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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第2章 ネコ戦士、異世界になじみ始める

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2-3 ネコ戦士、護衛をする

私がこの世界に来て、もう一カ月近くになると思う。

愛猫・モモを亡くし、父を亡くし、その上私まで亡くした母は今、どうしているだろう。

そう思いつつも、私はさほど心配してなかった。

私には年の離れた姉がいて、その姉は二十歳で結婚して子供を二人産み、うちの近くで暮らしていたからだ。

私が小さかった頃、もう一人の母親のように私の面倒を見てくれていた優しい姉が、母を一人でおいておくわけはない。

甥たちも優しい子たちだし、もう中学生だから、母のためにあれこれ力になってくれているだろう。

だから私は、今の自分のことだけ考えて生きていけばいいはずなんだ。

私がいなくなっても、母は大丈夫だ…

そう安心しながらも、私は少し淋しい気持ちだった。

私なんて、いなくなっても大丈夫なんだ…

そんな風に思うのはいけないと思っても…この世界にネコ戦士として転生してきてからも、その思いは常に、私の心のどこかにあり続けていた。


そんなある日、

「モモよ、今日はバーサの護衛をしてくれんかの?」

と村長が私にそう言ってきた。

「護衛ってなんにゃ?」

と私が尋ねると、村長は

「バーサの店の果物や野菜は、村の南門から出たところの畑で育てておるのじゃが、最近モンスターがその畑の近くの林に現れるようになったんじゃ」

と言った。

なるほど、村の中に畑がないと思ったら、そういうことだったんだ。

「わかったにゃ。バーサさんの護衛、承ったにゃ」

私はそう答えて、バーサさんの護衛をすることになった。

バーサさんは護衛の日当を払ってくれると言ったけど、断った。

ツラーオやオオツラーオの討伐なんかでギルド長からもらったお金が充分あったし、バーサさんがくれたベリーの実のおかげで、何度も助かっていたからだ。

「命の恩人の護衛ができるなら光栄にゃ!」

という私の言葉に、バーサさんは笑って

「おおげさだよー」

と言ったけど、ホントに助かってるんだもん。

それにバーサさんは多分、私の母ぐらいの年齢だろう。

だから…もう自分の母のために何かしてあげることができなくなった分、せめてバーサさんのために何かできれば…と私は思う。

ただの自己満足かもだけど、何もしないよりはした方が、私の心は落ち着くだろうから。


村の南門を出るのは初めてだったので、ちょっとわくわくしながら、私はバーサさんと一緒に南門に向かった。

バーサさんがやや小さめの四輪の荷車に木箱を四つ載せたのを引いて行って南門を開けると、ネギみたいなのやキャベツみたいな野菜が植えられた畑の周りには、ベリーやリンゴなどの果物の木があり、その向こうは林になっていた。

「畑と林の間に柵はないのにゃ?」

私が聞くと、

「林でキノコ採ったりもするから、柵は立ててないんだよ」

とバーサさんは答えた。

そして

「あたしは畑の野菜を収穫してるから、モモちゃんは林からモンスターが来ないか見てておくれよ」

バーサさんはそう言って、カマみたいなやつでネギとかを収穫し始めた。

「果物は取らないのにゃ?」

と私が聞くと、

「じゃあ木に登って少しずつ取ってくれるかい?木のてっぺんに近い所から熟れていくからね」

と言った。

「了解にゃ!」

木登りなんて初めてだったけど、今の私はネコだからか意外に簡単に木に登れた。

そして、周囲を鼻で警戒しながらベリーやリンゴの実を取ってはバーサさんに投げた。

バーサさんは笑って

「うちの娘が子供の頃にも、そうやって木に登って果物を取って投げてくれてたよ」

と言った。

「バーサさんの娘さんは今どこにいるのにゃ?」

私が果物を取りながら尋ねると、

「娘は王都に働きに出て、そこで知り合った人と結婚して、子供も二人いるんだよ」

バーサさんはうれしそうに…でも少し淋しそうに答えた。

「バーサさんの娘さんやお孫さんは、村に来ないのにゃ?」

と私が聞いてみると、バーサさんは

「王都からは120キロもあるからねぇ。手紙は王都から年に何度か届くけど、娘たちはなかなか来られないんだよ…」

と言って、淋しそうに笑った。


野菜と果物の収穫をいったん休んで、私たちはお弁当を食べることにした。

バーサさんが作ってくれた、サンドイッチみたいなやつだ。

トウモロコシみたいなやつの粉を焼いたパンみたいなのの間に、野菜と、干し肉を戻したやつが入ってておいしかった。

「おいしいにゃ~」

と私がサンドイッチを食べていると、バーサさんが

「モモちゃんにも、ここに召喚される前には家族がいたんだろ?ご家族は大丈夫なのかい?」

ふと思いついたように尋ねてきた。

なので私は正直に

「ここに来る前に父親が病気で死んで、私がここに召喚されて、母親ひとりになったけど、近くに姉一家がいるから、私がいなくなっても母親は大丈夫にゃ」

と答えた。

するとバーサさんは首を横に振って

「大丈夫じゃない、大丈夫じゃないよ…!いくら娘が二人いたからって、その一人でもいなくなったら、母さんは大丈夫なんかじゃないよ…!」

と私に言った。

娘を持つ母親であるバーサさんの言葉は、私の胸に刺さった。

「…そうかにゃ…でもにゃ…」

と言いかけた私の鼻に、嗅いだことのない匂いが飛び込んできた。

私が武器を抜いて

「モンスターにゃ!!」

とバーサさんを後ろにかばって構えたら、林の奥に黒い影が見えた。

「…モモイロヒヒ…!!」

とバーサさんはおびえたような声で言った。

え?桃色?

…真っ黒なゴリラなんだけど…

 

今日もめっちゃ寒くて、あんまり寒いので朝ご飯を食べた後、またベッドに戻ってネコと一緒にしばらく寝てました。寝正月w←

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