表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/28

エピローグ:遠ざかる祈り、交わらぬままに

陽の落ちた王都の空に、一番星が静かに瞬いていた。


城の高窓から、それを見上げる少女がいた。

銀の鈴のような祈りを、心の中で唱えながら──

けれども、神の声は今も、彼女に何も告げてはくれない。


(……わたしは、間違っているのかもしれません)


誰にも届かぬ祈り。

名前を呼ばれ、心を揺さぶられたあの日のことを、胸の奥にしまい込む。

ただ、あの瞳だけは、忘れられなかった。



一方で、地平の彼方を見つめる一人の男。

その足は、確かに新たな一歩を踏み出していた。

無言のまま、誰にも頼らず、誰にも縋らず。

ただ剣を携え、進む先にある“何か”を信じて。


(振り返らない。もう、誰にも)


名もなく、加護もなく、祝福もされずに生きる者。

だが、その背には、確かな意志があった。


交わるはずだった道が、すれ違い、遠ざかる。

けれど、まだ終わりではない。

この物語は、ようやく始まったばかりなのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ