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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第2章 ネコ戦士、異世界になじみ始める

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2-4 ネコ戦士、ベリー村の過去の出来事を知る

モモイロヒヒってピンク色じゃないの?!

あのかわいいピンクのワンピ風装備の素材じゃないの???

私は変なポイントにひっかかって混乱した。

だけど、そんなことを考えてる場合じゃない。

バーサさんを守らなきゃ。

黒いゴリラ…モモイロヒヒは、林の中をゆっくりと歩いてくる。

形は完全にゴリラだけど、前世の世界のゴリラより真っ黒で、良く見ると顔はライオンとかの猛獣に近い。

私は恐怖と怒りで震え始め、全身の毛が逆立った。

私の口からは自然に、うちのモモが時々うちへの来客に向かって発していた威嚇音が出てきた。

「…シャーーッッ!!」

私の威嚇音に、モモイロヒヒは動きを止めた。

そしてゆっくりと方向転換し、小走りぐらいの速度で林の奥に逃げて行った。

逆立っていた私の毛は元に戻り、私は落ち着きを取り戻した。

「バーサさん、どうするにゃ?まだ野菜収穫するにゃ?」

私が尋ねると、バーサさんはまだ青い顔をしてたけど、

「…いや、もう十分だよ…早く村に戻って村長に報告しなきゃ…」

気丈にもそう言った。

そして私たちは急いで村に戻ることにした。

荷車を引くバーサさんの後ろについて、私は林の方を警戒しながら少しずつ歩いた。

南門から村に入ると、バーサさんは荷車を置いて村長の所に走って行って、

「大変だよ!!モモイロヒヒが現れたよ!!」

と大きな声で叫んだ。

すると、村の人たちはみんな驚き…というか、怯えていた。

「また…モモイロヒヒが…」

どうやら過去に何かあったらしい。


バーサさんからの報を受けた村長は、すぐに手紙を書いて伝書ワシ?にくくりつけた。

ワシみたいな大きな鳥は、手紙を脚にくくりつけられたら王都に飛んで行くそうで、その速度はあの調査兵団の馬みたいな馬よりも速いらしかった。

「モモイロヒヒって、そんなに怖いのにゃ?」

私の問いに、村長は眉を寄せて

「うむ…数年前、山林の果樹が不作だった折りに、モモイロヒヒが畑に来てな、村人がひとり殺されたのじゃ…」

と、そう言った。

えっ…なんで…モモイロヒヒって肉食獣じゃないっぽいのに…?

私が”なんで?”という顔をしていたのに気付いたのか、村長は言った。

「村の果物を全て食い尽くされて怒った村人が、カマを持ってモモイロヒヒに向かっていったのじゃ。そしてモモイロヒヒの前脚の一撃で…な…」

「…そんにゃ…」

呆然とする私に、村長は続けた。

「わしらにとって、畑の作物は王都でも売れる商品じゃ。国に税金を納めるための収入源でもある作物を食い尽くされては生活に困る。だからといって、兵士でもないただの村人が、あのようなモンスターに立ち向かうなど…してはならなかったことじゃ…」

村長は目を伏せて、数年前の出来事を思い返しているようだった。

生活していくために作った物をモンスターに横取りされたら、それは間違いなく困るだろう。

でも、生きていれば…命さえあれば、なんとでもなる。

それでも、その村人は我慢ならなかったんだろう。

その村人の気持ちもわからなくもない…けど、死んじゃダメだ…!

私は意を決して顔を上げ、村長に言った。

「モモイロヒヒは、私が倒すにゃ」


村の人たちから、おお…という声が上がった。

「危ないよ、モモちゃん…ダメだよ、あんな…あんな化け物…」

バーサさんが私に縋り付いてそう言った。

なので私は

「私はもう、自分の母親に何かしてあげることはできないにゃ。その分、この世界でのお母さんみたいなバーサさんのことは守りたいにゃ」

と、バーサさんの目を見て言った。

すると

「あたしにとってもモモちゃんはっ、娘みたいなもんなんだよっ…だからっ…」

バーサさんは泣き崩れた。

村長はしばらく黙ってたけど、

「…先ほど王都に送った伝書鳩が、きっとモモイロヒヒ討伐の依頼を持って戻るじゃろう…」

と言った。

え?鳩だったのアレ?!

あんなでかい鳥、前世じゃオオワシ?とかコンドルとかしかいなかったよ?!

変なとこにひっかかったけど、

「わかったにゃ。依頼が来たら、明日にでもモモイロヒヒを討伐しに行くにゃ」

と、きりっとした顔を作って、私はそう答えた。


日暮れ前には伝書鳩が村に戻り、依頼書がその足にくくりつけられていたので、村長はそれを取って私に向かって読み上げた。

「ネコ戦士殿に依頼する。ベリー村南に出没したモモイロヒヒを討伐、もしくは撃退せよ。報酬金は一万ジロ。後ほど傭兵ギルド長を村に派遣するので、依頼達成確認次第、ギルド長より報酬金を支払う。モモイロヒヒは体が大きいだけではなく頭も良いため、くれぐれも油断せぬようかかるべし」

「承ったにゃ」

私はそう返事をして、リンゴと焼き肉を食べて家に戻ってベッドで丸くなった。

討伐もしくは撃退…ということは、モモイロヒヒはかなり強いんだろう。

でも負けない。

負けられないんだ。

そんなことを考えながら、私は自分のしっぽに顔をうずめて眠りについた。

 

今日も寒いです。さっきまでネコが膝の上でごろごろしてたけど、もっとあったかいとこに移動していきました…淋しい…

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