になるかどうか村の人に聞いてみるにゃ。もしお金になるなら、また話し合いに戻ってくるから、子供と一緒に待っててにゃ」

私がそう言うと、しばらく考えていたモモイロヒヒはうなずいて、私と一緒に子供の所に戻った。

…モモイロヒヒ、頭良すぎるでしょ…

そう思いながら、私は金色の石ころをポーチに入れて、大急ぎで四つ足で走って村に戻った。

 

コタツをつけるとネコがまず中に入るので、私はネコが中央にいるか端にいるかで、自分の足を入れる所を決めなければいけません…我が家は徹底的にネコファーストですw←

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