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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第1章 ネコ戦士、降臨する

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1/8

1-1 ネコ戦士、異世界に降り立つ

私はネネコ。

ただのネコ好き女子だ。

家族みんながネコ大好きで、私が子供の頃には、家の中に九匹のネコがいたぐらいだ。

そのネコたちが天寿を全うした後、ペットロスで毎晩のようにネコの生る木とかの夢を見ていると言ったら、ご近所さんが職場で餌付けしていたネコの産んだ仔ネコをうちに連れてきてくれた。

両親と私とで目一杯溺愛してきたそのネコ…モモもあっという間に年を取り、天寿を全うしてしまった。

そして最愛のネコを見送った頃には、私も三十歳になろうとしていた。

朝起きて会社に行って事務職をこなし、帰宅して晩御飯を食べてゲームして漫画を読んで寝る…という単調な日々の繰り返しだったけど、モモがいた頃は、私が家に帰ると玄関まで出迎えて体を擦り付けてくれるモモに癒されて…毎日が幸せだった。

心の支えだったモモを失った私に追い打ちをかけるように、父が病気で急死した。

母と二人で父の葬儀を執り行い、諸々の手続きを終えた頃には、私の精神はもう限界を超えていた。

あんなに楽しみにしていたゲームも漫画も、オタク友達とのラインも、ストレス解消手段にはならなくなってしまった。

それでも何でも、明日はまたやってくるのだ。

大きくため息をつきながら、私はベッドの中で眠りについた。


眠っているのに、あたりがやたら明るい。

そしてその光の中に、文字が浮かんできた。

→ネコ戦士になる

 ヒト戦士になる

まるでゲームの選択画面のようだった。

もしかして、私…死んだの?

ああ…最近二十代三十代でも心筋梗塞とかで亡くなる人多いもんなー…

などと考えながら、私はどちらを選ぶべきか考えた。

ヒトの戦士なら、普通のRPGみたいに勇者になるとかそんな感じかな?

だったら…私なら、ネコ戦士になってみたい。

ネコの戦士なんて、絶対かわいいに決まってるもん。

「ネコ戦士になる」に手を伸ばして触れると、次は毛色や目の色、尻尾の形を選ぶ画面になった。

うちのネコ…モモは雑種で、白ベースのシャムトラだったので、白いシャムトラの毛色を。

目の色はきれいな青だったので、青い目を。

尻尾はまっすぐで長いシマ柄の尻尾を選んだ。

見た目を選ぶと、次の画面に移った。

「名前は?」

という画面だ。

私は迷わず最愛のネコの名前…見送ったばかりの猫の名前…

「モモ」

と入力した。

すると世界はホワイトアウトして、私の目の前には、アルプスとかにあるんじゃない?と思えるような、小さな山間の村みたいな風景が広がった。


足元は雑草混じりの土の地面…?

私は素足なんだろう、その感触がリアルだ。

私がきょろきょろとあたりを見回していると、村人らしい人達が集まってきた。

そして白髪に白いひげのおじいさんが一歩前に出て、

「おお、ようこそ、ネコ戦士殿」

と、しわだらけの顔をさらにシワシワにして笑いかけてきた。

日本語じゃないけど日本語に聞こえる。

なら、私も普通に話しても通じるのかもしれない。

「お名前はなんと申されますかな?」

と尋ねてくるおじいさんに、私は答えた。

「モモですにゃ」

…にゃ?!

今、私普通に「モモです」って言ったつもりなんだけど?!

なんで語尾に「にゃ」がついてんの?!

多少混乱したけど、

「ああ、ネコだからなのか」

私はすぐに…多少強引に納得することにした。

そのおじいさんは、

「私はこのベリー村の村長でございます。この村は自然に囲まれた静かな村でしたが、昨今モンスターたちが増え、その動きが活発になり、困り果てておりました。そこで国王陛下にお願いした所、ネコ戦士殿を召喚して下さることになったのです。どうか、この村をお守りください…」

と言った。

え?!マジか?!私が村を守るために戦うの?!

アラサーオタク女子の私が?!

モンスターと戦うって?!

私は混乱しまくった挙句、

「ネコ戦士だから…仕方ない…のか…?」

と考えたけど…だからってすぐに納得は出来なくて、しばらく呆然とするしかなかった…

 

ネコが大好きなので、ネコの話を書いてみたかったんですwネコ好きの方に楽しんでいただければうれしいです。

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